土見敬志郎句集『岬の木』10句抄

2024-01-10 18:54:53 | 小熊座新刊句集

 

 

 

 

 

白南風やわれ一本の岬の木 土見敬志郎

雷鳴をたどれば山椒魚の国

瞬きをして白鳥を引き寄せる

手のひらの続きに水平線の秋

陽の重み葡萄に垂れて山の国

ことごとく戦火の匂ふ曝書かな

どの木にも鳥のねむりや春の月

開く時金剛力の冬牡丹

蝦夷蟬の声を帽子に溜めてゐる

晩年や一本で足る野紺菊

 

 

 

 

 

 

 


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1 コメント

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卒寿の句集 (青萄)
2024-01-11 00:51:15
土見氏は昭和30年から句作をされている?たぶんその前からかもしれない
今年90才になられるようだが…俳句作りの情熱は衰えを知らないようだ 弱輩はただ頭を垂れるのみである
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