こすた みあ Diary

旅の思い出、日々の記憶・・・

堂島ホテル

2008-05-24 | Travel
Feb.25
ナニワ出張




のぞみN700系にいそいそと乗り込んで・・・
向かった先は大阪出張。
あれは確か2月のこと・・・。
・・・って、いつの話してるねん ?!

というわけで、とっても遅まきながら大阪出張レポートを簡単に。

突然決まった大阪出張、あれこれ思考をめぐらす時間もなく、
まずはともあれ審美眼に絶大な信頼を寄せている、
大好きな ナニワのお姉ちゃん
から噂を聞いていた堂島ホテル をさくっと予約。
お弁当は 東京グランスタ
、築地 竹若 で仕入れたお寿司を頂いて。



キリリと冴える冬の青空。びしっと聳える富士のお山を愛でながら、鼻歌まじりで大阪を目指します。

仕事の合間に荷物を置きに立ち寄った堂島ホテル。



モダンファーニチャーを散りばめ、シックにクールにヒップにまとめられた館内は、
まるで「ナニワのWホテル」とでも申しましょうか、完全無欠なデザイナーズホテル。

この日利用したのは、26平米のコーナーダブル。



バスルームのカーテンをオープンにすれば抜け感も出て、1人泊まりには十分な快適空間。
ポットや、時計にはさりげなく amadana のプロダクツ、アメニティには、アグロナチュラが採用されています。
こんなオシャレ空間に、会社の旅費規程内の費用で宿泊できるとは、本当に驚き。



「堂島ホテルに宿泊します」上司に告げると、追加で出された課題が1つ。
「あ~堂島ホテルね。じゃ、隣のケーキショップで堂島ロールの仕入れよろしくね。」
「 ??? 」

出された課題はたとえどんな指令であっても、全力を挙げて遂行しなければなりませんっっ。(鼻息)
早速検索をかけると、それは パティシェリー モンシュシュ
というお店の名物ケーキ。
予約無しでは、購入できないという人気スイーツだそう。
ずらっと行列ができた店内に入ると「本日の堂島ロールは完売です。」の文字。
どうやら噂は本当のよう。予約名を告げ受け取ったケーキはふんわり玉子色のスポンジと
真っ白な生クリームのコントラストが幸福感溢れるロールケーキ。



早速自分用に購入したケーキを味見してみたのですが、お味の方もルックス同様ふんわりまろやか
優しい味わいでした。このお値段でこの幸福感。確かにコストパフォーマンス高いです !
( でも、絶対にもう1度食べたいとかそういう類のものではないかな・・・ ?! )
あのお値段なら時々食べたい。できれば自分で予約したりせずに頂きものだとなお嬉しい・・・。
そう、堂島ロールは、その話題性、コストパフォーマンスの高さから、おもたせにぴったりな
ケーキと推察致しました。はい。

翌日の朝食は堂島ホテル、メインレストランの THE DINER で。
デミグラソースがかかったオムレツにサラダ、お腹に優しい野菜スープをすすって、
東京への帰途につきました。



ところで、オマエは本当に働いたのか ?! という感じのレポートですけれど、ええ。ええ。働きましたとも !
せっかく粉の帝国に降り立ちながら、お好み焼きも、たこ焼きも、イカ焼きさえも口にできず、
夜の10時30分まで働き細々と堂島ロールとミニバーに備え付けられていたローズヒップのお茶を口にし、
ベッドに潜り込んだのでした。

だから余計、あのほっこりした堂島ロールの優しい味わいが身にしみたのかもしれません・・・

五稜郭

2008-05-11 | Travel
Dec.24.2007
Christmas Eve in 五稜郭


AM 7:00 起床。
完全に出遅れた感あり。



「まぁ、朝市って言っても観光客向けなんだし、そんなに力むことないでしょ ? 」
昨夜、そんな会話のやり取りがあったので、すっかり安心して眠り込んでしまった。
カーテンを開くと、昨夜美しい夜景を眺めた函館山は、すっかり雪化粧を施している。

身支度を整え、お隣の朝市へ。
店先からかかる威勢の良い呼び声、ひやかしながらそぞろ歩く観光客の高揚、
呼び込み用に用意された焼き蟹が、悩ましげな香りを放って鼻腔をくすぐっていく。
「お姉さん、ちょっと食べて行きなよ ! 」お言葉に甘えて次々と試食。
う~ん、朝市は楽しい !!
呼び込みには、終始冷やかしに徹したワタクシ達、いよいよ食堂ホッピングへGO !



まずは朝市のリーディング的存在と言われる「道南食堂」の暖簾をくぐる。
今までいったいどれだけの人々の胃袋を満たしてきたことだろう。
この道何十年という風情のおばちゃん達は、次々と来る注文を寡黙に優しくこなしていく。
海鮮丼にハラスを少し。ごたっと盛られた贅沢な食材が朝市の気分を盛り上げる。



ここだけで終るはずはなく、お次は、辻仁成の小説にも登場するという「茶夢」へ。
烏賊刺し、雲丹、毛ガニ汁。身体に染み渡る海鮮尽くし。あ~本当に美味しい。



予定では、函館ラーメン 一文字
も攻略するはずであったが、もうお腹いっぱい。
一文字はお土産のラーメンセットを購入するに留まり、後ろ髪をひかれながら後にする。

朝市で長居しすぎたワタクシ達、慌しくまとめた荷物をフロントに預けて、
タクシーに乗り込んだ。

「土方歳三最後の地へお願いします。」

姿勢を正してドライバーさんにビシーッと行き先を告げる。

「お客さん、どちらから ? なるほど~。土方さんは、こっちではそんなに
人気なかったけどね~。大河ドラマやってから、たくさんお客さんが来るよ。
こっちではさ~、町の名前にまでなってる中島三郎助の方が断然有名だよ~。」

「あ~元浦賀奉行の ! 」

「そうなの ?! お客さん詳しいね~」

「え~。それはもう。吉村嘉一郎くんを引き受けてくださった方ですもの。 」

「?」

「あ、これは小説の中の架空のお話です。」 笑 (ワタクシが語っているのは「壬生義士伝」です。)

架空の話は置いておいて、地元の方に聞くお話はとっても興味深い。
最後の戦線が終結した後も、新政府軍が街中の死体に触れることを許さなかったこと。
吹きさらしにあう亡骸が、あまりにも不憫だと取締りのなくなる夜中に、お寺の住職さんや、
ヤクザヤさん達が総出で遺体を集めてまとめて葬ったこと。
そんな状態だったので、土方歳三の遺体さえも発見できなかったこと。

「だから、最後の地って言われてるけど、最後にこの辺りで見かけたっていう
証言があるぐらいのことでさ。本当のことはよく解らないんですよ。」



そんな説明を受けながら到着した歳サマ最後の地。
近藤勇亡き後、死に場所を求めて蝦夷地にまでやってきたと言われる歳サマ、
本当のところはいったいどんな気持ちで戦っていたのかしら。
暖かな陽射しに照らされた一本木の関門跡、涼やかな眼差しの歳サマの遺影の前に
そっと跪き手をあわせた。

「さぁ、次に行くところは勿論、解ってらっしゃるわよね ?! ドライバーさん ?!」

というわけで、再びタクシーに乗り込んだワタクシ達は、五稜郭を目指します。
そう。旧幕府軍最後の砦です。ついにその地に上陸したワタクシたち。
様々な感慨にふけっていると、氷の張ったお堀の上に照り葉が1枚ハラリと落ちました。



白い氷の上に散った赤く染まった1枚の紅葉。
それぞれの夢を、それぞれの理想を、それぞれの信念を。
様々な思いを胸にここで戦って散っていった人々に遠く想いを馳せるひと時。

その後は、五稜郭タワーに登って、星型の全景を眺めたり。
そこここに飾られた歳サマの銅像を眺めたり。
いつまでも資料掲示板の前から離れないオットに飽きて、
1人夕張メロンソフトクリームを買い求めたり。コラ。
 


ソフトクリーム片手に、ふと振り向くと、雲間から顔を覗かせた明るい煌き。
歳サマが、最後の輝きを放った北の大地は、午後の陽射しにキラキラと美しく
平和に照らし出されていました。



五稜郭タワーを降りたワタクシたちは、タクシーの運転手さんに教えて頂いた
函館塩ラーメン あじさい
に直行。



最後の腹ごなしをすませ、荷物をピックアップ。
運転手さんがどうせなら空港行く前に寄って行ったら ?! と勧めてくださった
トラスピスチヌ修道院。賑やかしい観光客をよそに建物の奥底からは、
厳しい戒律を守ってひっそりと暮らす修道女たちの、威厳に満ちた清麗な空気が
漂ってくるよう。駆け足で巡って羽田行きの飛行機に乗り込みました。



上野駅から始まった、3泊4日の北海道を巡る旅。
遥かに続く轍にワクワクし、荘厳な景色に圧倒され、ロマンチックな街並みに酔いしれ、
志士たちの熱い思いに胸を焦がし、そして何よりもたくさんの美味と交わり ( 結局それかい ?!)、
北の大地はたくさんの素敵な想い出をワタクシ達にもたらしてくれました。
好きですニッポン ! 好きですホッカイドー !!

世界三大夜景 ?!

2008-04-19 | Travel
Dec.23.2007
函館へ


実は北海道旅行にはまだまだ続きがありました・・・(汗)

ウィンザーのリムジンバスで洞爺駅まで送り届けられたワタクシたち。
次なる目的地を目指して、再びスーパー北斗の旅人となります。



そう。今回の旅の目的は3つ。

1. 憧れの寝台特急、カシオペア・スイートの乗客になること。
2. 憧れの美食の館、ウィンザー洞爺に投宿すること。

そして・・・

3. 土方歳サマの最後の砦、五稜郭の地を踏破すること !!

そう。ワタクシもオットもなぜか気づいた時には幕末ファン。
幕末の志士が活躍した地、京都出身のオットのせいかもしれません。
もしくは、1853年、開国の親書を携えたペリーがサスケハナマルに乗ってやってきた地、
浦賀の近くに居を構えているせいかもしれません。

とにかく、幕末と聞くとなんだか興奮してしまうワタクシたちにとって
五稜郭はいつか訪れてみたい憧れの城郭であったのです。

カシオペアの旅の途中でも特に景観が素晴らしかった函館本線を再び南下。
雪雲に覆われた駒ヶ岳、氷が張った大沼公園、次々と流れていく車窓の景色は
雄大そのもの。と言いつつ、決して眼福だけを楽しんでいたわけではなく、
備え付けのテーブルの上には、しっかりJR洞爺駅の名物弁当
「洞爺のホッキめし」(1,050円) がセッティング済み・・・。
こうして1時間30分強の旅も飽きることなくまたたく間に過ぎ去り、最後の目的地、
函館駅に到着です。



スーツケースをコロコロと転がし、横目でしっかり海鮮土産をチェックしつつ、
チェックインしたのは朝市のすぐ隣というグッドロケーション、
函館男爵倶楽部 ホテル & リゾーツ
です。



こちらのホテル、特別プランですと、わずか1万円台から宿泊可能ですが、
32インチのハイビジョンテレビにシモンズ社製のベッド、なぜかビューバス・・・
( 函館山が見えました。)と、なかなかの頑張りよう。



更に、その立地を十分にいかして、朝食券は朝市の提携食堂で使えたり、
調達してきた食材をキッチンで調理して夕食をお部屋で頂いたり・・・と、
色々な楽しみ方を提案してくださっています。



今回はわずか1泊の宿泊ですので、41㎡のスタンダードツイン。
狭いながらもリビングにはシンプルでモダンなソファーセットが備え付けられていて
なかなかの居心地。寛ぎすぎて眠ってしまわないように、しっかり気を引き締めて。
さぁ、クリスマスシーズンで激しく混み合うであろう日本三大夜景( 世界三大夜景 ?! )
を目指しましょう。たくさんの坂道を登ってバスは函館山のゴンドラ乗り場へ。

なんだかすっかりロマンチックな夜景の名所となっている函館山ですが、
函館戦争のその時、この山の麓を守っていたのは、確か島田魁等の新撰組の隊。
自然の要塞だったはずの函館山を新政府軍に裏側から奇襲されたことにより、
旧幕府軍は総崩れとなり、函館戦争の戦局は決定的なものとなったのです。

彼女に腕を絡まれて目先の幸せだけかみ締めてニヤニヤしているそこの男子 !!
ここは幕末、日本男児達が未来を夢見た浪漫の地なのだぞ !!
しっかりせんかっっ !!!

常に目先の幸福ばかりを追い求めているワタクシですが、突如、幕末に想いを馳せて、
心の中で若者達を叱咤激励してみたり。

それでも、薄紫の夜の帳の訪れとともに、美しく浮かび上がった函館の夜景は
そんなオバサンなワタクシを黙らせる、文句なしにロマンチックな美しさ。



海に囲まれ、翼を広げたように広がる函館の地形が冬の夜空の空気の中で
キラキラと輝きを増していました。



大混雑の函館山を後にしたワタクシたちは、小雪のちらつく中を、ライトアップされた
ハリストス正教会、正ヨハネ教会、八幡坂など散策しながらベイエリアまで。



こちらでは、この時期、クリスマスファンタジーと銘打ったイベントが毎年開催されているのです。
姉妹都市のカナダ・ハリファクスから遥遥送られてきたという20メートルもある
美しいツリーが海上に浮かび、そのバックで打ち上げ花火が大輪の花を咲かせます。



生憎、霙交じりの雨脚が強くなってきた為、ワタクシ達は早々に引き上げ、今宵の夕餉の
場所探しに専念。オットがふらふらと引き寄せられていった先はジンギスカン食べ放題・・・。
「食べ放題」という文字に嫌な予感がしたワタクシでしたが、なかなかどうして。
北海道ならではの冷凍保存を一切していないという新鮮なラム肉たち。
すっかり冷え切った体にしっかり栄養を注入して函館での夜を終えました。

さぁ、いよいよ明日は旅のクライマックス。
土方歳三史跡めぐりです。


ギリガンズアイランド

2008-03-16 | Travel
Dec.23 Part1. 
ザ・ウィンザーホテル洞爺
ギリガンズアイランド


洞爺湖が朝の陽光に照らし出される瞬間にあこがれて、
朝っぱらから窓辺で張り込みを展開していたワタクシ。
次第に薄闇に浮かび上がる周囲の景色を見回して息を呑む。
そこには、こんなに間近に感じられるというのに昨日はまったく姿を見せることが
なかった羊蹄山が、「蝦夷富士」という呼び名にふさわしく、誇らしげにその威容を
現していたからだ。



窓外に広がる、羊蹄山、ニセコアンヌプリ、洞爺湖、有珠山、昭和新山・・・。
この壮大でパノラミックな風景を、的確に表現する言葉をワタクシは持たない。
ただただ、圧巻の景色に感動している間に、気がつけば、うやむやな朝陽は
すっかり中空に昇りきってしまったようだ。



さぁ、それでは朝風呂といきましょうか。
洞爺温泉「山泉」で、羊蹄山を眺めながらの贅沢な雪見風呂。



刺さるように冷たく澄んだ朝の空気の中を、ちらほらと雪の結晶が舞い落ちる。
滑らかなお湯に浸かりながら、手のひらで受けたそれが、はかなく溶けて行く様子を
いつまでもいつまでも飽かずに眺めていた。

贅沢な雪見風呂の後には、北の大地を味わいつくすとびきりの朝食を。



キラキラと輝く雪原と洞爺湖、そして羊蹄山を臨む特等席に用意されたのは、
美しきシャンパンブレックファースト。
グラスの中で立ち上る気泡が軽くはずむようにはじけていく。
ここ、ギリガンズアイランドでは、オテル・ド・カイザーのとびきり美味しいパンに
ホテルメイドのジャム、フレッシュジュースに、スープ仕立ての温泉玉子、
ハム、ソーセージ、オーガニックサラダ、ヨーグルトという、ヘルシーな朝食を
味わうことができた。



ウィンザー洞爺リゾート & スパ。
わずか1泊2日の滞在、ダイジェストしか体験することはできなかったものの、
圧倒的な景観に数々の美食、ホテリエの方々の暖かいおもてなし。



美しい北の大地で、心で感じ、身体で感じる印象深く豊かな時間を過ごすことができました。

The Windsor Ⅱ

2008-03-01 | Travel
Dec.22 Part3. 
ザ・ウィンザーホテル洞爺
館内お散歩
BLOOM SPA TOYA / わく善 / Polo Bar


天空のランチを楽しんだ後は、至福の時間の余韻に浸りつつ館内散策を。
ウィンザーと言えば、この写真を撮らなくては・・・?!



ロビーフロアーの高い高い吹き抜け天井。
ある時は優雅なハープの調べが、そしてまたある時は、フルートとピアノが
奏でる妙なる二重奏が、その空間を美しく優雅に満たしていました。



やがて、北の大地を黄金に輝かせながら内浦湾に沈み行く夕陽。
ここからは、月の光が柔らかく白銀の世界を支配する夜の時間が訪れます。



お部屋に戻ったワタクシは、洞爺湖を縁取るようにポツリポツリと灯り始めた温泉街の
明かりを眺めながら、ビューバスに入りリラックスタイム。



なぜなら、館内散策中にうっかり見学に立ち寄ったスパで、これまたうっかり
空き時間を見つけてしまい、ちゃっかりアロマトリートメントの予約を入れてしまったから。
ゆるやかなお湯で身体をほぐした後は、バスロープに身を包んでブルームスパトーヤへと
向かいます。(「バスローブのままご移動いただけます。」との事でしたが、途中、バーの横など
パブリックエリアも通過するので、少し恥ずかしかったのも事実・・・。)


たっぷりとスペースが取られたスパエリアは贅沢そのもの。
ジャグージが併設されたプールエリアにもゆったりとした時が流れていました。



さて、BLOOM SPA TOYA の内部をご案内いたしましょう。
12室あるという個室の中には、ビッシーシャワーの設備を完備したタイプのものまであり、
トリートメントメニューも豊富なラインナップ。ダウンタイムを過ごすエリアの作り方だけ
少し残念だったものの、( 高い吹き抜け天井に、ベンチシートで少し違和感がありました。
個人的には、やはりグダーと過ごせる低めの天井 & リラックスチェアーが希望です。 )

担当してくださったセラピストさんのテクニックも申し分なく、年末の疲れで凝り固まった
ワタクシの身体はあっという間にグダグダに。



そう。このスパこそ今宵の敗因の最大の原因。
この後、すっかりまったりモードに突入してしまったワタクシ達は、予約を入れていた
わく善でお寿司のコースを簡単に頂いた後は、ちらりとポロバーに立ち寄っただけで
沈み込むようにベッドに横たわって眠り込んでしまったのです。




なんたる不甲斐なさ !! なんたる不覚 !!
ウィンザーの夜はまだまだこれからだというのに。
秘密のヌードルショップの場所もバッチリ確認したというのに。



クリスマス期間限定のチャペルシャンパンバーの場所もしっかり確認したというのに。
・・・シャンパンバーに関しましては、グラス5000円に腰をぬかして、尻尾を巻いて
そそくさと逃げ帰って来たというのが、実情でございます。




こうして残された勝負は、あとたったの1食。
明日の朝食のみとなってしまった情けないワタクシ達。
こうしてウィンザーで過ごす夜は静かにふけて行きました。

Michel Bras

2008-01-25 | Travel
Dec.22 Part2.
Michel Bras TOYA Japon


「ボンジュー マダーム & ムッシュー」

レストランエリアのアプローチに差し掛かると、長身のフランス人男性が、その長い
ストライドをいかして颯爽とガラス扉から駆け出し、ワタクシ達を暖かく出迎えてくれた。
まだミシェル・ブラスのエントランスまでは20メートルほどもあるというのに、だ。
もしも、ワタクシ達が隣の、アウトオブアフリカのゲストだったらどうするつもりだったのかしら・・・。
そんなことを思いながらも、悪い気がするはずもなく、爽やかな笑顔に歌うような日本語で
「足元、お気をつけ下さい」と先導され、まんまとミシェル・ブラスのペースにはまってしまった。

案内されたテーブルから、眺める洞爺湖は、風花の舞い散る中にうっすらと
霞みを帯びて浮かびあがっている。正に天空に用意された極上のテーブルだ。



ここで ミシェル・ブラス
に関して簡単に。
シェフの生まれ故郷であるフランス、オーブラック地方にオーベルジュとして構えるその本店は、
独学で歩んできた料理にも関わらず1999年にミシュラン3つ星を獲得するという快挙を達成。
ブラス氏の名声は「香草の魔術師」として一躍、世界中に名を馳せることに。
数々の支店出展の誘いを断り続けていたというが、ウィンザー洞爺を取り巻く、その素晴らしい
自然環境にほれ込み、世界唯一の支店ミシェル・ブラストーヤジャポンの出店を承諾したそう。
毎年、フランス本店をクローズする冬の期間に1週間ほどウィンザーを訪れ、シェフフェアーを
開催している。



そんなシェフの故郷、オーブラック地方のライヨール村は、ソムリエナイフの生産で
世界的に有名な場所。ライヨール村では、幼い頃から質の良いナイフを与えられ、
それを生涯大切に使い続けるという伝統があるそう。
「本日のお食事の間は、どうぞこちらのナイフを最後までお使いになりながら
お楽しみ頂きたいとのシェフからのお願いでございます。」
サービスの方からそう説明を受ける。
磨きこまれた美しいシェイプのナイフは、プレートに立てかけられるよう、独特の
カッティングが施されている。



スターターは、幼少の頃のシェフの至福の記憶から蘇った卵料理「コックームイエット」。
そば粉で作られたビスケットを半熟卵に絡めていただく一品。
勿論、美味なのだが、いただきながらとっても暖かい気持ちになってしまったのは、
この一皿に添えられていたシェフの想い出が綴られたとびきりのストーリーに起因する。
そこには、まるでピーター・メイルの「南仏プロヴァンスの12ヶ月」、カポーティーの
「クリスマスの思い出」、はたまた「大草原の小さな家」のワンシーンを彷彿とさせる、
ファミリーの愛に溢れた幸福な食の記憶が綴られていた。



続くアミューズブーシュは、スプーンの上で完結する小さなストーリーを3種。
美しい色彩にうっとり。お口に入れてにっこり。

そして、いよいよお待ちかね。ミシェル・ブラス氏のシグニチャー料理である野菜の
ガルグイユー。積み立てのハーブや花々が美しく散りばめられたアートな一皿。
この日は「1皿の中に約50種ほどのお野菜が使われています」とのこと。
その彩り、香り、食感。それぞれに仕事をなされた野菜とハーブが一皿の上で
ゴージャスに競演。なにもかもが素晴らしく、三ツ星ってこういうお料理を評価して
言うのだなと、ため息をついてしまった。



陶板の上に供された一品は、ナチュラルに仕上げた鴨のフォアグラと生ハム。
イチヂクのピューレ、煮詰めたヴィネガー、美しいグリーンを活かしたハーブ。
パリパリの皮に挟まれたフォアグラを手でつまんで頂くスタイルのそれは、
ビジュアルに反して、軽い口どけのフォアグラで、あっという間に完食。
フィンガーボウルの中にも可憐な花びらが舞っている。



食いしん坊のワタクシ達は、コースメニューにアラカルトからスープを一品追加。
「アラカルトはボリュームがありますので、お2人でシェアされるとよろしいかと
思います。」そう、サービスの方からご提案をいただく。
黒トリュフの気泡に包まれた栗のスープ。
大地の恵みをたくさん取り入れた幸福な味わい。



メインは、絶妙に火通しされた牛肉のロースト。岩塩のみで、または、黒トリュフの
ソースとあわせて、柔らかい赤身のお肉を楽しんだ。



フロマージュは、シェフの生まれ故郷であるライヨール産のものと、
北海道産のものを少しずつチョイス。

様々なプチフールの後は、81年オリジナルクーラン。
フォンダンショコラのオリジナルと言われる一品は、勿論ビスキュイの中から
チョコレートがとろ~り。



こうして、テーブル上で繰り広げられるめくるめく饗宴に身を任せている間にも
窓外の景色は刻々と姿を変えていく。先ほどまで美しい洞爺湖を映していた
ガラス窓は、一瞬のうちに花びらのように舞い散る雪の花でうめつくされ、
洞爺湖の姿を包み隠してしまう。

そうかと思えば、今度は、内浦湾に沈み行く残照を映した湖の上に、
美しく澄んだ月が姿を現した。



サービスの方に「いつもこんなに天候が変わるのですか ? 」と問いかけてみると
「はい。お客様から頂くご質問で一番困ってしまうのが天候に関するご質問なのです。
『明日は晴れますか ? 』とご質問頂いても『晴れますし、曇りますし、雪も降りますし、
霧も出ます』となってしまうんですよ。」と笑いながら応えてくれた。

ミシェル・ブラストーヤジャポン
絵画のように美しいプレートを口に運んでは微笑みあい、窓外の雄大な景色を
眺めては、ただただ、ため息をつく。天空のレストランに言葉はいらない。


実は、こちらのレストラン、2002年のオープニングに携わったシェフが交代したことにより、
若干お料理がおとなしくなったという評価を受けているようです。
ただ、比べるもののないワタクシにとっては、どのお料理もとても美味しく感じられました

The Windsor

2008-01-13 | Travel
Dec.22 Part1. 
ザ・ウィンザーホテル洞爺 リゾート&スパ


JR洞爺駅に到着すると、 ウィンザー の紋章をつけた誇らしげなリムジンバスが、
既にロータリーに待機していました。荷物を預けて、颯爽と乗り込み、
海抜616mにそびえる山頂のクルーズシップを目指します。
( ウィンザー洞爺は豪華客船をイメージして設計されたそう。)

到着までの時間は20分ほど。
この時間を利用して、ドライバーさんが、景色の説明、ホテルの説明など、丁寧に
お話してくださいます。ホテルインフォメーションのビデオを流す手法は時々
みかけますが、ドライバーさんの柔らかな語り口調でのご説明。
温かいおもてなしの心を感じながらのドライブです。

洞爺湖につきあたり、山道のカーブに差し掛かる頃になると、次第に辺りが雪深く
なってきました。あ~冬の北海道に来たんだな~と嬉しくなる瞬間。
穏やかな冬の晴れ間、洞爺湖には中島の姿がくっきりと浮かび上がり、
その美観を誇っています。カーブを曲がる度に眼前に広がる雄大な景色に、
ゲスト達から思わず漏れる感嘆のため息。



さぁ、いよいよ到着です。エントランスには、スタッフたちが列をなして
待機しており、各ゲストごとにチェックインへと誘導してくださいます。
ワタクシたちは今回、早めのチェックインに対応できるプリミエールスタイルの
宿泊を選択。レセプションデスクとは反対側にあるプリミエールサロンへと
案内されました。( このプランでは、特定のチェックイン・アウト時刻を
設けておらず、ゲストはそれぞれの都合にあわせて好きな時間から
24時間の滞在を満喫することができます。)



さすがに17時間+2時間の長旅に疲れたワタシクたち、ウェルカムドリンクさえ
辞退して、すぐにお部屋へと案内して頂くことに。
「どうぞお入りください。」にこやかな笑顔に促されて扉をくぐると、そこには、
素晴らしい感動が待ち受けていました。

たっぷりと取られた窓には、このホテルの何よりのおもてなしである180°に
開けた素晴らしい景観が広がっていたのです。



あまりの雄大さに言葉をなくし、ただ、ただ、見入ってしまったワタクシタチ。
ホテリエの方はそんなワタクシタチの感動が落ち着くまで、静かに微笑みながら
お部屋のエントランスに佇んでいてくださいました。
さぁ、ようやく落ち着いたところで、お部屋の説明をして頂きましょう。



ジュニアスイートルームは58㎡のゆとりの広さ。
窓際には、ライティングデスク、ソファー、チェイス、



壁側にはたっぷりとしたサイズのシーリー社のベッド。
柔らかな肌触りのブランケットに、愛らしいキャンディーピロー。
ベッドに横たわったままでも、美しい洞爺湖の景色を堪能することが可能です。



可愛らしいドレッサーの横にはクローゼット。
中には、アイロンも常備されており、ランチ前に早速使用させて頂きました。



洞爺湖サイドを選んだワタクシたち、お楽しみはこれだけではありません。
絶景を誇るレイクビューのバスルーム。



バスタブにつかりながら暮れ行く洞爺湖を眺めるバスタイムは、
とても贅沢な気分にさせられるひと時でした。

 

さて、時間軸を元に戻して洋服にプレスをかけ終わったところから。
ワタクシの中で、北海道 = ウィンザー洞爺リゾート&スパという図式が
出来上がってしまっていたわけは、そこが類まれなる美食の館だったからに
他なりません。館内には、フランス本店がミシュランで三ッ星を獲得している
「ミシェルブラス」をはじめ、摘草料理で有名な京都が誇る名旅館「美山荘」など、
今までは門外不出、その地に行かなければ食べられないとされてきた名店が
ズラリとラインナップされているからです。

荷物をほどき、旅装を改め、いざ出陣。
第1ラウンド、「ミシェルブラス」へと参りましょう。

カシオペア

2008-01-08 | Travel
Dec.21
寝台特急カシオペア


カシオペア メゾネットスイート2号車3番。
これが本日のワタクシのお宿である。 



16時20分、上野駅13番線ホームをスルスルと滑り出した寝台特急は、
これから約17時間をかけて一路、終着駅である札幌を目指す。



発車してすぐに、まずは検札をかねて車掌さんからご挨拶を頂く。
暫くすると、キャビンアテンダントからウェルカムセットとして、小樽ワインや
ウィスキーの小瓶が届けられ「本日、18時30分からフレンチディナーの
ご予約を頂いております○○様でいらっしゃいますね。」と確認があり、
更に、ウェルカムドリンクと翌日のモーニングコーヒーのサービスタイムの
リクエストへと続く。



これらのサービスの中でも、ウェルカムセットとモーニングコーヒーは
スイートならではのサービス。そう。プラチナ・チケット争奪戦に成功した者だけに
与えられる特権なのだ。・・・と、ついつい、大袈裟になることをどうかお許し願いたい。
1ヶ月前の午前10時に争奪戦が展開されるこちらのチケット、噂には聞いていたけれど、
本当に厳しい戦いだったのである。JRみどりの窓口、ビューカード、旅行代理店ほか
全5箇所に掛け持依頼をかけ、獲得できたのは、結果、1社のみ。
その他は、コンパートメントツインタイプの客室ですら獲得できず、
改めてその人気ぶりを誇示される結果となった。



「第二希望の喫煙車両のみお取りできましたがいかがされますか ? 」

そんな控えめな連絡に小躍りしたい気持ちをグッと抑えて
「購入させて頂きます。」と返答をしてから1ヶ月。
やっとこの日がやって来たのである。

ここで簡単に室内の紹介を。
メゾネットタイプの室内は扉を入って2階部分がリビング & バスルーム、
1階がツインタイプのベッドルームとなっている。



リビングには、BS・ビデオ放送用のTVも設置されているが、ワタクシは常に
ナビゲーションシステムにチャンネルをあわせて旅の羅針盤として楽しんだ。

 

一通りの通過儀礼を終了したところで、早速2階のリビングでパーティーの準備に
とりかかる。まずは、i-pod を持参のスピーカーに繋いでお気に入りのBGMを。
慣れ親しんだ音楽に包まれると、とたんに一夜限りのリビングに親密感が漂い、
マイルームへと変貌を遂げる。

更に、乗車前に日本橋三越のフロマージュショップ、ミクニ、エルメなどで調達しておいた、
チーズ各種、オリーブ、ハモンセラーノ、バーニャカウダ、マカロンなどをセッティング。
ローズラベルのクリコシティートラヴェラーは、チケット獲得に成功したひと月前に
カシオペア乗車を記念して購入したものだ。



すれ違う通勤電車、流れ行く街並み、暮れ行く冬の空にポッカリと姿を表したお月様。
そんなものを視界に捉えながら、グラスを傾ける。
旅の序章は上々の滑り出しをみせた。

車内販売の案内など、さまざまなインフォメーションが流れる中、
18時30分からのディナーの準備ができたとのアナウンスが入る。



更に内線からも「どうぞお越しください」との連絡が。
陽光が1番短いこの時期のこと、残念ながら流れ行く車窓を楽しみながらの
ディナーとはいかなかったが、列車の振動に揺られながらフレンチのコースを頂くという
人生初の体験をゆっくりと時間をかけて楽しむことができた。
( お味はまぁそれなりということで・・・笑
いや、飛行機に比べれば格段に贅沢です !!
でも、クルーズに比べるとまだまだかしら ?! って語るほどクルーズは知らなかった
飛行機もファースト知らないし )

 


~フランス料理コース~

*サラダ仕立てのオードブル*
アスパラガス、フルーツトマト、帆立貝と蟹のサラダバルサミコ風味

*魚料理*
平目の湯葉包み蒸 バジルのムスリーヌ添え
青森産ニンニクのクリームソース

*肉料理*
牛フィレ肉のソテー 温野菜添え 赤ワインソース

*デザート*
特選デザートとフルーツの盛り合わせ

プチパン・コーヒー




一度はぜひ体験したいダイニングではあるが、次回乗車することがあるのなら、
日本橋三越の金田中や吉兆などで豪華弁当を調達して乗り込むのもいいかもしれない。
ただし、コンパートメントにいる限りは他の乗客を見かけることもないので、
ダイニングで幸せそうにそれぞれの時間を楽しんでいるゲスト達の様子を
眺められる時間というのもなかなか楽しいものではあった。

スイートに戻り、室内のライティングを落として再び流れ行く車窓を眺める。
(ライティングは三段階の調光が可能であった。)グラスを傾けているうちに、
列車の振動にシンクロしてだんだんと眠気が襲ってくる。
仙台駅を通過した辺りで寝室に降りて少しベッドに横たわる。
階下からの車窓はホームすれすれの高さ。秘密の小部屋に潜りこんで外を眺めている
悪戯っ子のようなワクワクした気持ちになり、なんだか楽しい。
青森辺りで復活してシャワーを浴びる。制限時間16分のシャワー。
カウントダウンするデジタル時計と対峙しながら時間配分を考えて浴びるシャワーも一興だ。



その後は、本格的に睡眠をとろうと階下へ。
ブラインドを半分下ろして暗闇に流れ行く踏切りのネオンや、家々の明かりを眺める。
この時期ならではのクリスマスイルミネーションを施している家々など、特に
楽しませて頂いた。

途中、何度か停車する度に目覚めたところをみるとやはり眠りは浅かったのであろう。
ピッと短い汽笛が鳴った。いよいよ青函トンネルに入るようだ。
青函トンネルの青い光を確認した途端に意識がまた遠のいた。

次に目覚めた時、カシオペアは函館駅に停車していた。
ホームの端にはうっすらとみぞれが積もっている。
2組のカップルが星明りの中、下車していった。



6時30分、「おはようございます」車内放送が再び開始され、カシオペアは
目覚めの時を迎える。朝食の準備が整ったというアナウンスと共にリクエストを
入れていたモーニングコーヒーが運ばれてきた。



函館本線の区間は海沿いの景観が特に素晴らしい。
次第に朝焼けに染まる海や、二重構造の玄関を持つ北国特有の家々を
眺めている間に7時となり、朝食へと向かった。



カシオペアでの時間もいよいよ残りわずかである。
食後のコーヒーをスイートに運んで頂くようリクエストして、残り少ない
スイートでの時間を楽しむことに。



定刻8時54分、名残を惜しむ乗客たちを乗せたカシオペアは、札幌駅のホームに
優雅に滑り込み、その17時間の旅を終えた。



寝台特急の旅の素晴らしさは、それが旅の終わりであり、また始まりであることであろう。
その後、大阪から北の大地を目指して一路走ってきたトワイライトエクスプレスを
親近感を持って出迎えたワタクシたちは、いそいそとスーパー北斗に乗り込んだ。
次の目的地である洞爺湖を目指す為だ。

終着駅への到着を哀しむことはない。
そう、ワタクシ達の旅はまだ始まったばかりなのだから。
 

ザ・ペニンシュラ東京

2008-01-06 | Travel
Nov.3
THE PENINSULA TOKYO




秋晴れの休日。
混雑するロビーを通り抜けて、たどり着いたザ・ペニンシュラ東京のレセプションデスク。
期待に胸を躍らせつつ、予約の旨を誇らしげに告げるワタクシ。

「はい。本日デラックスパークビュールームを2名様でご予約頂きました○○様で
いらっしゃいますね。」

「3名で予約したはずですが・・・。」

なんだか、とっても怪しい雲行きのやりとりで始まったチェックイン。
挽回をはかって、確認をしてくださったレストランの予約内容も、残念ながら違ったもの。
「申し訳ございません。ただ今、確認いたします。」
颯爽と受話器を手にしたレセプショニストの眉間にスッと皺が寄る。
どうやらヘイフンテラスに繋がらないよう。

「そうなのよ~。予約取る時も電話繋がらなくて大変だったのよ~。」
内心同情を感じつつ、待つこと数分。
痺れを切らした彼は「ただ今、確認して参ります。」2階へ続く階段を颯爽と
駆け上って行った。にこやかなスマイルを浮かべて戻って来た彼の伝達事項が
残念ながらまた違う。額に汗して再び、2階を目指して駆け上がる彼。

「もう~大丈夫 ?!?! 」



オープニングはどこのホテルも大変な騒ぎになると聞いてはいたけれど、
既に開業からは2ヶ月以上経過しているはず。きっと落ち着いてきた頃だろうと
タカを括っていたのですが、見学のゲストでごったがえすロビーを見れば
一目瞭然、現場は想像以上の混乱ぶりを呈しています。



さて、気を取り直してお部屋へのチェックイン。
「はい。本日は3名様ですので、キーを3本ご用意・・・。
確かに3本ご用意しておりましたがなぜか2本しかありません。」

「サプラ~イズ」 ( by ワタクシ達一同、心の中で一斉にセロ化。笑 )

さぁ、さぁ、もう1度気を取り直して、お部屋の紹介を。
皇居外苑のグリーンを眼下に臨む室内は、しぼみかけていた期待を上回る
想像以上の快適空間。54sqmの室内にはゆとりのツインベッドに、2人がけの
ソファー、1人がけのチェイス、ダイニング用のテーブルなど。
館内に留まらず、館外でも利用できるというデュアルホンの設置ほか
ビジネスエグゼクティブの為の設備も怠りありません。



モダンな網代天井や、リビングとバスルームを仕切る杉の1枚板でできた
美しいスライディングドアーなど、和のムードをふんだんに取り入れつつも、
無機質になりがちなZENスタイルとは一線を画した、親密な空気に包まれています。



この日は恒例の女友達とのミーティング。女子3人で利用するには、
バスルームの対面にホワイエを介して設けられた、ドレッシングルームが
非常にありがたい存在でした。趣向がこらされたドレッシングルームは、ウォークイン
クローゼットも兼ねており、他にも、お天気パネルや、ネイルドライヤーなど、
心配りの数々が施されています。バスルームにはマーブルのシンクが対面式に2ヶ所。
シャワーブースには勿論レインシャワー。そして、特に面白かったのは、バスルームの
ライティングシステム。"SPA"という設定を選ぶと途端にライティングがほの暗くなり、
ヒーリングミュージックが流れ出しました。ここまで用意したなら、とびきり贅沢な
バスソルトと、アロマキャンドルも欲しいわ~と調子付くオンナゴコロ。 





たっぷりとしたサイズのすわり心地の良いソファーに腰かけ、備え付けのメーカーで
コーヒーを沸かし、お部屋に届けていただいたスイーツを。
大きく取られた窓の外が次第に藍に染まるまで、時間を忘れてお喋りに興じました。



さて、せっかくのロケーション、お散歩しながら今宵の晩餐の場所を決めましょう。
そぞろ歩いていると暖かい熱気に包まれたビストロを発見。



近づいてみると ブラッスリーオザミ
のギャルソンさんに暖かく迎え入れられ、
しっかりと腰を落ち着けてしまったワタクシタチ。もう少し時間が早ければ、
サダハル・アオキ
や、ラ・メデン・デュ・ショコラ で食後のスイーツを仕込んで
お部屋へ持ち帰ることも可能でしょう。
この選択肢の広さは丸の内や銀座へのアクセスがとびきり便利な
このロケーションならでは。



翌朝は、ルームサービスを選択。
窓外の暖かい光を感じながら、フレッシュジュースでアイオープン。
その後、それぞれの予定にあわせて三々五々に散ったワタクシたちですが、
ワタクシは、レイトチェックアウトの特典をフルに活用して、16時まで
のんびりと寛ぐことに。

途中、ロビーへ降りてアフタヌーンティーを。
「並ぶのは大変そうなので、お部屋で頂きたいのですが。」
コンシェルジュの方に電話で相談すると
「ご宿泊のお客様には優先的にご案内させて頂いておりますので、
どうぞロビーにお越しください。」とのこと。

But , ここでも姉さん事件です。

列をコントロールしているスタッフの方に申し出ると
「あいにく、その様なご案内はしておりません。申し訳ございませんが、
お並びいただけますでしょうか。今後、このような行き違いのないように
十分に気をつけるように致します。」と心よりの謝意をこめて説明を受けました。

誠意は十分に伝わってきましたし、かつ既に2階まで連なる行列の先頭に
いきなり陣取るのも申し訳ない気がしたので了解して、お土産ショッピングに
予定変更。地下1階のブティックでショッピングに興じていると先ほどの
女性スタッフがワタクシを見つけて駆け寄ってきます。

「大変申し訳ございません。私が間違っておりました。
上の者に確認致しましたところ、宿泊ゲストの方には優先的に
ご案内させて頂いているとのこと。すぐにご案内させて頂きますので、
どうぞロビーにお越しください。」息を切らしてそう告げる彼女。
きっと一生懸命ワタクシを探してくださったのでしょう。
ミステイクの挽回って誠意をもって対応すれば、いくらでもできるものなのですね。
彼女の真摯な姿勢になんだか逆に感動すら覚えてしまったワタクシです。



案内されたテーブルに着席すれば、お1人様のワタクシには、リクエストを
入れなくてもすっと数冊の雑誌も届けられました。
こうして生演奏が奏でられるロビーでの優雅なアフタヌーンティーも満喫し、
16時のチェックアウトの時を迎えたのでした。

まぁ、あんな事やこんな事やそんな事など他にもたくさんありましたが、
いよいよ、グランドオープンを迎えたペニンシュラ東京、
ここはご祝儀、ネットでの暴露は控えさせて頂きます。

ナンテ、これはワタクシの個人的な日記。本当に腹立たしいことがあったのなら、
遠慮なく暴露させて頂くところですが、数々のミスオペレーションがあったにも
関わらず、今、心安らかに滞在記をしたためているのは、2階に駆け上がって
くださったり、地下1階まで駆け下りてワタクシを探して下さったスタッフの
誠意と一生懸命さが何よりも心に残ったからではないでしょうか。

きっと、スタッフの皆さんが "Pen" の一員であることの誇りを胸に、これから
大切に大切にこのホテルを育てていくことでしょう。今はまだワタクシも
胸をはって「お勧め ! 」とは断言できませんが、あのお部屋の居心地の良さに、
素晴らしいおもてなしが加わればきっと都内きってのお勧めホテルに進化する
はず。Pen People の今後の発展にたくさんの期待を込めながら・・・。

俵屋の思い出

2007-11-12 | Travel
Aug.12 俵屋8.
俵屋の湯のみコレクションとお土産


宿泊中、1度たりとも同じモノが登場しなかったお茶碗たち。
正に一期一会の出会いです。
連泊すれば再びめぐり合うこともできるのでしょうか ?!
こんな小さな心遣いからもおもてなしの心がほっこりと伝わってきます。
 



そして、旅の思い出にと我が家にやってきたお土産たち。
唐長のカードと珊瑚タンブラー、それに梅の姿形が愛らしい箸置きを。



投宿前から購入を決めていた珊瑚タンブラーは、くずきりを盛ってお茶時に。
冬瓜の冷やし煮を盛り付けて夜の食卓にも。ちょっとしたおかずが途端に、
旅館テイストに格上げされる優れモノ
今回は2脚のみ購入しましたが、いつか京都に出向いた時には追加で
購入すること必至なアイテムです。



ギャラリー遊形のお向かえには、サロンドテもオープンしたようですね。
お茶とお菓子を頂けば軽く2000円超えという噂を聞きますが、それでもやはり、
訪れてみたい旅人心。本当に罪作りなお宿です

さて、1泊2日にも関わらず、ダラダラと1ヶ月も続いてしまった俵屋レポも
これでようやくおしまいです。一緒に旅に想いを馳せてくださった皆様、
どうもありがとうございました