一見すると、中国の経済拡張、国際発言力拡張のやり方は日欧米から見るとかなり強引な印象を受ける。それは逆に言えば、これから21世紀の経済発展、国際競争力のやり方が大きく変わったと言うことであろう。
そのことについて専門的に語るすべを私が持っている訳ではない。むしろ中国と言う国はつい最近まで国際経済市場、国際政治の現場では初心者であったはずであり、そこにこれまでの専門家のセオリーとは別の理屈があるはずである。
簡単に言ってしまえば、有り体のもので済ますこと=レヴィ・ストロースの言うところのブリコラージュbricollageの実践と考える他ない。逆に欧米のユダヤロビーのような複雑なやり方よりシンプルなのではないかと感じる。
・アフリカ連合の建物を全額中国マネーで建てたと言うのは、技術支援のような金銭以外の資産が中国にあまりないので、金銭でアフリカを補助した、と考えればシンプルに理解できる。
・iPad他の商標権問題。これも実際に個別企業がブランドを構築する力がなければ、マネーパワー、政治パワー、法律パワーでブランディングしてしまう、と言うのは日欧米を後追いする中国のやり方の選択肢としては一番分かりやすい。
もちろん歴史的には元(本来は中国と言うよりはモンゴルの帝国だが)と言う巨大帝国を築いた実績があるので、中華思想に帝国主義のノウハウが残っているかもしれない。しかし基本的には共産主義国家誕生までは明や清などすでに日欧米列強の脅威に立ち向かう中で既存の領土を死守するのが手一杯と言う時代が長く続いた訳で、もう一度今日の帝国主義のやり方を一から考えなおすと次の中国の出方は読めるのではないか。
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