チラシ配り十首
家々のポストにチラシ配りおり
一枚ごとに手の皺(しわ)伸ばし
自転車か徒歩かで違う万歩計
チラシ背負って今日は歩こう
老人が窓辺にひそむ早い朝
帽子目深(まぶか)にチラシ押し込む
そそと来て そそと投げ込み そそと去る
手提げに詰めたチラシ百枚
マンションに管理人いて 目が合って
一歩後退二歩後退
幼な字でポストを飾る「ありがとう」
チラシですがと おそれ入る吾れ
ゴミ箱となったポストをはみだして
「もう堪忍」と チラシ訴え
降る雨に夫婦ふたりで配りおり
妻が傘持ち われが投げ入れ
表札に祝福祈り一礼し
そっと入れたる教会案内
縁のない広告持って路地を行く
チラシの縁でつながった町
●ご訪問ありがとうございます。
チラシ配りは、見知らぬ町の探検のようで、また、散歩を兼ねたウォーキングのようで。はたまたドキドキの冒険のようで。