祈りを、うたにこめて

祈りうた(エール  周回遅れ)

周回遅れ

 

 

事故で腰にひびが入ったとき

一晩中うめくほどの痛みがあると知った

 

車イスに初めて乗ったとき

脚は自由に動くものでないと知った

 

木綿豆腐二丁が晩飯という暮らしになったとき

お米の味をありがたく思った

 

遅れて知り 遅れて思う 

周回遅れのおれ

 

会社をクビになったとき

働く苦しみは働く喜びでもあったとわかった

 

親の介護のしんどさが終わったとき

寝たきりでいいからもっと生きてほしかったと願った

 

遅れてわかり 遅れて願う 

周回遅れのおれ

 

情けないおれだけれどもう勘弁してと自分の胸をこぶしで叩いたら

もう勘弁しているよと 天のほうから声が聞こえた

 

―周回遅れでもいいじゃないか

 ここから見たらみんなおんなじグルグルまわりだよ

 

 

●ご訪問ありがとうございます。
感性の鈍い者だと、このごろようやく気づき始めました。ひとより本当に遅れた者です。
でも、すこしずつですが、神さまのあたたかなまなざしも感じられるようになってきました。

今回はずうずうしく、自分へのエールを書いてしまいました。

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