こすた みあ Diary

旅の思い出、日々の記憶・・・

The Phantom

2006-04-28 | Caribbean
 

 April.28
 NY 2nd Day

 【Part 2】
 オペラ座の怪人
    &
 吉野屋の晩餐




グランドセントラルオイスターバーに向かうはずが、歩きつかれてクタクタ
だった為、MET 近くにあったビストロでランチを済ませることに。
「いいよね。いつだって行けるもんね。品川にあるんだもんね。」 

 


 1日で NY を観光しようなんて所詮無茶な話。
 NY の奥深さに本日2度目の敗北感をかみ締めます。
 MOMA での鑑賞は最初から諦め、デザインストアーに
 直行してお土産品を物色。パンパンに張った足を
 ひきずりながらホテルに帰ってしばし休憩。




一休みした後は、待ちに待った"オペラ座の怪人"を見るため、
お召しかえをして、いざ、マジェスティックシアターへ。
ここで突然、ワタクシによるワタクシの為の
"オペラ座の怪人"バイオグラフィー。
          
*1991年 12月31日 
紅白歌合戦に出演したサラ・ブライトマンを見て、あまりの美しい歌声 & 美貌に
衝撃を受ける。

*1992年
ハワイで見つけた LONDON オリジナルキャストの2枚組み CD とファントム役で
一世を風靡したマイケル・クロフォードの CD を購入し、自分でも口ずさめる
ようになるまでひたすら聞きこむ。

*1995年
劇団四季による「オペラ座の怪人」デビュー。
品川のキャッツシアターで大々的にキャッツを公演している裏、日生劇場で
細々と公演されていた「オペラ座の怪人」。たぶんメインの役者さんは全て
キャッツに借り出されていたのでしょう ?! 日本語の歌詞にまず驚き、
クリスティーヌの歌の下手さに更にびっくり。
とどめに「Phantom the Opera は~わたしだ~♪」と朗々と歌われ、
思わず腰がくだけて遂にノックアウト。
「オペラ座の怪人」への恋焦がれた想いは永遠に封印されたかに思えました。

*2005年
私の想いはフィルムとなって報われたのか ?!
映画 "The Phantom of the Opera" の美しい映像に再び熱い想いが再燃します。

*2006年 4月28日 20:00
ヴァカンス前に NY を通過することを知り狂喜乱舞。
1月、ブロードウェーにおけるロングランの記録を塗り替えたばかりの
"The Phantom of the Opera" の チケット
を入手。
遂に遂に夢の舞台の幕開けです !!

         

金曜日のブロードウェーは大混雑。思い思いにドレスアップをした人々が、
次々とお目当ての劇場に吸い込まれて行きます。マジェスティックシアターも満員御礼。
中には自作の仮面をつけた男性まで。客席のライトが落ちると同時に
「ウォーーーー」と割れんばかりの大歓声 & 拍手喝さい。
NY のオーディエンスの迫力に圧倒されます。

今回は、プレミアムチケットだった為、前から5列目のど真ん中。
メインテーマに乗って、シャンデリアが自分の真上をガーッと通過していき
ステージは一挙に華やぎし頃のオペラ座へと時代を移します。
しかし、頭上でブランブランと揺れるシャンデリアはなかなかの迫力。
本当に落ちてこないでしょうね~。ドキドキしながら舞台に見入ります。
ハワード・マクギリンの怪人は歌声といい演技力といい本当に素晴らしかった。
クリスティーヌへの想いがほとばしるように溢れる "THE MUSIC OF THE NIGHT"
切なく力強い歌声に涙が溢れます。
頭上で揺れるシャンデリアがまたまたドカーンと落ちてきてヒヤヒヤしながら
1幕目が終わり休憩へ。またしても割れんばかりの大喝采。



ラウル役の役者さんの実力がやや不足だったのか "All I ASK OF YOU" の
デュエットがイマイチだったことが残念だったものの、クリスティーヌの歌声も
とても可憐で美しく、ワタクシの封印された"オペラ座の怪人"への想いはついに
昇華されたのです。オルゴールが物悲しくマスカレードの調べを奏でる中、
想いに破れたファントムは仮面だけを残して闇の中へと消え去ります。
そして再び、客席は絶叫 & 雄たけび & 拍手喝さい。客席総立ち。
スタンディングオベーションの渦へ。

本当に本当にブロードウェーに来ることができて良かった。
観劇後は、12時までやっているというエンパイアーステートビルに登って夜景を
楽しむ予定でしたが、タイムズスクエアの大混雑に負けて辿り着けず・・・。
それどころか、適当なレストランさえ見つかりません。
なぜなら YES !! ガイドブックを持ってないから。

 
 歩きつかれたワタクシたちの前に、オレンジ色の
 ほのかな光を投げかけてきたのはなんと"YOSHINOYA"
 「日本では今、食べられない幻の牛丼だよ !! ある意味、
 グランドセントラルオイスターバーより貴重だよ !! 」
 無理やり自分たちを納得させて Beef Bowl を Take away。
 ホテルに戻って銀のトレイに載せればなんだか高級に
 見えるでしょ?!
 

NY の最後の晩餐はあえなく吉野家。最後の敗北感をかみ締めつつ、
深い深い深すぎる眠りについたのでした。


MET

2006-04-28 | Caribbean

 
 
 April.28
 NY 2nd Day

 【 Part 1 】
 ガイドを忘れて愉快なサザエさん &
 メトロポリタン美術館で敗北を味わう




NYはたった1日しかない ! というわけで珍しく午前中に起床して、
メトロポリタン美術館 ( MET ) へGO ! のはずが・・・ここで珍道中 Part 1. の
始まり始まり。スーツケースから取り出したガイドブックを開いて愕然・・・。
間違えました。持ってくるガイドブック。

今回のヴァカンスに際して購入したガイドブックは、「トラベルストーリー NY 」 &
「地球の歩き方 ・ カリブ海の島々」購入してからページを開くと、なんと
地球の歩き方にはアンギラのページがたったの2ページ。
なんの参考にもならないから、いらないね~。置いてきたつもりでいましたが、
しっかり旅路についてきちゃいました 地球の迷い方  
そして、自宅に放置されたのが NY のガイドブック・・・。
どうするよ ?! 一瞬、なみだ目になりましたが、幸い携帯用のマップのみ連れて
きていたのでその子を頼りに出発することに。オットがたった1度ながらも
ビジネストリップにて NY 経験者だったこともあり、あとは野生の感に頼るのみ。
気を取り直して MET へ GO !



金曜日は約1時間をかけてハイライトを巡る 日本語ツアー
をやっている
との事で、そちらに参加することに。鑑賞した美術作品は以下の通り。
( ワタクシ自身の備忘録用にアップ致しますが興味のない方はスキップして
くださいませ。また、メモをとっていたわけではないので、記憶に誤りがある
可能性も・・・気がついた方はどうぞご指摘ください。) 


① ヨーロッパ彫刻のエリアから紀元前の作品、竪琴を弾く男性の彫像
 ( マーブル製。ピカソやモジリアニもその造形の美しさに驚愕したとか ?! )

② ギリシャ美術から、戦いに疲れ物憂げな表情を浮かべる女戦士アマゾネスの彫刻

③ 紀元前のビザンツかどこかのモザイク壁画
  ( 小学生のグループが通り過ぎた為、説明聞こえず。)

その小学生の軍団から、1人の女の子が隊列を乱して私の方に駆け寄ってくる。
何事かと思ったら「あなたのカバンとっても素敵 ! 」そう微笑んで、また隊列に
駆け戻っていった。金髪青眼の少女から褒められてしまった。か、可愛い・・・


④ 武器・甲冑のエリアから、中世ヨーロッパの馬具甲冑
 ( 戦闘用ではなく、勝利を収めた記念に製作されたもの )

⑤ 楽器のエリアから、ダブルバージナル
 ( スペイン国王が贈答用に製作させたもの。幻の画家フェネメールの生涯
 三十数点の作品の中にはヴァージナルが描きこまれたものが数点含まれる。 )

⑥ 同じく楽器のエリアから、現存する世界最古 ( ? )のピアノ
 ( 現在のものに比べるとサイズが非常に小さい。 )


⑦ アトリウムにはティファニーの別荘に用いられた支柱、ティファニー製作のガラス

⑧ ヨーロッパ絵画のエリアから、幻の画家フェルメール「水差しを持つ若い女」ほか

⑨ 同エリアから、ティツィアーノ「ヴィーナスとリュートプレイヤー」


⑩ 同エリアから、クラナッハ「パリスの審判」
 ( トロイア戦争の原因となった女神の美人コンテストを巡るギリシア神話が題材。
 クラナッハの描くヴィーナスは他の画家と異なり、姿形が痩身であることが特徴。 )

⑪ 19世紀ヨーロッパ絵画・彫刻のエリアからロダン、ピグマリオン 
 ( 女神アフロディテに生命を吹き込まれた女性のモデルは、ロダン自身の愛人
 カミーユ・クローデル。 )

⑫ 同エリアから、死せるキリストと2人の天使
 ( キリストが蘇らなかったということを暗示した問題作 )

ハイライト・ツアーとのことでしたが、自分自身で回った場合、気づかずに
通り過ぎてしまうであろう数多くの作品に焦点をあてていて、とても良い勉強に。
ただ、本当に駆け足の鑑賞だった為、念願のフェルメールの前もほぼ素通り。
最後にもう1度戻ってじっくり鑑賞するつもりでいたのですが、くたくたになって
後戻りできず。 MET の奥深さに敗北感を味わった瞬間です。




解散後は、ゴッホの自画像を眺めたり、大好きなモネの「ルーアン大聖堂」
「エトルタの海岸」を眺めたり。ゴーギャンの「IAORANA MARIA」も記念にパチリ。
出口を探して彷徨い歩いた近代美術の通路には何気なくパウル・クレーの作品も。
なんとも贅沢な収蔵品の数々に改めて感動。疲れた足に鞭打って更に歩き続けます。

 
 今回、時間がないため MET か MOMA に
 絞ろうと悩んでいた際に決め手となったのが
 ただ今、開催されている特別展覧会
 「ハトシェプスト、女王からファラオへ」。
 そう。大好きな古代エジプト文明系。
 


METは、 1920~30年にかけてエジプトに大調査団を送り、多数の作品を発掘。
その膨大なコレクションでも有名だそう。
今回は、エジプト部門100周年を記念しての特別展。行かない手はありません。
というわけで勇んで辿り着いた特別展。写真撮影禁止のため入り口の画像しか
ありませんが、やはり凄かった。

紀元前、今から遡ること何千年も前という途方もない昔に、どのようにしてレリーフや
石柱にあれだけ克明に文字や絵を刻む技術があったのか。刻まれた象形文字の美しさ、
パピルスのほころび、縁取られた眼が印象的なハトシェプスト女王の石像。
ラピスラズリが用いられたスカラベのアクセサリー。なんだか、たまらなくワクワクします。
やっぱりいたんだよ。ヤツらだよ。宇宙人の仕業に違いないよ。だってギザのピラミッドは、
オリオン座の配置とピタリと一致するって言うじゃない ? 絶対ヤツラの仕業だよ !!
突如、SF的結論に達した我が家は、満足気に古代エジプト文明が残した美術品を
後にした。


特別展の部屋を後に向かった先は、お約束のサックラー・ウィング、デンドゥール神殿。
女神イシスを祀った紀元前15年の神殿をそのまま移築しちゃうあたり、さすがアメリカ !!
度肝を抜かれる発想です。オットが他の展示物に心を奪われている間、
神殿の前でほけ~っとその規模の大きさに呆れていると、アメリカ人の兄さんに
写真撮影を頼まれる。
「ここの犬神さまと犬神さまの間にオレな。で、神殿がここに入るように撮ってくれ。 OK ?! 」
「はいはいOK」私の撮った画像を満足げに確認した兄さんは「オマエもそこに立て」
私のデジカメを半ば強制的に奪い取って自分が考案した構図で私も撮影
「ベリーグッッ !! 」と言い残して満足げに立ち去っていった。