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中国潜水艦、米軍に強制浮上させられていた?

2006-11-21 | 中国の情勢

先日,中国の潜水艦がキティホークに気付かれないまま後方8kmの地点に浮上していたとの報道がありました。アメリカ海軍の大失態,という内容でしたが,私には疑問がありました。「なぜ,浮上する必要がある?」もし,米軍を挑発するとしたら,相当危険な行為かつ馬鹿げている,と素人考えをしていました。

その疑問を解消する記事が出ました。

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【国際】 "日本近海で一触即発" 中国潜水艦、米軍に強制浮上させられていた?


10月26日、米艦隊が沖縄近海で訓練中、中国の「宋級」攻撃型潜水艦が、空母を護衛する潜水艦や対潜哨戒機などに探知されないまま追尾したという。最終的には、空母からわずか8キロ後方という至近距離に浮上し、それを米軍の対潜哨戒機が発見。潜水艦はロシア製の対艦ミサイルなど装備し、空母を完全に射程に収めていたというのだ。

ファロン司令官は「追尾」という表現は「誇張に走っている」と否定。だが、状況によっては「極めて予測不可能な事態にエスカレートした可能性もあった」と中国側を牽制した。「もし、本当に気づかれず接近できたのならば、それは大騒ぎになる話。米軍には衝撃的なことで正直な話ができない可能性もなくはない。おそらく状況は報道とは違っていたのだろう」

こう分析するのは軍事評論家の神浦元彰氏。理由の一つは、宋級潜水艦。「失敗艦といわれたため、中国はロシアからキロ級潜水艦を購入した。米軍に気づかれず追尾できるとは考えにくい。潜水艦が海底に沈降して音を出さずに潜んでいたら、確かに発見はしにくい。ただ、沖縄近海はそれほど深くないため,米軍は磁気探知もできる」という。

このため、神浦氏は「米軍が海底に潜んでいた潜水艦を見つけて取り囲み、音響弾やアクティブソナーで攻めた結果、潜水艦側が辛抱できずに浮上してきたのではないか」と推測する。

現場が公海上で、中国潜水艦が何も攻撃的な動きをせず、ただ海中にいただけで強制浮上をうながす攻撃を仕掛けたならば、それは国際法に違反しかねない。神浦氏は「米軍も詳細な事情を明かせないのではないか」と裏を読む。


http://www.zakzak.co.jp/top/2006_11/t2006112027.html
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2chによるとこの神浦という評論家,おかしな分析が多いようです。ただ,この分析に関しては私には妥当性があると思えるのですが。

なお,この潜水艦は潜航時間に問題があるそうです。時間切れで浮上してきた可能性もありますね。


宋型潜水艦
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AE%8B%E7%B4%9A%E6%BD%9C%E6%B0%B4%E8%89%A6






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2 コメント

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Unknown (通りすがり)
2006-11-24 04:49:07
ちょと気になってる事件でありますので、私見を書かせてください。
個人的に神浦氏の記事には?が多く付きます。(もっとも神浦氏のコメントを記者が正確に理解せず記事にした可能性もあります)

まず、中国にかぎらず通常潜水艦が水上艦に探知されることなく追尾することは不可能に近いはずです。これは宋級潜水艦の性能によるものではありません。
潜水艦の無音潜航は3~5ノット程度。 水上艦の巡航速度は10ノット程度です。もっと速度を出して追いつくことは不可能ではありませんが、発生する騒音により探知される可能性が大きいです。

神浦氏の記事では磁気探知も可能とされていますが、磁気探知は広い海原を幅1km程度に渡って線状に探知することが出来るに過ぎません。 これは直上を通過しない限り探知できないといっても良いでしょう。
仮に戦闘状況下であれば敵潜水艦の直上を通過することは自殺行為に他ならず、『磁気探知も可能』ではなく『磁気探知しかできない』と表現するほうが的確と思います。

また、米海軍の虎の子である空母は単艦で行動することはありません。複数のイージス艦、原子力潜水艦がエスコートしていたはずです。
空母の後方8kmという『必殺』の距離に浮上したことはこの防御網を突破しているということであり、中国潜水艦の浮上した理由がどうあれ、イニシアティブを持っていたのは中国であったことは間違いないと思います。
失敗とされる宋級であっても十分な戦力になりうると考えたほうが妥当かと思います。

一方でこうした事態は今回に限らず度々起こっていたはずだという意見もあります。
無論公表されることはないので推測でしかありませんが、旧ソ連と米軍の潜水艦が追いかけっこをしていたことはソ連崩壊後の資料で明らかになっています。
今回の発表は、米軍が今開発している次期対潜哨戒機P-8の予算獲得の為のダシにするためだという意見もあります。
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Unknown (DEBUO)
2006-11-27 01:45:27
ご意見ありがとうございます。追尾不可能というのはわかりました。磁気探知については2chで浅海においては不可能とのコメントを見たことがあります。ただ,追尾不可能の潜水艦が米海軍防御網を突破したということは,中国が待ち伏せしていたということなのでしょうか。
私は「沈黙の艦隊」と数十年前の軍事雑誌「丸」程度の知識しか持ち合わせておりません。今後も機会があればコメント宜しくお願い致します。
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