こすた みあ Diary

旅の思い出、日々の記憶・・・

ショップクルーズ

2007-05-31 | Spain
Mar.12.2007
DAY-4
ショップクルーズ


3泊5日の弾丸ツアーもいよいよ最終日。
バルセロナの地を離れるタイムリミットは16:05。残された時間は、
最後のお楽しみにとっておいたショッピングタイムにあてることに。

ダイレクトブッキングの特典として提供されたホテルのブッフェで
気もそぞろに朝食を済ませ、珠玉のショッピングゾーン、
グラシア通りへと繰り出します。



まずは、早朝から入場を待つ人々が列をなすカサ・ミラを通り過ぎ、
お隣のインテリア & 雑貨ショップ VINCON
へ。
カラフルな雑貨や、家電、キッチンアイテムをぶらぶらと見て廻ります。
中でもワタクシの目を釘付けにしたのが、クラシコ仕様のフットボールゲーム。
バルサ vs マドリッドのユニフォームに身を包んだプレイヤー仕様のものが
展示されていましたが、壁に目をやるとカタルーニャダービー仕様
( バルサ vs エスパニョール ) のプレイヤー達も展示されているという
念の入りよう。お国柄、土地柄がしのばれるラインナップです。



そして「そんなの買ってどうするの ?! 」オットから釘を刺されてワタクシが
陳列棚に戻したのがコレ。整然と並べられたビバンダム君。
ミシュランガイドブックに腰掛け、軍隊のように隊列を作った姿が
妙に可愛くてついつい手にとってしまったものの、確かに買って帰っても
置くところもないし・・・。
というわけでビバンダム君にお別れを告げてVINCONを後にしました。

さぁ、お次は通りを渡って向かい側のラインを攻めましょう。
ZARA
MANGO と一通りショップを巡ったワタクシ、気が着けば
手にはZARAの紙袋が。そしてバトリョ邸を通り過ぎ、ムンタネールの手による、
優美な建築物リエオ・モレラ邸1階に位置する LOEWE
へ突撃。
表敬訪問のつもりでしたが、スタッフのお姉さんの「それは貴女にとっても
似合ってる。それはあんまり似合わないわね。私、そのシリーズはあまり
好きじゃないわ。」歯に衣着せぬ物言いになぜだか意気投合し、気が着けば
お姉さんと一緒に免税手続き中のワタクシがいました。破産です

とどめに天才シェフ、フェラン・アドリア氏の弟君で同じくエル・ブリ出身の
アルベルト・アドリア氏プロデュースのショコラショップ カカオ・サンパカ
へ。
極上のカカオの香りに包まれながら日本未上陸のショコラを買い込み、
ショッピングタイムは幕切れとなりました。



"グラシアス" "アデュー"
クールなホテリエたちに見送られながらリモワをコロコロと転がしタクシーへ。
こうして、ほんの3日前に意気揚々とゲートを潜ったエル・プラッツ空港から
再び機上の人となりました。



わずか3泊5日でバルセロナを駆け抜けたエル・クラシコツアー。
街・フットボール・食・アート、全てをひっくるめて、ワタクシがいかに
この街を愛しているかということをヒシヒシと再確認させられた
かけがえのない旅となりました。やり残したことはまだまだたくさん。
近いうちに再訪できることを祈りつつ。
Moltes Gracies !!

オマケ  
ヨーロッパ3都市周遊 (だから違う・・・ ) お土産リスト

【From パリ 往路トランジット CDGにて購入】

①ロクシタングッズあれこれ。
②南仏のテーブルクロス。

【From バルセロナ】

①トラ応援用シルクチュニック by ZARA
②カカオ・サンパカショコラ各種
③チョリソー & ハモンイベリコベジョータ

【From ミラン 帰路トランジット MXPにて購入】

①フェラーリグッズ
②乾燥ポルチーニ & プロシュートパルマ & ジェノベーゼソース by PECK

【From JL418便】まだ買うか・・・

幻 ( なんですか?! ) の芋焼酎「森伊蔵」


バルホッピング

2007-05-13 | Spain
Mar.11.2007
DAY-3 Part 4.
バルホッピング


さて、アートを堪能したところで小腹が減って参りました。
ゴシック地区は珠玉のバルの宝庫。日曜日でも営業時間を気にせずに
楽しむことができます。そうと決まれば早速バルホッピングへと繰り出しましょう。



ピカソ美術館からサンタ・マリア・ダル・マル教会に向かう路地には
El Xampanyet (エル・シャンパニェット) という有名店が。世界中のガイドブックに
掲載されていると言われるその店は、シーズンオフでも多国籍軍で立錐の余地も
ないほどの盛況ぶり。これは凄い。ひとまず通り過ぎて大聖堂を臨む広場に面した
La Vinya del Senyor (ラ・ビィーニャ・デル・セニョール) へ。



うららかな日曜日の昼下がり。大聖堂を見上げる広間でカフェを飲みながらお喋りに
興じる地元の人々。足元にはつぶらな瞳をした飼い犬も眠たそうに寝そべっています。
ゆっくりと流れる穏やかな時間。ワタクシたちもカヴァとオリーブをオーダーして
緩やかに流れる時間に加わりました。



アペリティフで胃袋を刺激した後は、ホセシェフお勧めのバル El Rovell del Born
へ。



モダンなデザインのカウンターには、たくさんの美しいピンチョスが整然と
並べられ食欲を刺激します。カウンターが満席だった為、テーブル席へ。
どのお皿も美しく、美味しく、バルホッピングは方向転換してここで満足するまで
食べ続けることに。メニューを見ながら次々と頼むとスペイン人のウェイターさんに
「頼みすぎよ」と笑われたけれど見事完食。




いっぱいになった胃袋に鞭打って、仕上げにもう1件ホセシェフから
教えてもらったパティスリーショップ bubo
(ブボ) へと向かいます。



ショップ内にもイーティングスペースは設けられていましたが、さすがに今は
お腹がいっぱい。あれこれ買い込んでホテルに持ち帰ることに致しましょう。



カラフルなラッピングのスイーツを抱え、ちょうど夕方の参詣が始まった
サンタ・マリア・ダル・マル教会で壮大な空間にしばし、身を置きます。



カタルーニャゴシック様式の大聖堂はシンプルでいて優美。航海に出る人々が
海の安全を祈って建立したと言われる大聖堂。壮麗な石柱には、人々の祈りが
染み付いているよう。ブルーのステンドグラスが一際美しい光を回廊に
投げかけていました。クリスチャンではありませんがコインを支払い祈りの
キャンドルを1本購入。壁窟の1つにカンプノウのチャーチにも祀られている
黒いマリア像を発見したからです。バルサの優勝を祈願して祈りの光を灯し、
再びタクシーでホテルへと帰宅致しました。



ピカソ美術館

2007-05-12 | Spain
Mar.11.2007
DAY-3 Part 3.
Museu Picasso


Prestige Paseo de Gracia で室内を彩るデザイン家電の数々に
一通り心をときめかした後は、タクシーを駆ってゴシック地区へ。
せっかく大好きなグラシア通りに移動したばかりなのになぜ ?!
なぜならこの日は日曜日。グラシア通りのブティックやレストランは、
そのほとんどが、安息日を守ってCLOSEしているからです。



中世の街並みが残る迷路のようなゴシック地区もたくさんの魅力に
溢れたバルセロナ観光のハイライトの1つ。まずは、前回訪れることの
できなかったピカソ美術館へ。ハイシーズンには1時間待ちという噂の
美術館もシーズンオフのこの時期は待ち時間なしで入場することが
できました。

友人の自殺というショッキングな事件に遭遇し、青色の色調で
人間の苦悩を描きだした「青の時代」の間を通り過ぎ、次に
向かった広間。ワタクシがガイドブックを頼りに「ここの広間の
テーマはこれで『○○の時代』」という説明をしていた先手を打って、
作品を眺めていたオットが腕組みをしながらしかめ面しく威厳を
保って言い放ちました。「この広間は『エロの時代』だね」 ってオイ
確かに見渡せば、絡み合う男女のエロティックな素描が数多く
展示されてはいましたが・・・ 

数々の展示作品の中でも、ワタクシが特に面白かったのは、
ベラスケスの「ラス・メニナス」にインスパイアされた作品。
ピカソ流模写 ?! といった風情のこの作品。当のピカソは大真面目に
取り組んだ作品なのかもしれませんが、キュビズムで描かれた
王女マルガリータは、なぜか風刺がかって見えました。



1時間ほどのんびりとピカソの作品を鑑賞し、後にしたこちらの美術館。
「ピカソ」と言われてまず思い描く、いわゆるキュビズム的な作品はあまり
多くは展示されていません。代表作の「ゲルニカ」もこちらではなく、
マドリッドの美術館に展示されているそう。どちらかと言うと無名時代や
晩年時代の作品が多いコチラ。ピカソのキュビズムをお目当てに訪れると
やや物足りない感があるかもしれません。ただし、15世紀の貴族の館を
改築した美術館は建築的にも見所満載。中庭を囲む回廊に設置された
階段を登って入場するあたりも雰囲気たっぷり。いくつかの館を統合している為、
展示スペースと展示スペースの間には、それぞれ趣向の異なる美しい広間などが
出現し、豪奢な設えに当時の貴族の豪勢な生活ぶりを垣間見ることができました。

Prestige Paseo de Gracia

2007-04-21 | Spain
Mar.11.2007
DAY-3 Part 2.
Prestige Paseo de Gracia


"ムイ・ペケーニョ !! "
( ホラ、あんなにちっちゃいよ !! 知らないわけだ !! )
ハンドルに顎を乗せながら窓外の建物を凝視していたタクシーの
ドライバーさんが、大笑いしながら指差した。
Prestige Paseo de Gracia

最後の1泊はロケーションを重視して大好きなグラシア通りに移動することに。

「バトリョ邸のすぐ近くなのだけど・・・。」
一応、4ツ星ホテルだったので地図など持たずにホテル名を告げて
颯爽と乗り込んだタクシーのオジ様は「ん ?! 知らないな~。」と困り顔。
一生懸命探して、やっと見つけたホテルは狭い間口に重厚なシルバーの扉を持つ、
本当に小さな入り口のブティックホテル。門前には、ヤル気のない風情のボーイが
腕を組んで佇んでいる。( コラ ! )



実はコチラ、2年前にグラシア通りに滞在した際「う~ん、なんだかとっても
オシャレそう。この扉の向こうには一体どんな世界が広がっているのかしら ? 」と、
ワタクシの好奇心をかきたてたホテル。ウロ覚えに記憶していたホテル名を検索し、
辿り着いた評価では、ファッショニスタ達からは「バルセロナでNO.1」との好評価を
受けるラグジュアリーブティックホテルという触れ込み。
今回は秘密の扉を開きいざ潜入 !!

" Hola ! "英語は堪能とは言えないけれど、スタイリッシュなユニフォームに
身を包んだフレンドリーなスタッフたちが暖かく迎え入れてくれる。



高い天井をもつフロントには、翼をもった電球が飛び回るラブリーなシャンデリア。
お部屋ごとに設置された "禅 Style " ( ? ) のガーデンは、今の季節は残念ながら、
少し寒くて使い物にならなかったけれど、ミニマルでスタイリッシュな室内は、
ダークな木目の色調が活かされ、賑やかな表通りの賑わいから隔絶された静穏を
ワタクシ達にもたらしてくれた。



Jacob Jensen の電話に、Bang & Olufsen のTV ( リモコンのデザインが秀逸 ! )
部屋を彩るスタイリッシュなザデイン家電の数々はトキメキいっぱい。
( TVに写っているのは、スポーツニュースでひっぱりだこだったメッシです。 )



But...デザイン優先のバスルームは、見栄えが悪くなるシャワーカーテンなどは
勿論付属されていなく・・・。上階の水周りの音なども大変良く聞こえ・・・。





というわけで、お部屋の機能性はイマヒトツでしたが、フリーの朝食ブッフェは、
パンコントマテにハモンがはさまれたサンドイッチなどとても美味しく品数も豊富で
大満足。更に "Ask Me" Service と名づけられた観光案内のエキスパートの若い
スタッフ達は英語も堪能でとてもフレンドリー。ブティックホテルらしくバルセロナで
現在もっともクールなシーンなどについても聞けば喜んで教えてくれるという。



ワタクシも物は試し・・・とばかりに出発前にEメールで質問事項をぶつけてみたが、
迅速に的確な返答がかえってきて感動する。これらのサービスに加え、ショッピングに
アート、バルホッピングに・・・と街歩きでは、この上ない贅沢なロケーションを考えれば、
ファッショニスタ達からの好評価も納得だ。(機能性重視の方にはお勧め致しませんが・・・。笑)

ショートステイであれば、また利用したいホテルです。


カンプノウで朝食を

2007-04-19 | Spain
マニアック再び・・・

Mar.11.2007
DAY-3 Part 1.
カンプノウで朝食を -メッシとワタクシ-


昨夜はTVで繰り返し流されるクラシコの映像を眺めているうちに
知らぬ間に眠ってしまった。ただ、こちらは放映権の問題からか
「それではバルサの3点目のシーンをご覧ください」と言ってみたところで、
メッシが鮮やかに左足を振りぬくシーンが放映されるわけではない。

スタジアムの外で待ち構えているカメラマンが諦めて引き上げてくる
サポーター達を映し出す・・・そこへスタジアム内からとどろく歓声。
猛ダッシュでスタジアムの中に駆け戻って行くサポーターの後ろ姿。
そんな映像が繰り返し繰り返し流されていた

さて、本日は合宿用ホテルからグラシア通りへ面したブティックホテルへと
移動する。チェックアウト前にもう1度聖地へと朝のお散歩。
敷地内のカフェでクロワッサンとカフェオレを頂きながら
昨夜の模様を伝える新聞を広げて余韻に浸る。



主審がホイッスルを高々と吹き上げた瞬間。
あの瞬間には何よりもまず悔しさが先にたった。
絶対に勝てる試合だったのにっっ!!!
しかし一夜明け、時間がたてばたつほど、その悔しさは、何にも変えがたい
すばらしい歴史を見届けたことへの喜びへと変わっていった。
そう。メッシのハットトリックだ。



ここからはマニアックな上にライトな自慢まで入るのだが、
メッシとワタクシの相思相愛ぶりを少し・・・笑。

メッシを初めて生で観戦したのは04/05シーズンのアジアツアー。
2004年8月4日の出来事。国立競技場で鹿島アントラーズを相手に
こじあけたゴールが、彼自身のトップチーム初ゴールであった。
メッシの歴史が始まった瞬間である。



そして、ワタクシが初めて聖地カンプノウに降り立った忘れもしない
2005年4月30日。優勝へのファイナルカウントダウンという重苦しい
試合展開の中、途中出場したあどけない表情の少年は、ロニーから受けた
パスを華麗にトラットプし、プレッシャーをものともしないループシュートを
アルバセテゴールに叩き込んだのだ。彼自身リーガエスパニョーラ初ゴールとなる
この得点は、クラブ史上最少年ゴールの記録を塗り替える歴史的なものとなった。

そして、今回のハットトリック。
クラシコでのハットトリックはロマーリオ以来なんと15年ぶりだと言われている。

いつもいつもありがとうメッシ

そんな感慨に浸っていると、隣で同じく新聞を広げながらコーヒーを飲んでいた
兄さんがパンを口に加えたまま猛烈にダッシュを開始した。
何何何???

兄さんが走り去って行った方向を見つめると、パーキングへの入り口付近に
突然係員が登場し、人の通行を遮る為か、ポールを立て始めた。

もしや?!



ワタクシも手にしていたクロワッサンを慌てて飲みこみ、兄さんの走った方向へ。
間髪おかずにワラワラと集まってきたサポーターから歓声があがり、
ビクトル・バルデスが運転する車が滑り込んできた。

そう。プレイヤー達がトレーニングの為にカンプノウにご出勤してきたのである。

次々と高級カーで乗り付けてくる選手たち。
中でも、昨夜のヒーロー、メッシの出勤時には「ブラボー!!」の大歓声があがる。
助手席で照れたように片手をあげて歓声に応えるメッシ。

他の選手たちに遅れること数分、ハマーで乗りつけたロニーは迷彩柄のTシャツに
ジャラジャラとアクセサリーをつけて音楽を聞きながら助手席でふんぞり返っている。



エトーはファミリーデーのサービスか自分のファミリーを連れてご出勤。
他にもシャビとシウビーニョの渋滞など、マニア的には嬉しい光景を見届け、
名残を惜しみながらカンプノウを後にした。

カンプノウ。情熱と感動に支配されたスタジアム。
また、必ずこの聖地に戻ってこられますように。


El Clasico

2007-04-09 | Spain
さぁ、ここからはマニアック全開ですよ~。興味のない方はどうぞスルーしてくださいね

Mar.10.2007
DAY-2 Part 4.
El Clasico 決戦


坂道をずんずん下った先にそのスタジアムはある。
FCバルセロナが本拠地として有するカンプ・ノウスタジアム。
98000人の収容規模を誇る欧州最大のスタジアムだ。

決戦を目前に控え、スタジアムは人々の興奮を飲み込み暗闇の中に
黒々と聳え立つ。そして、明々と灯された照明は、選手たちが
躍動するであろうピッチを煌々と照らし出していた。



腹が減っては戦は出来ぬ。
まずはカンプ・ノウ食堂 ( ?! ) にて巨大ホットドッグを購入し腹ごしらえ。
指定されたシートに到着すると、シート脇にブルーのパネルが
差し込まれている。よし。これだな !!



まずは、けたたましい指笛に迎えられながらマドリッドの選手が
ピッチ上へ現れる。そして、待ちに待った瞬間。
バルサのチームソングであるイムノが場内に響き渡り、スタンドを
埋め尽くした9万人を越えるサポーターが一斉にパネルを頭上に掲げる。
巨大スタジアムに浮かび上がった文字はBARCA ! そして、エスクード !!!




自分たちが作り出した人文字に歓喜の声をあげながらサポーター全員で
イムノを高々と歌い上げ、バルサのイレブンをピッチ上に迎え入れる。
さぁ、戦いの火蓋は切って落とされた !!



前半立ち上がり4分。試合が落ち着く間もなく、テュラムがバランスを崩し、
あっという間にファン・ニステルローイに先制ゴールを決められる。
まさか・・・。いや、まだまだこれから。大丈夫。大丈夫。
この日のバルサは前線に REM ( ロナウジーニョ・エトー・メッシ ) を揃え、
破壊力満点。リードを奪われた時間もそう長くは続かない。
先制を許した6分後には、エトーがディフェンダーを交わし、メッシにパス。
これをメッシが冷静に決め、あっという間に1-1に持ち込んだ !
よし、エトーもメッシもキレがいい。これならいける !!

そう思ったわずか2分後。今度はPKを奪われ、再びファン・ニステルローイに
ゴールを許す。しかし、28分、ロニー、エトーと繋がった華麗なワンツーから
ロナウジーニョが放ったシュートのこぼれ球を素早く拾ったメッシ。
強烈なボレーシュートをゴール隅に叩き込んだ !! 2-2 !!

わずか28分で4ゴール。まさに The ザル・ディフェンス !!
試合はノーガードの殴り合いの様相を呈してきた。
( いや、両GKは頑張っては、いたんですけれどね・・・笑 )

それにしても、エトー、メッシの加速は尋常ではない。ものすごいスピードで
サイドを駆け上がり相手ゴールに迫っていく。そこにロナウジーニョのひらめきが
加わり、圧倒的な勢いでバルサが攻める。しかし、前半終了間際にオレゲールが
痛恨のミス。この日2枚目のカードをもらい退場。バルサは残り45分間を1人少ない
人数で闘うことを余儀なくされてしまった。この辺りからなんとなくスタジアム全体が
不穏な空気に包まれ始める。どうも今日の審判団の判定はことごとくマドリより
なのである。ここはカンプ・ノウスタジアム。ホームアドバンテージという言葉を
知らないのか ?! 気のせいであれば良いのだが・・・。

いやな予感は後半に入り現実となる。
数的優位をいかしたマドリッドが一方的に攻め続ける。
ワタクシが陣取るゴール側に、なかなかバルサ戦士たちはやってこない。
こうして、72分。セルヒオ・ラモスのヘディングが好セーブを連発していた
ビクトル・バルデスに襲い掛かる。反対側のゴール隅で白いユニフォームが
折り重なって喜びを爆発させている。静まり返るスタジアム。

残された時間はたったの18分。しかも、こちら側は1人少ない。
更に本日の審判団は、ことごとくバルサのファウルに笛を鳴らし、マドリの
ファウルに対しては寛大な措置を取る。これでは、立てる術もない・・・。
ジリジリと時間だけが流れていく。ついに90分のフルタイム。
残されたロスタイムはたったの4分。

この頃になるとワタクシには、もう立ち上がる気力さえ残っていない。
大金を積んで、わざわざ日本からバルサが叩きのめされる場面を
見届けに来たのか ?! いや、でもそれがフットボールというもの。
相手に負けるのならまだ仕方がない。しかし、どう考えても今日の敵は審判団・・・。
( TVで冷静に観戦していた方々によれば、ホームアドバンテージこそなかったものの、
それほど酷い判定ではなかったそうです。ただ、スタジアムで生死を共にする覚悟で、
観戦していたサポーター達にとっては、それはそれは、不当な判定の連続だったのです。 )

ロスタイムに入り、誰もが覚悟を決めかける。
周りのソシオ達はものすごい勢いで毒づきながら立ち上がり、スタジアムを去り始める。
しかし、その時だった。ワタクシの陣取るゴール側にもの凄いスピードでバルサイレブン
( いや、1人少ない ) が攻め込んできた。ロナウジーニョが前線で張るグジョンセンに
向けて放ったように見えたパスをトップギアで駆け込んできたメッシが見事な
トラップで奪い去り、味方も呆気に取られる中、ディフェンダーを置き去りにする。
カシージャスに反応する隙も与えず振りぬいた左足。

ゴラッソーーーー !!!!!

歓喜に沸き返るスタジアム。ユニフォームに刻印された胸元のエスクードにキスをし
喜びを爆発させるメッシ。メーッシ ! メーッシ !! メーッシ !!! 正に神の子レオ・メッシ !!!!
神を仰ぐ仕草で両手を前に突き動かし、カンプ・ノウじゅうにメッシコールが響き渡った。
その時、ワタクシの目からは知らぬ間にボロボロと涙がこぼれ落ちていた。
凄い。凄すぎる。メッシ !!! クラシコでハットトリック達成だ !!

完全に勢いをそがれたマドリッドを前にバルサは最後の攻めに転じる。
ゴールエリア内でロニーが倒された !!
前半PKを奪われたグティへのファウルとほぼ同じ。よしPK !!
誰もがそう思ったが、この日の敵はマドリッドにあらず。
主審は早く立ち上がるようにロニーに指示し、そのままタイムアップの時を迎える。
メッシのハットトリックによりドローに持ち込んだ喜びも束の間、またしても
審判が厚い壁となって立ちはだかってしまった。

ピッチを去るバルサ戦士たちに対する大歓声と、引き上げる審判団に対する
ものすごいブーイングに包まれるカンプノウ・スタジアム。
サポーターは、抗議を意味する白いハンカチを振り回し「フエラ !! フエラ !! 」
( 出て行け )の大合唱。

こうして、失望と狂喜と落胆に包まれた奇妙なクラシコは幕を閉じた。
ウラゲがPKなら、ディアラもPKでしたよ ?!


( バルサのサイトから頂いたメッシのパフォーマンス姿 )

2007年3月10日 リーガエスパニョーラ第26節。
FCバルセロナ vs レアル・マドリッド <3-3 >
ドローによる勝ち点1ポイントを獲得。
翌日、格下のタラゴナに敗れたセビージャから首位を奪還する意味でも
メッシによってもたらされたこの勝ち点は非常に重要な意味を持つ1ポイントとなった。


決戦前

2007-04-07 | Spain
Mar.10.2007
DAY-2 Part 3.
ガウディ散歩 と 戦士出陣


マダムのお見送りを受けながら Neichel を後にし、午後の陽射しの中を
ぶらぶらとお散歩。観光客があまり足を運ぶことのないこちらの住宅街の
エリアにも、実はガウディが残した遺産があちらこちらに散在し、
街に彩りを添えている。

グエル別邸。



ガウディのパトロンであったグエル卿が週末に暮らした邸宅。
こちらの別邸の正門は「ドラゴンの門」と呼ばれる。力強く吠えるドラゴンの
姿に「ガオーッッ」と吠えながら記念撮影をするツーリストの姿も。



ミラーリェス邸の石門。
優美な曲線を描く門扉はレンガを破石で被覆したガウディらしいスタイル。
弟子の手による邸宅は既に現存しておらず、ガウディ製作の門扉は、
今では現代風のマンションのゲートとしてその役割を担っている。
街に暮らす人々も特に気にとめる風もなく、そのゲートの下をくぐっていく。
実際このゲートのすぐ向かえで6年近く暮らしていた我がオットも、
幼かったせいもあってか「へ~。ガウディだったんだ。」という感想。
今では、その出自を語る為か、ゲートの下にはガウディの銅像が佇み
街行く人々を見守っている。



そこから坂道を下り"BOTIGA"と呼ばれるカンプノウ敷地内のグッズショップへ。
帽子やマフラー、ユニフォームを買い込み今宵の決戦に備える人々。
熱気に圧倒されつつも、負けじとグッズを買い漁る。バルサの紋章がプリントされた
袋を誇らしげに両手に抱え、ホテルに帰還。いよいよ3時間後に迫った決戦に
向け、鋭気を養うため、しばし休息。



決戦に備え、防寒服を着込んでいるとなんだか外が騒々しい。
窓にかけより眼下に目をやると大変な騒ぎになっている。バルサ戦士を
迎えに来たバスをサポーターが何重にも取り囲み、まだ誰も乗込んで
いないバスに向かって、ひたすら応援歌を歌い続けているのだ
楽しくなってワタクシもしばし参戦。中には"ANTI MADRIDISTA"のマフラーを
誇らしげに掲げ、バスと記念撮影をするサポーターの姿も。
かっこいいよ。あんちゃん !! 笑



こうして、たくさんの声援とフラッシュと、行きかう車のクラクションに
見送られながら戦士たちは出発していきました。
さぁ、ワタクシたちもいよいよ出陣です

Neichel

2007-04-04 | Spain
Mar.10.2007
DAY-2 Part 2. Neichel
バルサ戦士ニアミス そして ミシュラン1ツ星の名店でランチ


ガウディの世界をたっぷりと堪能した後は、ミシュラン1ツ星の名店でランチ。
バルセロナの午後の一時を、メディテリニアン・キュイジーヌでお楽しみください。

というわけで、ホテルに戻りほんの少しだけドレスアップ。
着替えをすませエントランスホールに降り立つと、突如、バルサグッズに
身を固めたサポーターの大軍団が暗躍中。大人も子供も全員を巻き込んだ
大騒動の中心には、昨年の欧州チャンピオンズリーグで値千金の決勝弾を
叩き込んだベレッチ選手の姿がありました。その他の選手たちもちょうど
エレベーターに乗り込んだ模様。( ワタクシが滞在していた部活動専用ホテルは、
バルサの選手が試合前のミーティングに用いることでも有名なのです。)
ホテルの外では、たくさんのTVカメラも待ち構え、レポーターが何やら熱心に
カメラに向かってまくしたてています。
試合開始までまだ8時間もあるというのにこの盛り上がりよう。

「 クラシコは戦争だ !! 」

今夜の戦闘に向けて一挙にボルテージが上がった瞬間です。

 




  さぁ、約束の時間です。
  レストランへと向かいましょう。
  Neichel ( ネイシェル )





今や世界に、その名を轟かせる「エル・ブリ」の一時代を築いたフランス人シェフ、
ジャン・ルイ・ネイシェル氏によるその店は、バルセロナの高級住宅街の一角に、
明るい陽射しに包まれたダイニングを構えています。



本日、頂いたメニューは、25周年のアニバーサリーコース。
"Tasting Flavour and Aroma Club Menu"
カヴァを注文すると海草を練りこんだチップスや、マドレーヌのピンチョスなどが
テーブルにズラッとご登場。どんな味がするのかしら?!
1つ1つワクワクしながら楽しんでいると、いよいよコースが始まりました。



フォアグラのフランやサーモンのマリネが用いられた一口サイズの3種の
アペタイザーの後には、メルバトーストが添えられたフォアグラのテリーヌ、
ロブスターのタルタル、ホタテのマリナード、アーティーチョークや新鮮な
ハーブのサラダがふんだんに盛り込まれた絵画のように美しい一皿が
続きます。



キジ肉のラビオリに、たっぷりのトリュフソースがかけられた一皿、
小型のグラスに注がれたセージジュースを絡めていただくお魚のソテー、
リンゴのコンポートや、モルシーリャ ( 豚の血の腸詰 ) が添えられた、
カリッと焼かれたセゴビア産仔豚のコンフィ。

"Flavour & Aroma "というだけに、こちらのお料理は、どのお皿も薫り高く、
料理のあちらこちらにお店のトレードマークでもあるオリーブの小枝や
ハーブが添えられ、目にも香りにも楽しませてくれます。
素材の味をシンプルに引き立てながらも、美しく盛り付けられたソースの
お味はとても繊細で、美味しさの波が幾重にも重なって押し寄せてくる
幸福なお皿が次々とサーブされます。



お楽しみのチーズワゴンに続いては、プレデザート。
更に大人も子供もパッと顔を輝かせるデザートワゴンが続きます。
カラフルでキュートなデザートの中から、ティラミス、シトラスのババロア、
ベリータルトを少しずつ。



ダイニングの窓の外には、小さいスペースながらも、オリーブなどのグリーンが
植えこまれ、地中海らしい雰囲気を醸し出しています。あちらこちらに設置された
鳥かごに出入りする可愛らしい小鳥たち。窓際には年代もののミシュランガイドブック
がうず高く積まれ、エントランスの天井からは、なぜかたくさんのスプーンが
ぶら下がっていてとてもキュート。



訪れるゲスト達は、ランチの時間帯であることもあり、それぞれカジュアルに
ドレスアップ。ただ、1卓だけ、紳士たちはタイにジャケット、ご婦人方は洒落た
ワンピースでビシッとドレスアップしていたのは、70代ぐらいのお爺ちゃんと
お婆ちゃんのグループ。きちんとおめかしして、お食事とお酒とお喋りを
ゆっくりゆっくりと楽しむ姿からは、丁寧に素敵な人生を歩んできた様子が
垣間見られて、なんだかとっても羨ましく輝いてみえました。

スペインらしく、14時からの遅めのランチでしたが、プチフールまで
たっぷりと3時間。地中海のアロマを心行くまで堪能致しました。

"Neichel" 美味しいものをたくさん知っているバルセロナの人々から
25年間、変わることなく愛され続けてきたレストラン。
Le'studi
のホセシェフも 「クラシックだけれど、とても美味しい。」 と
お勧めのレストランです。


コロニア・グエル

2007-04-01 | Spain
Mar.10.2007
DAY-2 Part 1. Colonia Guell
コロニア・グエル教会堂

朝、目覚めて1番のお仕事。それは、カーテンを開くこと。
青空チェック ?! いえいえ。
聖地カンプ・ノウに向かって二礼二拍手一礼する儀式の為です。笑



青空も良し !!
バルセロナらしく、高く気持ちの良い青色が空いっぱいに広がっている。
本日の戦闘開始時刻は 22:00 。
( この目茶苦茶な開始時刻がスペインらしくて愛しい。)
エキサイティングな試合開始までたっぷりと1日遊べるはず。
まずは、2年前にどうしても時間が取れずに訪れることができなかった、
コロニア・グエル教会堂へ。



コロニア・グエル教会堂

 
ガウディの最高傑作との呼び名も高い、地下聖堂のみの未完成の教会堂。
エスパニョール広場からRENFEと呼ばれる国鉄に乗りこみ、ガタゴトと20分ばかり。
ガウディのパトロンであったグエル卿が開いたコロニーへと到着です。
目指す場所は、鉄道駅より約10分ほど歩くのですが「地図の読めない女」な
方向音痴の貴女でも、大丈夫。



駅前からペタペタと続く青いペンキの足跡を辿っていけば、コロニー見学の
総合インフォメーションへと辿り着くという茶目っ気たっぷりな仕掛けが
待ち構えています。更にワタクシタチの道中は、どこからともなく現れた
可愛いワンコがプラタナスの並木道まで道案内をかって出てくれました。



インフォメーションで4ユーロを支払い、教会堂へ。
そこは、ガウディの世界をあますことなく散りばめた可愛らしい教会堂。



緩やかに有機的な曲線を描く天井、暖かい色彩のステンドグラス、大樹の枝のように
伸びやかに、そして力強く天井を支える玄武岩の石柱。
まるで童話の世界に迷い込んでしまったようなガウディ・ワールド。 



なんの知識も持たずに訪れても、その溢れる温もりにたっぷりと癒されますが、
そこはやはりガウディのこと。建築学的に見ても「逆さ吊り実験」と呼ばれる
緻密な検証により設計された非常に価値のある教会堂とのこと。
ここでの実験が、あの有名すぎる世界遺産、サクラダ・ファミリアの礎になった
とも言われています。そして、こちらの教会堂自体も、勿論、世界遺産に登録
されているのです。



祈りを捧げる信者たちの為に用意された可愛らしいチェアー。
チェーンを引っ張るとまるで蝶々が羽を広げたように開閉する花模様の
ステンドグラス。静に、そこに座っているだけで、ただただ満足して、癒されて
しまうとても素敵な空間でした。次回訪れる際は、是非この暖かな空間で
開催されるミサにも参加してみたい・・・そんな敬虔な気持ちを、少しだけ
抱いてしまった異教徒のワタクシです。


El Clasico Tour

2007-03-31 | Spain
Mar.9.2007
DAY-1 情熱と感動のスペクタクルへ


「移籍の噂話も色々と聞くし、今年でドリームチームのメンバーは、
きっと見納めだよな~。」 ブツブツブツ・・・。

怪我による長期戦線離脱から、Wクラック、メッシ & エトー の復帰が
漸く囁かれ始めた2月初旬、聞こえよがしな独り言をオットがつぶやき始める。

なんですか ? バルセロナに行きたいってことですか ? そうですか。
どうせ行くならクラシコが見たい ?! はぁ、そうですか。
だけどお休みは取りにくいから2泊4日か3泊5日で ?!
はぁ~ ?! 出張か何かのお話しですか ?!?!

こうして、ワタクシたちの修行は始まった・・・

というわけで、クラシコ ( リーガ・エスパニョーラ伝統の一戦 ) 、
FCバルセロナ vs レアル・マドリッド in カンプ・ノウ ( バルサのホームスタジアム )
観戦に急遽、参戦することに。一応、問合せをかけてはみたものの、やはり、
ツアーは最低でも4泊6日。( 当たり前です。せっかくバルセロナまで行くのですから・・・。 )
というわけで、迫り来る時間に追われながら、やむなく自己手配をすることに。
観戦チケット、航空券、ホテル、全ての手配が整ったのは、なんと渡航1週間前。



更に、旅立ちの3日前にバルサが、2日前にマドリッドが、それぞれ
欧州チャンピオンズリーグに敗退するという苦々しいお膳立て着き。
さぁ、舞台は整った ?!
いざ、欧州負け組み対決へ !!

こうして「あ~もうすぐバルセロナに行けるのねぇ・・・ 」という、
実感も感慨も抱く余裕を持てないまま、エル・プラット空港のミロの壁画とご対面。
" Hola ! " 黄色と黒のミツバチカラーに塗り分けられたタクシーへと滑り込む。
PM 21:00 2005年もお世話になった、バルサ応援部活動専用ホテルへチェックイン。



夜が遅いバルセロナのこと。こんな時間でも晩御飯をくいっぱぐれる心配は全く
必要ありません。早速、シーフードが美味しいと評判のマリーナ地区まで
タクシーを飛ばし、パン・コン・トマテにオリーブ、たっぷりのハモンと観光客しか
飲まないという ( ?! ) サングリア、パエージャに、クレマカタラナで前夜祭を決め込み、
夜明けを待ちきれない子供のような興奮を抱えながら、ベッドへと潜りこんだ。