goo blog サービス終了のお知らせ 

弘前読書人倶楽部

弘前読書人倶楽部のオフィシャルBlogです。
「イベント情報」などを発信します☆

『強く生きる言葉』

2020年03月03日 | 日記


 弘前読書人倶楽部の創立者の関周さんは、慶応大学の学生だった頃に、岡本太郎を講演者として招いて怒らせたという武勇伝がある。岡本太郎は村上善男先生が師と仰いだ方で、我が田に水を引けば、私の師匠筋に当たると言えないことも無い。その語録である。

「危険だ、という道は必ず、自分の行きたい道なのだ。ほんとうはそっちに進みたいんだ。危険だから生きる意味があるんだ」

「自分だけが独占している知識、それで威張ろうなんて卑しい」

心に引っかかる言葉を掲げてみると、自分の現在の心境を映す鏡のように思えてくる。秘書であり養女の岡本敏子が「普段の生活の中で、動きまわりながら、ふと洩らす言葉」を書き留めた1冊。師の言葉を弟子が書き留めたという意味で『歎異抄』あるいは『正法眼蔵随聞記』を思い出させるものがある。

〈株式会社イースト・プレス 岡本太郎著 2003年〉

田中久元

2月ブックトークを終えて

2020年02月25日 | 日記
 2月のブックトークが行われた。講師は木村正夫さん。弘前航空電子の取締役等を歴任された方だ。「青森縄文王国の謎」と題してお話を伺った。
 今日は、木村さんのご希望で、大きなスクリーンを用意した。これに画像を映し出しながらの講演でああった。さすがにわかりやすい。
 ご自身が調査した様々な統計や地図を使って、青森県に縄文遺跡が多い理由や、その発展や衰退の経緯を説明してくれた。本人は素人の研究だと謙遜されているが、なかなかどうして詳細にわたっている。1時間だと話足りないくらいの資料を用意してきて下さった。
 推薦してくれたのは、長部日出雄の「天皇はどこから来たか」という本。三内丸山遺跡の発掘に触発されて長部が書いた本だとのことだ。

天皇はどこから来たか
著者 : 長部日出雄
新潮社
発売日 :
ブクログでレビューを見る»

 コロナウィルス騒動に悪天候が重なってか、いつもより参加人数が少なかったのが残念である。木村さんには、申し訳ないことをしたような気もする。
 さて、コロナと言えば、弘前読書人倶楽部も、厳戒態勢に入った。
 会員制とはいえ、時折、フリーのお客様も寄ってくれる。今朝も、観光に来た人が、図書館と間違えて入ってきた。そういう意味では、不特定多数(?)の人が出入りする場所とも言える。
 特に、ブックトークの日は、狭い空間に10数人の人が集い、講話を聞き、会食をする。いわゆる、濃厚接触の場だ。
 消毒そこで、ある会員からのご助言で、急遽アルコール消毒液を置くことにした。入り口でウィルスの侵入を防ぐためだ。
 ところが、これが大変だった。調達するのに苦労した。
 最初に、普段よく行くドラッグストアを覗いてみた。在庫はない。二軒目も三軒目も品切れだ。どこも、入荷の目途も立ってないとのことだった。
 四軒目で、駄目もとで、店員に聞いてみた。そうしたら、丁度入荷したばかりとのことだった。ようやく手に入れることが出来た。手拭き用の濡れティッシュも準備して、来館者を待った。
 そうやって、万全(?)の態勢を整えたのに、使ってくれる人は少なかった。・・・徒労? いやいや、今にきっと役立つ時が来るだろう。(5780)

2月ブックトーク案内

2020年02月12日 | 日記
 2月のブックトークを、講師に木村正夫様をお迎えして、下記の通り開催いたします。木村様は、弘前市出身で、弘前航空電子㈱取締役、弘前産業開発センター代表取締役専務等を歴任されました。また、現在は、青森県の古代史の研究を専門に手掛けておられます。
 雪の多い足元が悪い時期とは存じますが、是非ともご参加下さいますようお願い申し上げます。 

             
 日時 2月23日 午後4時から

 場所 弘前読書人倶楽部 036-8203弘前市本町69

 演題「青森縄文王国の謎」

 会費 2000円(会員以外は3000円)

*出席の方は2月20日までに、必ずお電話かFAXでお知らせください。(0172-33-4033)
以上
                       弘前読書人倶楽

                           代表 今泉昌一

『山本五十六』

2020年01月08日 | 日記


海軍きっての国際派で、大艦巨砲主義全盛の時代に海軍航空隊を育成し、日独伊三国軍事同盟や日米戦争に反対しながらも連合艦隊司令長官としてハワイの真珠湾奇襲を周囲の反対を押して決行して大戦果を挙げた。しかし1943年ブーゲンビル島上空で米軍機に撃墜され司令長官のままで戦死した。

 著者の阿川弘之は25歳で海軍中尉(後に大尉)として終戦を迎えた人で、『米内光政』『井上成美』を加えて「海軍提督三部作」と呼ばれる著書を記した。

 愛人で芸者の可合千代子とのことや、将棋、ポーカー、ブリッジなどの博打好きだった側面も描き、国葬に処せられた名将の人間味を当時の手紙を多数引用して詳述している。このため遺族から名誉棄損で訴えられることになる。阿川は山本の戦死したブーゲンビル島の密林の中に一式陸上攻撃機の撃墜現場まで確認しており、この書は山本五十六伝記の決定版と言っていいだろう。

 「行方不明」を「行衛不明」と記すなど作家としてのこだわりを感じる。写真も豊富で山本五十六や連合艦隊を知りたい人にお勧め。スターの内幕を見るような趣がある。



〈阿川弘之 著 1969年〉

田中久元