先日S様が新会員になられた。倶楽部の代表たちが色々お話をされていた。その時数十年前の懐かしい名前が聞こえてきた。それが青森県出身のフォークシンガー 三上寛だ。彼とは同じ高校の旧友だ。遠足などでは仲間数人で、ご飯を一緒に食べ、ギターを片手にフォークソングなどを歌った思い出がある。選択教科の書道の授業中でのこと、彼は私の背中に隠れてよく詩を書いていたものだ。
卒業し警察学校に進んだが中退し、上京して様々な職業につきながらも詩への夢は捨てなかった。時はフォークソングの絶頂期。彼にもチャンスが巡り、作詞作曲し歌手として芸能界にデビューすることができた。その後ドラマなどにも出演し、今日にいたっている。
彼は現在大阪で「詩学校」を開催している。その彼が、自分の故郷で「詩学校」を開くのが夢だという。それなら是非に弘前読書人倶楽部をお使いくださいと言うことで、丁度イベントに参加するために弘前を訪れていた寛さんと、倶楽部の代表たちでお会いすることができた。結局話は残念な結果に終わったが、それでもいつかは実現するかもしれない という希望だけはもてた。
数十年ぶりに会った彼は、津軽弁丸出し、きさくで、人懐っこしさに変わりがなく、青森の料理とお酒を、懐かしい、美味しいと言って食べていた彼の顔には全く飾りっ気がなかった。
しばし時を忘れて40数年前の思い出話に花が咲いた楽しい一日であった。