おじさん日記 ~Okinawa Self-Diving Log~

セルフダイビングのブログ。ログや写真や器材が中心ですが、その他ダイビングに関係ないことも好き勝手書いています。

沖縄の木造建築を長持ちさせるために

2018-05-24 22:40:59 | 
沖縄といえばコンクリート住宅ですが、戦前までは沖縄も木造でした。戦争で全体の約85%の住宅が失われ、短期間で作れる木造のツーバイフォーの「規格住宅」がたくさん建てられましたが、その規格住宅が台風で吹き飛ばされました。沖縄の風土を知らない米軍・琉球政府が苦肉の策で考えた住宅は失敗だったんですね。その一方でコンクリートブロックでできた外人住宅が台風被害がほとんどなかったこともあり、県内の住宅はコンクリートブロック造や鉄筋コンクリート造に移行していき、現在の沖縄ではほとんどがコンクリート住宅です。

上に書いたような歴史もあり、沖縄では「沖縄では木造じゃダメだよ。コンクリートじゃなきゃ。」という声をうちなんちゅの、特にある一定以上の年齢の方々からよく聞きます。アメリカによって持ち込まれたコンクリート住宅は、沖縄の常識となり、沖縄の文化の一部となったようです。

戦前の沖縄では当たり前だった木造住宅は今の沖縄では「非常識」となってしまいましたが、私は今後少しずつ木造住宅が増えていくと思っています。

建築単価が安いことに加え、熱伝導率が低く、湿気もこもりにくいというメリットもあります。耐震強度や台風性能も、昔と違い現代の技術、現在の建築基準法であれば大丈夫。施工の不具合や木材の劣化がなければという条件が付きますが。

デメリットは腐食とシロアリに弱いことですね。ずっと水に濡れていると腐ってしまう。木が水に濡れないように(濡れ続けないように)することが、木造建築を長持ちさせるために重要となる。

雨漏り、塗装やコーキングの劣化、浴室の浸水、結露による被害、配管の漏水等を未然に防ぐことですね。なので、シーリングの補修、サイディングの張替え、屋根の葺替えといったメンテナンスが必要となり、給排水管も劣化するので20年位たったら取り替えを考えないといけない。住宅でメンテナンスフリーなんてありえないので、適切なメンテナンスを怠らないことが長持ちさせるためにとても大切。これは木造だけでなくコンクリート造でも同じです。定期的な外壁塗装が必要。それを怠って内部に水が入り、ヒビが入って錆びた鉄筋が見えている(爆裂という)古いコンクリート造の建物もたくさんありますよね。

湿気に弱い木造住宅だけれど、昔と違って今は床下換気なども義務化されていて、ローコストな建売住宅でさえも湿気が溜まりにくく長持ちしやすい木造住宅になっている。

あとは、シロアリ対策。シロアリは土からやってくるので、まずはベタ基礎によって防ぐ。最近の木造住宅は当たり前のようにベタ基礎を採用しているので、昔の布基礎の木造住宅よりはシロアリに強い。あとは、5年に1回の防蟻処理が必要。新築時の木材にはシロアリ対策の薬剤を染み込ませてありますが、効果は永久ではないので、定期的に防蟻剤での処理が必要になる。5年毎に約10〜20万の出費になるが、そこをケチらないことが大切なのかなと思います。

日本の木造住宅の平均寿命は約30年と言われ、税金を決める上で決められた耐久年数も22年と短い。これは建てっぱなしで全くメンテナンスをしない影響もあるけれど、まだまだ使えるのに取り壊すことが多い日本人の特性?も大きく影響します。まだまだ使える家や車を手放してしまうお国柄ですからね。30年という平均寿命は「取り壊した物件の平均築年数」で、耐用年数ではありません。飽きるという人間の意思で壊されるわけです。建物の躯体自体に問題がなくても住宅に使われている設備や仕上げ材は消耗品で、その消耗品は30年もあれば寿命を迎えてしまうので、「だったら建て替えてしまうか」となってしまうわけです。特に木造住宅の場合取り壊しの費用も新築費用も安く済むので、建て替えのコストがコンクリート造よりも小さく、「だったら建て替えてしまおうか」となりやすい。

日本の車事情と似ていますね。メンテナンスにまとまったお金がかかるタイミングで手放して新しいものを買う。私はメンテナンスをしながら長く使う主義なので、爺になって身の回りのことが出来なくなって施設に入所するまでは、この家に住み続けると思います。



2 コメント

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はじめまして (Unknown)
2018-05-26 12:50:37
私も立地の良さに惹かれてアーネストの物件を購入し、近々引っ越す予定です。
事前にネットで評判等は見てましたが売地が出ないエリアだったので決断しました。
住んでいる方しか分からないような情報等を交換できればと思いますので、これからもブログ頑張って下さい。
楽しみにしてます。
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アーネストワン (snowman)
2018-05-26 20:47:21
コメントありがとうございます。アーネストワンを含め、建売住宅は立地が良いことが多いですよね。私も土地を探して注文住宅を建てようかとも考えましたが売地が出なかったです。不動産仲介業者の立場になってみると、土地の売買(土地の売主→建売業者)とその後の建売住宅の売買(建売業者→建売の買主)と2回手数料が取れる(うまくいけば両方とも両手)ので、売地の申し入れがあった時に売地として一般人に出回るよりも先に建売業者に声がかかるのかなと思っています。
話がそれました。今後もよろしくお願いします。
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