DARMA☆KANTI(ダルマ☆カンティ)/DarmaKayna(ダルマ・カイナ)

インドネシア、バリ島の竹のガムラン、リンディック(ティンクリック)を演奏するユニットです。

曲に歴史あり。2曲目ー前編

2010-11-17 | CD制作
「カエルのランデヴー」


CD完成まで、収録曲の思い出話を。
2曲目は「カエルのランデヴー」


2006年の年末から2007年の年始、bunちゃんとバリに行った。
この時は、記念すべき一期一会な出来事が目白押しだったね。
「ウングン」との出逢いも、まさにそのひとつ。


サラリーマンなので、そんなにしょっちゅうバリには行けないけれど、さすがに短期間でも毎年行っていれば、ウブドでの観光客向けのメジャーな公演はほぼ見ているものだ。
そんな我々が、見てない公演があったね、と、「Flog Dance」カエルの演目を見た。
題名も英語だし、使っている楽器もゴンクビャール(一番メジャーな金属のガムラン楽器)ではないから、今まであまり興味がなかった。


お話のあらすじはこうである。
お姫様がカエルと恋に落ちる→
お姫様がそのカエルとキスをした瞬間、魔法がとけ男前な王子の姿にもどる→
しかしお姫様は「私が好きだったのはカエルなの」と男前王子の求婚を拒む→
が、交換しあった思い出の品々を見せられ「あなたがあのカエルなのね」と確信→
二人はめでたく結婚する。めでたしめでたし。


あれあれ?アンデルセンにも似た話はあるが、大事な所が微妙に違う。
アンデルセンは「醜いカエルの姿にかえられた可哀想な王子」だが、バリは「カエルだって立派な王子」ってアプローチ。
この微妙な違い、バリではいかにカエルが親しまれているかがわかると言えよう!!(あくまでも持論デス)


そんな訳で、この演目では、カエルの鳴き声を「ウングン」という竹の笛で模している。
この笛との出逢いが歴史的な出逢いだった。
(「ウングン」という名の素敵な兄ちゃんとの出逢いだと思った人~そっちの方が良かったかも?)
公演では、80歳位に見える、背骨の曲がった小さなじいさんが、大きな存在感で、その楽器を吹いていた。
この楽器に魅了され、bunちゃんと私は、その小さくて大きなじいさんから、今まさに演奏に使用していたつばがべっとりついた現物を何本も譲って頂いたのだ。
手に入れたからには形にしなければ勿体ない!という事で、Darmaのウングン計画が始まった。。。


その計画実行話は後編で。

文筆:maso


曲に歴史あり。1曲目ー後編

2010-11-13 | CD制作
「旅人」


目的地に向かってひたすら歩き続けている旅人と、刻々と変化していく周りの風景。
旅を、人生とも重ね合わせたりなんかして、、、そんなイメージの曲だ。


なんちゃって。
前編で書かせてもらったように、そもそも「旅人」なんてセンチメンタルな題名ではなく、「じーさん」として生まれたこの曲。


「じーさん」としての存在をそこそこ確立していたこの曲が、何故「旅人」というタイトルになったのか???。


2008年、日本の民話を題材にした舞踊劇でダルマ☆カンティが演奏させて頂く機会があり、その主人公である「旅人」のテーマソングにこの曲が選ばれた。
「旅人」が登場したらこの曲が鳴る、出囃子のようなものだ。
そのとき、テーマソングはなんでもよかったのだけど、バリで習った曲よりも、和風「じーさん」の方が、この舞踊劇の雰囲気に合うのではないかという事になった。
だから「選ばれた」といっても、身内で選んだにすぎない。
それでも、私はメンバーみんながそう提案してくれた事が嬉しかった。


そして、この公演のパンフレットにこの曲「じーさん」が「旅人」という立派な曲名で掲載された。
名は体を表す。立派げな曲になった。冒頭で書いたような、能書き(無理矢理!)もできた。
「旅人」役でもあり、主催のH田さん、ありがとう!


CDでは、ティンクリックが旅人なら、周りの風景をゲストミュージシャンが奏でてくれ、とっても素敵に、風景を変化させてくれている。(やっぱり他力本願!)
その素敵な音楽家については、また改めて演奏編で。


市原◯子の声で「むか~し、むかし。ある所にじいさんが竹を取りに山へ行ったそうな。」って聴こえてくるだろうか?
それとも、東海道中膝栗毛のごとく、浮世絵の関所か船宿が見えてくるだろうか?
「じーさん」に聴こえるか、「旅人」に聴こえるか、はたまた「じーさんは旅人」「じーさんと旅人」??!
ワケワカラン!よかったら感想をお聞かせ下さい。


ちなみに。当初あったbunちゃんとの竹取物語構想は、この「じーさん」1曲にて終了。
主役が登場せずして終わってしまう物語、たまにはあってもいいよね。
いえいえ、竹取物語の主役が、じーさん、って事にしちゃうのもアリ。
このユルさ、とっても、だるま的。。。


2曲目へ続きます。。。


文筆:maso


曲に歴史あり。1曲目ー前編

2010-11-12 | CD制作
「旅人」


全曲オリジナル曲でCD作ろう!って録音したのが9月。
録音してから完成までに、こんなに沢山の工程があるなんて、素人darmaの誰が知っていようか。
しかし、そのやらねばならぬ事もあとひとつ!あと2~3週間でできあがりだ。
という訳で、それまでの間、収録曲の思い出話を。


まずは1曲目、「旅人」。


この曲は、darmaにとってのオリジナル曲第一号。
だから、ファースト?アルバム(次はあるのか?)の1曲目にふさわしい!!


目的地に向かってひたすら歩き続けている旅人と、刻々と変化していく周りの風景。
旅を、人生とも重ね合わせたりなんかして、、、そんなイメージの曲だ。


。。。なんちゃって。笑


darmaがそんな壮大なテーマで曲を作れるわけがないやん!
真実を明かすと、ほんとは「じーさん」って呼ばれてる曲だった。


いつの事だったか?いつものようにbunちゃんと飲んでいて、
「竹の楽器なんだから、竹取物語を題材にして曲作ってみたらいいんじゃないの??」
とまたも安直な発想で盛り上がった。
(今も昔も、飲み方はたいして変わってない。トホホ)


竹取物語。まずはじいさんにかぐや姫をみつけてもらわねば!
じーさんが山へ出かけて行く所を想像してみる。


作曲するヒトにはひらめきの神様が降臨するものだ、と信じていたのだが、現実はそんなに甘くない。
待てどくらせど降臨がなく、待ちくたびれた私は考えた。
私が大好きなバリの音楽の特徴はなんだろう??
ゆっくりなAメロと早いBメロが、気付いてみれば実は同じフレーズだった、ってのが、バリにはよくある。
それが、クラシック&ロックあがりの私には新鮮で、そんなだまし絵みたいな曲を作りたかった。
だから、これタスこれワこれ、これヒクこれワこれ、みたいに、計算する感じで作ってみた。
そうやってできあがったのがコレ、竹取のじーさんのテーマ、略して「じーさん」。


ライヴでは、バリで習った曲にまぎれて、この「じーさん」も、しらっと演奏したりしていた。
オリジナルです、なんて、恥ずかしくて言えなかった。
そして、2006年の夏、江ノ島。
バリには、翁の仮面をつけて踊る曲があるのだが、この時、この曲「じーさん」でSさんにその踊りを踊って頂いた。
そもそも、曲を作った時にはそのバリの曲は全く意識してなかったのだが、翁の仮面をつけているSさんを見て、思いつきでそういう事になった。
これが予想外に、その同じフレーズの遅い早いが結構いい感じで踊りとマッチして、このつたない曲に命を吹き込まれような感じがして嬉しかった。
Sさんありがとう!
そしてこの頃から、darmaの「他力本願」もスタート。苦笑。


このように、「じーさん」としての存在をそこそこ確立していたこの曲なのだが、何故「旅人」というタイトルになったのか?


今日は長くなったので、それは後編で。。。

文筆:maso






「青銅浴」ライヴのお知らせ♪

2010-11-11 | 仲間の活動
masoです。


櫻田素子さん率いるTerangBulan(トゥラン?ブーラン)ライブのお知らせです。
ダルマのメンバー数名と、そしてよくダルマで一緒に演奏してくれる人々も出演します。


今回は私も参加させて頂くのですが、その練習の楽しいこと。


櫻田素子隊長のオリジナル曲と、佐野篤さんのオリジナル曲、既に完成されている素敵な曲なんだけど、それらを互いにアレンジしようと、元曲の良さを残しながらも、どんどん変化させていく、私はただ言われるがままに演奏しようと必死なんだけど、そんな作り上げていく過程にいられる事は、とってもいい経験になってマス。
演奏に関われてとても光栄、そしてほんとにお二人はすごい。
そのイメージに近い演奏ができるように、がんばるじょ~。
ぜひぜひ、聴きにいらして下さい。


そして、バリより来日中の、I Ketut Sutijaさん。
とってもシャイな方なんだけど(バリの人は最初はみんなそうか)、ちょっと手を動かしただけ、ちょっと足をあげただけ、でも踊りのオーラが凄い!
こちらも見物です。


◯青銅浴@シルクロード舞踏館(横浜中華街?チャイハネネネB1)
2010年11月28日(日)17:30開場 18:00開演


Terang Bulan(トゥラン・ブーラン):櫻田素子、秋山ゆかり、足立真里子、大平美樹、Ketut Suardana、田中沙織、新留美哉子、錦織照子、根岸久美子、伏木香織、若林康明、渡辺泰子 /ガムラン
佐野篤(from KING) /ギター、チェロ
小泉ちづこ /バリ舞踊


■ゲスト出演: I Ketut Sutija /バリ舞踊 
*ISI(インドネシア国立芸術大学)デンパサール校舞踊講師、1986年バリ島”ジャウック舞踊”コンクール1位、古典から現代バリ舞踊創作までバリ男性舞踊をマルチにこなす舞踊家、来日!!
 ※諸事情により、プログラム等は変更になる場合があります。


■舞台:山内新
■協力:小原眞巳 宮沢巳起代
■チケット: 前売予約 2,500 / 当日 3,000  
■主催・ご予約: office オンガクノ素 tickets_onmoto@yahoo.co.jp (emailにてお申し込みください。)


詳細は、櫻田素子さんのHPをご覧下さい!
http://www.yk.rim.or.jp/~onmoto/







カデさんワークショップ♪

2010-11-05 | 活動報告
2010年11月3日(祝水)バリより来日中のカデ?スアルダナさんに、ワークショップをして頂きました!
最初にダルマに声をかけて頂いたよしみで、このブログにてご報告させて頂きます。


諸事情により、ダルマだけではなく、もっと大人数で「バラガンジュール」(行進しながら演奏するガムラン)を教えて頂こうという事になり、ダルマ&一昨年のイベントでバラガンをやった仲間&いつもの飲み仲間、総勢11名が集結。急な話だったのに、みんな素敵すぎる!


自己紹介の後、レトロ(単にボロい?)な雰囲気の床に輪になって、まずは東京でよく耳にするバラガンジュールの基本形をやってみる。
カデさんは、それでは退屈だと言って、新しいクンダン(太鼓)のパターンと、それに合わせたチェンチェン(シンバル)のキメ、レヨンとポンガン(メロディ楽器)には新しいフレーズ(多分創作!)をつけて下さる。
バラガンジュールは、盛り上がる楽器が次々変化するのが楽しい、あるパートが激しい時は、他のパートはそれを支える役割で、いまはどのパートが目立つ時なのかを把握して演奏しなければならない、というような事をおっしゃる。
確かに。短いパターンの組み合わせだけど、最初にやっていた基本形よりも、メリハリがついてかっこいい。
個人的には、創作部分のコテカン(短い組み合わせのフレーズ)の作り方が面白いと思った。


来日されてから毎日スケジュールがいっぱい、お疲れな上、寒さにやられ気味のカデさんにとって、パワフルなバラガンジュールは気分じゃなかったと思う。
なのにとても熱心に教えて下さり、本当にテリマカシ バニャッ!


他にも、カデさんに教わった大事な事、ガムランに大切なのは、テクニックじゃなくてここ(ハート)と、グループとしてのまとまり(&まとめるリーダーの存在)。
その他にも、沢山いい話を聞かせて頂いたのだが、話の半分は想像なので(インドネシア語!)、ここに書くのは自粛したい。
(参加者の皆様、心に残ったカデさんのお言葉、コメントにてフォローよろしくお願いします!)
こうして4時間のワークショップ(タバコ休憩除くと実質3時間?)は、有意義に終了。


そして、カデさんは、別の予定があり帰られたのだが、我々は、蒲田餃子とショウコウ酒で、カデさんに教えて頂いた事を実践すべく、更に仲間意識を深めたのであった。
参加者の皆様、お疲れさま&ありがとう。またみんなで楽しく演奏しよう!【力こぶ】


文筆:maso