あなたはさがされている
１
置きざりにされた雨が
ビニル傘を探している
傘はボロボロのからだで
空き地の隅にころがっている
忘れられた神が 懸命に
傷ついた心をさがしている
２
朝ご飯を食べながら
夕飯を楽しみにする
始まったばかりの今日を そんな
ちいさな喜びでつなぐ
駅のアナウンスにいたわりをきく
コンビニの店員にほほえみを見つける
家路につく今日を
「おつかれさま！」 そう町がねぎらう
ひとりの部屋の真夜中
メールする相手も皆ねむりにつくと
―死ニタイ
胸底（むなぞこ）からふとそんな誘惑が来るのだが
３
なんでもない川原
お目当てのジョロウグモが巣を張っている
だから ぼくに特別の川原となった
たくさんのひとが住む地球
あなたが生きている
だから 神さまに特別の青い星となった
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五月は爽やかな月です。一方、妙にくたびれて、やるせない気持ちがわいてくる月でもあるようです。
「生き疲れ」を感じたら、肺をふくらませて息をいっぱい吸おうと思います。空気はタダですから。うつむいて、肺を縮めて、「息疲れ」にしないこと、それが大事なのかなと思います。
人を信じよ。しかし、その百倍も自らを信じよ。（手塚治虫）
