動物は、口に合う物を食べます。
食べ物は腸内フローラと密接な関係があるので腸に合う食事も重要です。
セミは樹液、チョウチョの幼虫は草木の葉。
但、種類によって食べる葉が違います。
成虫は主に花の蜜ですね。
鳥も種類によって食べ物が違い、雀、ペリカン、ペンギンなどクチバシや舌も形状が異なります。
人も動物もほ乳類は、乳児の間は母乳です。
乳児の腸には、お乳を発酵させる乳酸菌やビフィズス菌がいます。
歯が生えて離乳食と同時に大人型の腸内フローラに変化していきます。
動物はそれぞれ、口や歯の形状も違い、お腹の中の腸内細菌も違います。
草食動物は前歯が発達して、草を食べ、肉食動物は犬歯が発達しています。
牛や馬は草しか食べません。
蛋白質の摂取量が少ないのに筋肉質です。
筋肉に必要な蛋白質はどうやって補充するのでしょうか?
牛には胃が4つあります。
第一の胃(ルーメン)は、容量が150リットルもあり、繊維を発酵させる細菌が1ml中に100億匹、原虫が100万匹、とても沢山棲んでします。
繊維質を分解発酵させて、酪酸やプロピオン酸などの有機酸を作り、造られた脂肪酸はルーメンで吸収されて牛のエネルギーの70%を賄っています。
沢山の微生物や原虫は死んでいき、第2~4の胃でアミノ酸に分解されて腸で吸収されます。
草⇒発酵⇒有機酸(エネルギー)+微生物の蛋白質⇒アミノ酸⇒筋肉。
分かりやすく言うと牛肉の蛋白質は胃の中の微生物と原虫から作られているのです。
微生物の働きは素晴らしいですね。
逆に栄養価の高い濃厚飼料を与えすぎると、胃や腸の微生物のバランスが崩れ、病気になります。
人間も人種や食習慣によって腸内フローラが違います。
食習慣が変われば、腸内フローラが変動して、病気のリスクが高まります。
パプアニューギニアなどでは、食生活の変化に伴い、肥満や糖尿など、病様々な病気が増えています。
古来のパプアニューギニアの原住民の主食はタロイモでした。
蛋白質の摂取量は極めて少なく、消費量の方が遙かに多いのに素晴らしい筋肉を持っています。
実は腸の中に、空気中の窒素を固定してアミノ酸を作る微生物がいるお陰です。
繊維質や糖質を発酵させる微生物が多く、腐敗菌はとても少ないのです。
但、お祭りの時に家畜の豚を殺して食べる風習があります。時々、お祭り後に食中毒で死亡する村人がいました。
急に動物性蛋白や脂質を摂取する事により、ウエルシュ菌などの腐敗菌や病原菌が増殖するからです。
豚みたいに腐敗菌に強い腸内フローラを持っていれば、大丈夫でしょうけど・・・
今は養豚も配合飼料やイモ類など良い餌で育てますが、1960年代は腐敗した残飯を与えていました。
学校給食の残飯などですが、真夏は前日の残飯は腐敗して臭い物でした。
でも豚は喜んで食べて病気にもならず元気でした。
豚の腸内細菌には、腐敗して生成したアンモニアをアミノ酸に変換する腸内細菌がいるのです。
皆さんの腸にはそんな便利な菌はいません。
食事の内容で小刻みに変化していきます。
数日で少し悪化しても、食事に気を付ければ数日で元に戻ります。
試される方は、3日間、ご飯、発酵食品、豆類、野菜など和食中心にして肉、油物を止めると便の匂いや色も変わってきます。
4日目から7日目まで、肉、油物中心の食事に変えると、便は黒く臭くなっていきます。
また和食に戻せば、便は黄色くなっていきます。
腸の中で乳酸菌やビフィズス菌が増えれば、便は酸性になって黄色くなります。
逆に腐敗菌が増えれば、アルカリ性の毒素によって、臭く黒くなってしまいます。
飢餓で苦しんでいる国もあるのに、日本は飽食の時代と言われています。
肥満や糖尿病、心臓病、高血圧、癌など様々な病気の人が多くいます。
日本人の食事は日本食。
西洋食が多い人は病気の元になりますね。
私たち人間は、野菜2、動物性蛋白1、穀物5の割合で食べる為の歯が生えています。
それに見合った腸内細菌が棲んでいて、先祖代々遺伝しています。
いろんな物を食べすぎると腸内フローラが悪化します。
健康維持の食養生=先祖が食べていた食事を中心に食養生を実践する事は、病気の予防には重要です。