●ジープニー●
マニラの主要な交通機関は，なんと言ってもジープニーです。網の目のように走っていますし，何と言ってもほとんど待つ必要がありません。しかし，ジープニーは慣れるまでは大変です。どこで乗ってもいいし，どこで降りてもいいことは分かります。しかし，まず，そのジープニーがどこへ行こうとしているのかが分かりません。次に降りる場所が分かりません。
行き先はフロント窓やサイドに書いてありますが，多くの場合，それがどこを指すのか分かりません。駅名だったり，通りの名前だったり，街の名前だったり。 降りる場所については，分かりやすい場所なら運転手やお客さんに伝えておくといいと思います。
これはフィリピン人でも事情は同じです。私は，マニラの主要な場所の地図がある程度頭に入りましたので，行く先もあまり確認せずにジープニーにのりこみます。間違えたら，すぐ降りればいいのです。でも，ここまでくるのに結構歩き回りました。おかげで贅肉がとれました（もともとかなりスリムですが）。
運賃は２００６年８月現在７．５p。２～３ｋｍ移動する場合です。私はたまにマラテ辺りからモニュメントまでジープニーを利用することがあります。１５ｋｍくらいでしょうか。このときは１５ｐ必要です。距離に応じて少しずつ高くなるようです。詳細はわかりませんが，料金がわからないときは，２０ｐ紙幣を渡しています。
２年前は５．５Ｐ，１５年前は１Ｐだったそうです。オイル高騰の影響でしょうか，物価上昇が激しいようです。ぼることはありません。
料金は「BAYAD」と言って運転手に渡すか，届かない場合は隣の乗客に渡せばOKです。バケツリレーの要領でお金が運転手に渡ります。おつりも同様です。運転席の後ろに座ると他の乗客の運賃を渡す役になります。ちょっとわずらわしいです。他人のお金を運転手に渡すときは「BAYAD DAW」。dawは「～だそうです」。自分のお金ではないことを示すため。
なお，キセルしようとする人はほとんどいません。バケツリレーの時にちょろまかす人も見たことはありません。ジープニーの中は９５％くらいの信用で成り立っています。キセルする人もごくまれにいますが，運転手は何もいいません。トラブルがわずらわしいのでしょうか。
紙幣を渡すと，「ILONG」（何人？）と聞かれるときがあります。また，行き先を聞かれるときもあります。言葉がわからなくても運転手から何か聞かれたら，それは人数か行き先です。「ISA（人数），MONUMENT（行き先）」といいながら紙幣を運転手に渡せば，わずらわしくありません。
中はベンチシートで，定員は１０人強～３０人程度と各種あります。ベンチシート６人掛（定員14人）と8人掛（定員18人）が多く見られます。ただ，満員でもお尻をねじこんできます。フィリピン人はみんなおばさんです。フィリピン人もそれを当然と思っていて，みんな席を作ろうとします。足を組む人はいません。空いていてもそうです。これはLRT/MRTでも同じです。この辺は日本よりもマナーがいいと思う点です。もっとも，通常混んでいるときが多いので，足を組む暇がありません。また，足を組めば余計なトラブルが発生しますので，自然と足を組まなくなったのだと私は思っています。
例によって，強盗が襲ってくるそうです。場合によっては運転手もぐるということもあるそうです。スリもいるかもしれません。日ごろから対策をとっておきましょう。一番いいのは，運転席の隣。一番強盗に襲われる確率の低い席です。
降りるときは「PARA （PO)」といえば，どこでも停まってくれます。ただ，路肩に停まるとは限りません。片道４車線道路のど真ん中で下ろされると泣けてきます。路肩に止めて欲しいときは，「SA TABI LANG PO」。女性はこの言葉をよく使います。
ジープニーにもブランドはあります。「サラオ」 。創業１９５３年。それ以前からジープニーはありましたが，サラオが初めて生産ラインを集中させたのだそうです。目印はフェラーリのような馬。シェアたぶん３０％位（私の推測），価格は２０～４０万ｐ。エンジンは中古いすず製。工場はCAVITE。ただ，数年前に経営不振で規模を随分縮小したと聞いています。
日本人でジープニーの運転手をしている人がいらっしゃるそうです。しかも，モニュメント～サガンダアンで。若干行き先が違うので，利用することはないと思いますが，一度お会いしたいものです。
なお，ジープニーはそのけばい色彩で有名ですが，最近はそのけばさがおとなしくなってきたそうです。物価上昇でペイントするお金がないのだそうです。
右はジープ売り場。２０万ｐ。
http://blog.goo.ne.jp/pp_agadmnl/e/a19f5c7ee677fa3aa628c202647c8052
なお，ジープニーの写真は無断転載しました。
乗り心地は悪いし，暑いし，雨が降るとぬれるし，排気ガスをかぶるし・・・ということで，近距離でなければ，エアコンバスを利用したほうが快適です。
