goo blog サービス終了のお知らせ 

弘前読書人倶楽部

弘前読書人倶楽部のオフィシャルBlogです。
「イベント情報」などを発信します☆

新春ブックトーク

2020年01月07日 | 日記
 
 弘前読書人倶楽部は、今、年末年始の休館中である。役所や大企業並みに、いやそれらよりも一日長く、1月6日までお休みをいただいているが、今日は特別に、新春ブックトークを開催した。まるで、小学生時代にあった、夏休み中の登校日のようなものである。
 ブックトークは、併月であれば、第3か第4の日曜日に開催している。ところが今回は、講師のご都合で、土曜日の今日となった。イレギュラーで、告知も充分でなかったにもかかわらず、10人を超す皆さんにお集まりいただいた。
 講師は、京都精華大学の斎藤教授である。青森県に住んでいると、関西の大学情報はほとんど入ってこない。国立大学を除けば、僕が知っているのは、せいぜい関関同立か、吉村道明が卒業した近畿大学か、あのねのねの母校京都産業大学・・・指折り数えられる程度のものだ。でも、その中でも、京都精華大学は、日本で初めて「マンガ学部」を創った大学として有名であり、その先進性には秘かに注目をしていた。
 斎藤教授は、そのポピュラーカルチャ―学部に籍を置いておられる。何を学ぶ学部なのか、名前だけからはピンとこないが、聞けば、ファッションコースト音楽コースがあるとのことだ。これまた先進の更に先を行っているような感じだ。
 実は、教授は、読書人倶楽部創立者の一人Ta君と同年齢。僕の一年後輩にあたる。高校生の頃、僕は、当時からノンポリに近かったが、彼は生徒会活動をしていたはずだ。ある日いきなり、「学帽の自由化に取り組みたいので協力してくれ」と頼んできたのが彼だったように記憶している。
 今では、街中で学帽を被っている高校生を見ることはない。それを思えば、彼はその頃から、時代の先端を走っていたのだろう。
 そんな彼が、ブックトークのテーマとして選んだのが、「阿川弘之の評伝文学を読む 山本五十六・米内光政・井上茂成美」だったから、”ポピュラーカルチャー”というイメージとのギャップに驚いた。

山本五十六(上) (新潮文庫)
著者 : 阿川弘之
新潮社
発売日 : 1973-03-01
ブクログでレビューを見る»

米内光政 (新潮文庫)
著者 : 阿川弘之
新潮社
発売日 : 1982-05-27
ブクログでレビューを見る»

井上成美 (新潮文庫)
著者 : 阿川弘之
新潮社
発売日 : 1992-07-29
ブクログでレビューを見る»

 大学のことや、今日のテーマとポピュラーカルチャとの関連等、トーク後の懇談会で、もっと詳しく聞きたかったが、町内の人の通夜があったので、僕は途中退席をしなければならなかった。残念。
 いやいや、今日のトークのことばかりではない。45年ぶりに会った後輩だ。高校時代のことも語り合いたかった。次に彼と会えるのは、いつになるんだろう?
 
 
 

 
 
 
 

年末・年始休館日のおしらせ

2019年12月26日 | 日記

 12月28日(土)~ 1月6日(月)まで、

 お休みとさせてただきますので宜しくお願い申し上げます。

 来年はより充実した一年になれればと思っておりますので、皆様のご協力の程、宜しくお願
い申し上げます。

  
  *4日は1月のブックトークがあります。


                              弘前読書人倶楽部 



  


 




『センセイの鞄』

2019年12月25日 | 日記

この小説は昔、村上善男先生から頂いて読んだことがあった。そのいきさつは思い出せないが、飄々としていながら甘美な読後感に驚かされた記憶がある。

 高校の国語教師である松本春綱先生と教え子の37になる大町ツキコが何十年か振りに居酒屋で出会うことから始まる恋愛小説なのだが、改めて再読してみると、行きつ戻りつの揺蕩うような進展の無さには、何度も巻を置いた。それは、司馬遼太郎や沢木耕太郎的なノンフィクション物を好む評者としては馴染みにくいものであったせいだろう。

 しかしながら読了してみると、このプロセスこそが恋愛というものであり、親子よりも年の離れた者にとっても恋愛は成立するという、現実に有り得ないとは言はないが、極めて稀な純愛を現出させるという、物語の王道を行く作品であったのだ。終盤はそれまでの穏やかな流れから、一変してクライマックスからエンディングまで持っていかれる。将棋でいえば即詰みのような鮮やかな収束に討ち取られた思いがする。谷崎潤一郎賞受賞作品。



〈川上弘美 著 2001年〉

田中久元





一月ブックトーク案内

2019年12月25日 | 日記
 
 1月のブックトークには、京都精華大学・ポピュラーカルチャー学部の、斎藤光教授をお迎えすることになりました。演題は「阿川弘之の評伝文学を読む 山本五十六 米内光正 井上茂美」とのことです。
 齋藤先生のご都合で、来月は、特別に、新年早々の土曜日の開催となります。年明けのお忙しいさなかとは存じますが、是非ともご参加下さいますようお願い申し上げます。


  日時 1月4日(土)午後4時から

  場所 弘前読書人倶楽部 036-8203弘前市本町69

  会費 2000円(会員以外は3000円)

*出席の方は12月末日までに、FAXでお知らせください。(0172-33-4033) お電話の場合は、090-6687-5200(今泉携帯)へお願いします。留守電に入れていただければと思います。

12月ブックトーク 今年の一冊

2019年12月24日 | 日記
 
 12月のブックトークは、毎年、講師を立てずに、参加者がそれぞれ本を持参して、「私の今年の一冊」と題して、本の紹介をすることにしている。
 これが意外(?)と好評で、今日も20名近くの人が参加してくれた。やっぱり、読書好きの人は、自分の読んだ本を、誰かに伝えたいと、心の底では望んでいるのではないか。
 以下に、今日、紹介された本の一部を記してみよう。 

ひとつむぎの手
著者 : 知念実希人
新潮社
発売日 : 2018-09-21
ブクログでレビューを見る»


きつねの窓 (おはなし名作絵本 27)
著者 : 安房直子
ポプラ社
発売日 : 1977-04
ブクログでレビューを見る»


新装版 御宿かわせみ (18) 秘曲 (文春文庫)
著者 : 平岩弓枝
文藝春秋
発売日 : 2006-01-11
ブクログでレビューを見る»


やがて満ちてくる光の
著者 : 梨木香歩
新潮社
発売日 : 2019-07-29
ブクログでレビューを見る»


戦国時代のハラノムシ―『針聞書』のゆかいな病魔たち
著者 :
国書刊行会
発売日 : 2007-05-21
ブクログでレビューを見る»


戦後最大の偽書事件「東日流外三郡誌」 (集英社文庫)
著者 : 斉藤光政
集英社
発売日 : 2019-03-20
ブクログでレビューを見る»


独ソ戦 絶滅戦争の惨禍 (岩波新書)
著者 : 大木毅
岩波書店
発売日 : 2019-07-20
ブクログでレビューを見る»

犬を連れた奥さん―扇谷正造特選エッセイ集
著者 : 扇谷正造
グラフ社
発売日 :
ブクログでレビューを見る»

 と、かように多種多彩である。この他にも、エッセイ、絵本、ノンフィクション等々、全部で20冊以上の本が、紹介された。
 年間、新刊だけで数万点が発行され続けているという中で、一人が読むことのできる本の数なんて、たかが知れている。でも、こうやって、大勢が自分の読書体験を披語りあうことで、本との出会いは、無限に広がっていく。「面白そうだな」「読んでみたいな」と思うことが、新たな世界に自分を導く第一歩となる。
 弘前読書人倶楽部は、そうした本と人とをつなぐ場として、これからも存在し続けたいと考えている。