今日の内容はご本人の了解のもとに書かせてもらってます。
そして、これから書く事を『リアルメモリー』と名付け製作販売をして行きます。
仲間のご主人が10年前にガンでお亡くなりになりました。
ご主人38歳、一級建築士の資格を持ち、本業の合間にはメンズファッション誌の
モデルのお仕事もされていたそうです。
10年前はお子さんもまだ小さな頃で子供の成長と共に父親の面影が消えて行って
しまうであろうとの思いから父親の姿をより身近に記憶してもらいたいと今年に
入り生前のご主人を写真から再現するプロジェクトを開始しました。
当然、製作するのは私のいつもの仕事仲間の力を借りた訳ですが、粘土原型のチェックは
何度も繰り返えされ完成時には驚くほどの完成度の高いものが出来上がりました。
顔全体はシリコン樹脂で作られ顔のどこを触っても人間の皮膚の感触とほぼ同じです。
眉毛、ひげ、頭髪も毛を一本一本植毛し髪の毛の癖まで再現さてます。
目の瞳の大きさ、歯並びまで忠実に再現されたのです。
依頼した本人も実際どこまで似るのか?と半信半疑ではあったようです。
完成された、いや、復元されたご主人のあまりのリアルさには感動してました。
実際、似ているのかは生前の本人を知る者しか知らないのです。
それなりに人物を作り上げてもこのプロジェクトは似てなかったら何もならない
事なのです。それを証明するようなエピソードもあったそうです。
ご主人の命日に彼女がご主人のご両親をご自宅にお招きした際にお父様が口にした一言。
『とにかく、驚いた!息子を失ってからの10年の月日がこれを見たとたんに一瞬にして消えたよ!』
彼女にとってはいつまでもそばにいてくれる安心感と日々の活力の源となっているそうです。
歴史的な人物や会社の創設者だけが銅像となりこの世に生きた証を残す時代ではありませんね。
人それぞれ人生の中で出くわす様々な場面で大事なものを失ってしまう事や自分だけが残して
おきたい物の形があるはずです。 そう思う人も世の中にいるはずです。