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スシポリス③追加

2007-02-04 | 音楽・芸能・文化



①でとりあげた記事の中で,

「日本料理の人気を高めたのは,中韓経営の日本料理店~」という件があります。


寿司に代表される日本料理が広まったのは

日本人の平均年齢が高い かつ また,スリムな人が多い

日本食を健康食品と勘違いする

ヤッピーを中心にアメリカで人気が出る

回転すしの誕生

未来的なイメージが加わる

健康的,先進的なイメージが全世界に広がる


というように,寿司や日本のもつイメージが先行して世界に広まったから寿司が受け入れられたのでしょう。

また,日本料理を現地の人にアジャストしようと努力したのは,現地日本人です。カリフォルニアロールにしても,テリヤキソースにしても,開発したのは日本人。



中国人や韓国人は,

日本料理の人気が高まるのに

便乗しただけ



むしろ,中国人や韓国人は日本料理のイメージを下げているのではないですか。



ふと思ったのですが,例えば,ラーメン。オリジナルは中国です。しかし,現在では中国でも日式麺として大変人気があるそうです。そればかりか,インスタントラーメンは食品関係では戦後最大の発明品の一つとして全世界に広がっています


フィリピンのカップヌードル


このように他国の料理を改変し,逆輸出したという例が日本以外の国であるでしょうか。少なくとも,戦後の短い期間ではそのような例はないのでは。

だいたい,それ以前の話として,世界的な広がりをもつ料理の数が少ないですね。

料理は非常にパーソナルな要素が強い。例えば,お雑煮。私の育ったところ(愛知県)では,鰹節,しょうゆ,餅菜,角餅というシンプルな料理です。「雑」煮ではありませんね。しかし,他の地方へ行くと,味噌を使ったり,他の魚のだしだったり,丸い餅,様々な具・・・という具合に,いろいろな雑煮があって驚きます。下手すると,隣同士でさえレシピが違っているかもしれません。日本でさえそんな具合です。ましてや,国や民族の垣根を越えて食文化が伝播するのは大変難しい



名古屋近辺でお雑煮といえばこんな感じ。



具が多かったり,味噌だったり,餅が丸かったり。
ううむ,食いたくなってきた。



世界中どこへいってもあるのは,まず中華料理。それに準じてイタリア料理。ホテル等かしこまった席には欠かせないフランス料理。その逆でカジュアルなアメリカ式ファーストフード。


中国料理があれほど世界を席巻しているのは,中国人がどこにでもはびこり,すぐに料理店を出したがるからですが,強い火と大量の油で短時間にできる料理が多いのも大切な理由でしょう。この調理方法は食中毒を阻止し,かつ貧弱な素材をおいしくさせることができるからです。

イタリア料理も基本は,移民が多いということでしょう。ただ,中国料理ほどの広がりはありません。フィリピンではダントツに多いのが中華料理。ファーストフードを除けば,次に多いのは日本料理。その次にくるのがなぜかイタリア料理。イタリア系米国人が経営しているのでしょうか。フィリピンは元スペインの植民地ですが,スペイン料理は数えるほどしかありません。

この二国の料理はそれそれアジア,ヨーロッパを代表する国であることは大切なバックボーンだと思います。文化は高きより低きに流れると思うからです。両国が食文化において強大であることを否定する人はいませんよね。

アメリカ式ファーストフードは手軽さをビジネスモデルにして発展したもの。そこにアメリカに対する憧れが加わり,世界中に広がりました。この「あこがれ」という点が新しいですね。憧れが背景にある料理は,フランス料理くらいでしょうか。

(なお,ファストだろ,と突っ込む細かい人がいますが,ファーストはいわば和製英語。更には,イギリス英語圏はファーストで,アメリカと欧州大陸はファストと発音するそうです)。

SUSHIには日本文化に対する憧れがあるのでしょうか。あるかもしれません。しかし,最大の要因は健康志向という潮流に乗ったのが大きい。そこに,回転すしや日本のもつ先進性が加味されておしゃれなイメージがついているようです。日本人としては嬉しい限りです。

ただ,鬼のように押し固められたシャリに向こう側が透けて見えるような薄く半乾きのネタののった寿司を見るとがっかりします。更に,寿司なんて簡単に作れる,と勘違いしている外国人が非常に多いので,そこも誠に残念な点です。

その点については,日本人でさえもわからない人が結構いますので(特に若い人),人事ではないのですが。まあ,文化というものは,年齢が邪魔になるものと,経験が理解を深めさせるものと,いろいろあります。伝統的なものというのは得てして年齢がものをいう場合が多いものです。 



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