サイレンの音が肩になるヒヤッとする入口に止まるんじゃないかだいぶまえに亡くなったはずなのに今も生きているこの部屋が好きだった針金ハンガーに痩せた肩がつるされているその向こうへサイレンが遠ざかる鼠色のカーディガン羽織って消えていくぼんやり見ていた母の空へ