DARMA☆KANTI(ダルマ☆カンティ)/DarmaKayna(ダルマ・カイナ)

インドネシア、バリ島の竹のガムラン、リンディック(ティンクリック)を演奏するユニットです。

曲に歴史あり。5曲目。

2010-11-30 | CD制作
「Fishing person's~DK Ver.」


2009年の3月、bunちゃんの会社の音楽好きが集まってライヴをやりたい(素敵な会社だワ!)、とお誘いを頂いた。


それをふまえて、その前の冬、bunちゃんに「この曲聴いてみて」と渡されたMD。
打ち込みっぽいリズムと、熱帯っぽい鳥の声が入った曲だった。
湿った重たい空気と、カラフルな羽をまとった鳥の声。
なんというか、ジャングルの中に文明人の鼓動が聞こえてくるような曲。
「この曲とコラボしたいんだけど」って言われて、勿論OK、そして、迷う事なく、とってもシンプルなメロディーが出来上がった。


そのジャングルみたいな曲の作者は、、、。
bunちゃんの会社の方で、以前からものすごいアーティストだと噂を聞いていたPさま。


お会いしてみたら、私の予想を反して、とてももの静かな方で、アーティストにありがちな威圧感などかけらもない、むしろちょっと安らぐ雰囲気の持ち主。
そして、曲も、ジャングルだなんて!!
熱帯どころか、北海道。
Pさまが北海道の山に散策にでかけた時、鳥のさえずりに誘われて、夢中で録音ボタンを押し、落ちていた木の枝で橋の欄干を叩いて、鳥とコラボした、っていう曲だった。素敵!!


そのライヴでは、本当はPさまの曲をデジタルで流して、そこに我々の演奏を生演奏でかぶせたかったのだが、機材や予算の関係で断念。
結局Pさまの原曲とは関係なく、生演奏したのだが、私達の頭の中では、その素敵なPさまの曲が流れていて。。。
この時は、Pさまにフレームドラムを叩いて頂き、セッション!
その後も、セッションするには楽しい曲だと、2009年5月、ダルマ☆カンティ@高尾山で、とっても繊細かつプリミティヴなTじんさんのディジュリドゥーとご一緒させて頂いた。


(に)ちゃんが、「その時々によって表情が変わる曲」って言っていたけど、まさにその通り。
今回のCDでは、ゆかりのあるフレームドラム&ディジュリドゥー、加えてバリガムランの素晴らしい音楽家SMさんにご参加頂き、このミニアルバムの最後を飾るにふさわしい盛り上がりを作って頂いた。
詳細は演奏編で。
そして、録音当日のPさまのブログをご覧下さい。
(Pさまの素晴らしい作品も見てね。あんど。Pさまは、今回の録音&ミキシングを担当して下さいました。ありがとうございます!!)
http://t-katahira.com/blog/?mode=normal&p=2


最後に。
今回のCDは、Darmaだけではなし得なかった事を、ゲスト演奏家の皆様、&関わって下さったアーティストの方々に、多大なるご尽力を頂きました。
加えて、ひらめきの神様不在の私には、曲作りも私一人ではできませんでした。
いろんな方のサジェスチョンがあり、メンバーみんなでアレンジして、演奏できる場を与えて頂き、いろいろな経緯の中で曲が育まれてきた結果だと思っています。
Darmaの活動の軌跡という一面だけではなく、沢山の人々が関わって下さった事を、思い出とともに記録に残したく、このCDを作成しました。
そんな訳で、アルバムタイトルは「rutsubo~るつぼ」。
今後も変化しながら、きっと続いていく事を、Darma全員の思いと、皆様への感謝とともに、聴いていただければ嬉しいです。


CDが完成しましたら、実名入りで、演奏裏話を、Darma節で掲載していきますので、このブログともども、Darmaの事もどうぞよろしくお願い致します。


~~完~~
(波、ザブーン)


Text maso


曲に歴史あり。4曲目ー後編

2010-11-27 | CD制作
「ラグ?バビ~小豚哀歌」


「LAGU」はインドネシア語で「曲」という意味、「BABI」は「豚」。


Darmaとは何故かご縁のないひらめきの神様、その神様が初めて降臨したお話。


ブタの曲を作らねば。


前編に書いた通り、奮起したのもつかの間、酔っぱらいの戯言とすっかり忘れていたある休日の午後、家でデイゲームの野球中継を見ていた。
縦縞39番のユニフォームを着て53番のリストバンドをして(39番も53番も今年引退しました~涙)テレビの前に陣取る。
でも、野球って、途中ちょっとだれるのね。
野球好きな私でもそう思うから、そうじゃない人はもっとそう感じるよね。野球ばなれが叫ばれてるけど、否定できない。
その、ちょっとだれてきた頃、ティンクリック叩いてみよっかな~、って感じで、ぽろぽろ叩き始めた。
でも、チャンスの時は、ばちが応援バットに変わる。
そんな感じで、練習と応援を繰り返していて、8回裏辺りで、ふと気付いたら、一曲できていた。
ブタの神様にとりつかれたのかもしれない。いや、虎の神様かな。
後にも先にも、神が降臨したのは、今のところこの時一度きりだ。welcome!


小ブタちゃん達が大群でわ~っとやってきて、ズンチャカズンチャカ踊って、わ~っと去って行く、そんなイメージの曲。
Aメロは、昭和の名曲、パラシュート背負った曲に似てるけど、パクってないよ。
パクったとしたら、パクったのは虎だかブタの神様だからね。?!


それ以来、ずっとずっとこの曲で踊ってくれるプナリ(踊り子)ちゃんを募集していたんだけど、いまだに立候補してくれる人はいない。
でも、もし踊りがついていたらきっとバリの太鼓が入っていたわけで、今回のCDのような、バリのではないけどすごくかっこいい太鼓には出会えなかったかも。
またしても他力本願、ダルマの合い言葉。
それはまた演奏編で。


ちなみに。この年2005年、虎の神様は絶好調で優勝した。
darmaにも、虎だか豚だか、神様が微笑んでくれた証拠にこの曲がある。
神様、よかったら、また来てね!!selamat datang lagi!


Text maso




曲に歴史あり。4曲目ー前編

2010-11-25 | CD制作
「ラグ?バビ~小豚哀歌」


CD完成まで、収録曲の思い出話を。
4曲目は「ラグ?バビ」。
「LAGU」はインドネシア語で「曲」という意味、「BABI」は「豚」。


ひらめきの神様はDarmaとはご縁がないようだ。
お題を与えては頂くが、いつも苦労して生み出している感じ。
ところが、今のところ、後にも先にもこの1曲にだけ、神はその重い腰をあげてやって来てくれた。


2005年、インドネシアに大きな地震がきて、そのチャリティーライヴをやろうと、横浜にあるタイ料理屋さんでライヴをさせてもらった。
その時は、3人のダルマ?カイナはまだ誕生していなかったのだけれど、ダルマ☆カンティという名前で、今のカイナメンバー3人と、踊り子がEりさんとRちゃん。
今でも思い出す位、演じる側とお客さまが一体となった楽しいライヴだった。
その打ち上げの席で、お客さんで来てくれていたbunちゃんのお友達が、ジョゲ(お客さんを誘って一緒に踊る演目)を恥ずかしがって踊ってくれなかった事を指摘したら、打ち上げでは楽しそうに踊ってくれた。
それが、まるでブタのようで、バリ関係者は大笑い。
手の指が、中指と薬指の間でぱっくり割れて、前につきだす感じで踊っている。
「それはバリじゃなくてブタだよ~」って誰かが言ったら「ブタの曲を作ってくれたら、次には面前で踊ってやってもいい」と。


それならば、ブタの曲を作らねば。


奮起した私。
そして初めて降臨したひらめきの神様。
それはまた、勿体つけて、後編に続く。


Text maso


曲に歴史あり。3曲目

2010-11-23 | CD制作
「ジングル?バリ」


CD完成まで、収録曲の思い出話を。
といっても、3曲目のこの曲は一番最近にできた曲。


2009年12月、インドネシア料理屋「ス◯バヤ」で演奏しないかとAみさんからお誘いを頂いた。
12月なので、何かクリスマスソングをやってほしい、との事。
Aみさんからは、たまに難しい提案を頂くのだけれど、そこにはバリ芸能への熱い思いがみなぎっていて、普段怠惰な私もそれを感じるからこそ頑張って、お陰様で新しい自分を見つける事ができる。(Aみさん、いつもありがとうございます!)
この時のクリスマスライヴもまさにそんな感じ。
ティンクリックでクリスマスソング??


ご存知の方も多いと思うが、バリって西洋のドレミファの音階ではないのです。
ドからドを5等分した音が、ティンクリックの音階。
それ故に西洋の楽器と合わせるのは至難の技。
なので、クリスマスソングも、当然ティンクリックでは演奏できない。


オリジナルのクリスマスソングを作ってみるかといろいろやってみたけれど、ひらめきの神様不在の為、全くしっくりこない。
仕方ないからちょっと遊んでみようかな、って、ジングルベルをティンクリックで叩いてみた。
わはは、5音階で叩くジングルベル、全然クリスマスっぽくない!!
ちょっと楽しくなってきた。
「み、み、み~。み、み、み~。み、そ、ど、れ、み~。」
厳密にいうと、その音はティンクリックにないので、それに似た音を探して叩いてみる。
とにかくまぬけでおかしい。
そこに、バリの演奏技巧であるコテカン(いれこのリズム)をいれてみたらどうなるだろう?
曲を作るというより、ゲーム。
気づいたら、1DKの狭い部屋で、ティンクリックを前に大笑いしながらばちをふっている自分がいた。
。。。「パクリ」


「ジングル?ベル」でなくて「ジングル?バリ」


イタズラで変装してみた時、気付かれたくないけど、全く気付かれなかったらそれはそれでちょっとつまんない。
そんな感じ。
著作権、大丈夫かなあ、なんて気にしていたら、ダルマのメンバーは「絶対わからない」って。
勝利の感触にほくそ笑みながらも、そう断言されると、ちょっとつまんない。へそまがり。
どうでしょう?わかりますか??わかってほしいけど、わかってほしくない。
子供の頃のイタズラ心が炸裂したようなこの曲。。。。ふふふ。


あ、CDでは、メリークリスマスにふさわしく、ラブリーティンカーベルとダンディサンタが響宴してくれてます。
またもや他力本願。ありがたや~。
その紹介は後日、演奏編で。


?そして今年も「ジングル?バリ」演奏しますよ~。
2010年12月12日(日)スラバヤ調布店
2010年12月19日(日)スラバヤ港北店
http://www.surabaya.jp/shop/index.html


文筆:maso


曲に歴史あり。2曲目ー後編

2010-11-20 | CD制作
「カエルのランデヴー」


CDを作る事になって、練習後の飲み会のとき。
それぞれの曲に、ニックネームはあったけど、ちゃんとした題名を決めよう!という事になり、bunちゃんと(に)ちゃんと、あれやこれや話していた。
「カエルってインドネシア語で何て言うの?バリ語では何て言うの?」なんて、日本在住バリニーズの◯トゥに電話までして単語を教えてもらった。
にもかかわらず、「カエルのランデヴー」こんな昭和な題名になっちゃった。すまぬ、◯トゥ。


「ウングン」(カエルの声を模す笛)との出逢い@バリ、の話は前編で書いた通り。
その「ウングン」を手に入れたからには形にしなければ勿体ない!という事で、作った曲に踊りを創作してもらって、ウングンをかき鳴らす事にした。
2007年の夏のイベントで、カエルをH田さん、姫をCえちゃん、魔法がとけた男前王子をRちゃん、めでたい結婚パーティーでの来賓をDTとお客様達(要するにジョゲ)、に踊ってもらい、ウングンはガムラン大好きなKっちとWかと、bunちゃんにかき鳴らしてもらって盛り上がった。
短い演目だったが、いい出来だったと思う。(でました、じがじーさん!)


レコーディングでは、ウングンはダルマのメンバーで多重録音。
ウングン、難しかったね~。
ミキシングのPさまにご尽力頂き、カエルっぽく聴こえるように工夫して頂いた。
それはまた演奏編で。
ゲロゲロゲロゲロってたんぼの奥からカエルがやってきて、ティンクリックと一緒に演奏してる感じ~。
かなり酸欠ヨレヨレのカエルちゃんだけど。汗。


そんなこんなで、bunちゃん命名「カエルのランデヴー」、副題は(に)ちゃん命名「私カエルですけど、それが何か?」
酒の産物的なタイトルだけど、結構気に入ってる。
ほんとに、カエルも人間も同じ、見た目ではない、万物への愛。。。
アンデルセンに学ぶ?バリに学ぶ。


文筆:maso