daze

この物語は東京生まれ千葉育ちのスノーボード大好きの更正日記であります

六日町八海山スキー場

2011年01月22日 11時07分02秒 | スノーボード
昨日はハンターマウンテン塩原に行く予定でしたがフォトグラファーのTUKASAから「キャプテンが遭難した」と言う電話をもらいスノーシューやスコップなどの雪山グッズを引っ張り出し急遽六日町八海山スキー場に。

既に二日経っていた事もありスキー場に向かう道のりではホント色々な事を考えてしまいました。正直、電話をもらった時、キャプテンの足取りが全く掴めておらず、雪は二日で150cmを超えていてかなり厳しい状況だった。

六日町に近づくに連れて雪は激しくなり高速道路脇は物凄い高さの雪の壁に。「もしかしてどこかに倒れていたら埋まってしまう」と思うと、この時程雪が降って欲しく無いと思った事は無かった。

朝7時に集合して捜索隊の打ち合わせ。消防、パトロール、警察、など総勢50人位の捜索隊が組まれた。

そのうちキャプテンの仲間達で俺も含めて10人程集まった。遠くは北海道からも飛行機に乗って集まった。打ち合わせでの雰囲気もかなり重いもので正直みんなが厳しいと思っていたと思う。

そして三日目を迎えるこの日に見つからなければ捜索は打ち切られるかも知れないと言うギリギリの状況。

ロープウェイに乗って山頂に着くと一面面ツルのパウダー。普段なら柔らかく魅力的に感じる雪がこの日ばかりは冷たく邪魔なものにしか感じられなかった。

本当に当てが無く途方も無く広いスキー場。しかも物凄い降雪でゾンデ棒で突いても3mを超えていた。そんなコンディションで人を捜すという事は海中に落としたコンタクトレンズを探す様なものにも感じた。

色々な事を考えて探した。キャプテンの奥さんや子供達の事を思うと絶対に見つけないといけないと思った。

みんなで意見をぶつけ合いながら捜索する場所も考えた。

そんなチームを引っ張ったのがTUKASAだ。

こんなにも厳しいコンディションでの捜索はかなりドンヨリしそうだけど不思議とTUKASAが率いるこのチームだけはヤケに明るかった。

TUKASAは捜索している間ずっと「出て来たらマジで説教だな~」「出て来たら自慢のひげを全剃りだよ!」「キャプテンどこ居るんだよ~面倒な事しやがって~」とか、もう見つかった後の事ばかり発していた。

それに乗っかってみんなも見つけた後の事を言い合いながら探していた。

その前向きな言葉が知らず知らずにみんなのモチベーションを上げていた気がする。

その結果、捜索打ち切り約1時間前に発見の一報が!!

それを聞いた瞬間本当に本当に嬉しかった~。みんなで本気のガッツポーズ!ホント「良かった~」って言葉しか出て来なかった!こんなに嬉しかったのは大会で優勝した以来だな~。ホント嬉しかったです。

しかし、キャプテンが包まれて下山して来る頃には「良かった~」が「ふざけんなよ~」ってヤジに変わり…

仲間から手洗い出迎え!!

お見送り!!
さすがにみんなの目にも涙が見えてました。

ここに集まったチームは本当に最高だった。

三日間ビバークしてあの悪天候を耐え抜いたキャプテンも凄い!家族の元に帰らなくては行けないと思うキャプテンの強さを見た気がします。

でも、今回のMVPは三日間探し抜いたTUKASAかな?

TUKASAの前向きな言葉にみんな引っ張られたと思う。

ホント今回の出来事で改めて人の命なんて紙一重だと思った。

もし昨日のうちに見つかっていなかったら捜索は打ち切られて見つかる事は無かったかも知れなかった。

TUKASAが沢を行く事を提案しなかったらもしかしたら誰もそこには行かなかったかもしれない。

様々な事が合わさり合って今回の救出は実現した。

たくさんの人が「奇跡だよ~」と口にしたけど、俺は「これは奇跡なんかじゃない、起こるべくして起きた必然だ」と思った。

だって、これだけの人が必死に探して、無事を祈って、本人も必死に生きようと努力した結果なのだからそのみんなの努力を「奇跡」なんて言葉で片付けるのはもったいないと思う。

ホント良かったけど、ホント疲れた~。そんな時にはやっぱりコイツだね~

乾杯!!






荒井daze善正著書「NO SNOWBOARDING NO LIFE~スノーボードがくれた命~」

にほんブログ村 病気ブログ 難病(特定疾患)へにほんブログ村 病気ブログ 感染症・ウイルスの病気へにほんブログ村 スキースノボーブログ スノーボードへ