毎年恒例の「報道の自由度」ランキングが発表されたようです。
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「報道の自由度」 日本は前回の37位から51位に
富田メモをスクープした日経新聞に対する攻撃で順位下げる
報道の自由を表す順位。ジャーナリストの国際的な支援団体「国境なき記者団」が毎年発表しているものです。
さて、肝心の日本ですが、今回は前回の３７位から５１位と、大きく順位を下げています。「国境なき記者団」は中でも、富田メモをスクープした日経新聞に対する攻撃を挙げ、報道の自由が損なわれたと指摘しています。
「日本ではある種のネタは依然タブーのままで、それを取材すると危険にさらされるということです」（バンサン・ブロセル氏）
最近の日本は小泉前首相の靖国参拝などでナショナリズムが高揚し、右傾化しているという見方がヨーロッパでは根強く、今回の報告書もこうした見方を反映したものとなっています。
日本が順位を下げたもう１つの理由は、イラクにおける自衛隊の取材でした。「イラク派遣についての取材は情報がとても限られていて、なかなか報道することができなかった」（バンサン・ブロセル氏）
報告書はまた、日本の閉鎖的な記者クラブ制度を維持し続けるメディア自身の問題も厳しく指摘しています。
報道の自由という観点で見ますと、日本はむしろ後進国なのではないか。これはそう考えさせる報告書となっています。
TBS http://news.tbs.co.jp/headline/tbs_headline3411992.html
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●この順位は「報道”機関”の自由度」に関する順位●
訳のわからない外国の団体が発表した順位に噛み付くのも何ですが，この順位は「報道（する内容）の自由」を表しているものではありません。「報道”機関”がいかに自由に行動できるか」を表す順位です。
報道対象にいかに容易にアクセスできるか，報道機関に対する妨害はないのか，そういうことが対象になるわけです。
例えば，ソースにはデンマークの例が出ています。
「前回１位だったデンマークは、ムハンマドの風刺画騒動でジャーナリストが警察の保護を受けざるを得ないほど大きな脅威にさらされたとして、１９位に後退しました。」
このうちポイントとなるのは，「大きな脅威」の部分です。何を報道したかは問われません。報道したことに対して圧力があった，ということが問題のわけです。
日経の火炎瓶事件でも同様です。日経が何を報道したのかは関係ありません。報道したことに対して「暴力的な」脅威が加えられたことが問題なのです。
要するに，記者が聞きたいことにはすぐ答えよ，自由に報道させろ，報道に文句つけるな。というわけです。
●日本の順位が低い最大の原因は，「記者クラブ」の存在●
これは，国境なき記者団が毎年言っていることです。外国人記者にとっては「記者クラブ」は情報統制の象徴のようなもの。あまりに排他的に写ります。
この機関が発表した順位を気にするというのであれば，マスコミは何よりも「記者クラブの撤廃」をこそ問題にすべきなのです。
要するに順位が５１位と決して高くない最大の原因はマスコミ自身なのです。しかし，このＴＢＳの記事はそれについては積極的にとりあげていません。
●情報操作はやめれ●
TBSの記事では，順位が３７位から５１位に下がった原因の筆頭に「富田メモ報道に対する圧力（火炎瓶）」を上げています。それは間違いではありませんが，TBSの意図を強く感じさせます。
「最近の日本は小泉前首相の靖国参拝などでナショナリズムが高揚し、右傾化しているという見方がヨーロッパでは根強く、今回の報告書もこうした見方を反映したものとなっています。」
ＴＢＳは日本の右傾化を強く言いたかったのでしょう。TBSの報道姿勢については，皆さんもよーくご存知の通りですからそれ以上申しあげませんが，しかし，この順位は報道内容が右翼だろうが左翼だろうが，或いは宗教が何であろうが関係ありません。報道されたことに対して圧力を受けた，ということを問題にしているのですから。
（そうでなければ，世界的な視野での順位は発表できません。キリスト的価値観はよくてイスラムは駄目，ということになればそれは世界中の支持を受けないでしょう。）
それをわかっているのかどうかは知りませんが，知っていたとしたら非常に悪質。まさしく情報操作。まあ，知らなかったとしたらただの馬鹿ですが。
右翼がどうこう言うのであれば，他にも報道することはたくさんあるでしょう。，創価，そしてＴＢＳの大好きな東アジアや在日問題。
だから，この記事には訂正する部分があります。日本は「報道の自由」に関して後進国であるのではなく「報道機関」自身が後進国レベルなのです。
