こすた みあ Diary

旅の思い出、日々の記憶・・・

京都

2004-07-10 | Travel
大人の女の修学旅行

大学時代の友人達と京都へ。
お互い何度も訪ねたことのある日本の古都。
何か変わったことをしてみようということになり、せっかくなのでお着物で散策することに。
京の着物屋 四君子
にて集合。
 
こちらのお店、観光客目当てのそれではなく、本業は正真正銘の着物屋さん。
「着物の普及のために」とレンタルも手がけることになったそう。
肌着と足袋さえ準備すれば、わずか6300円で、小物まで含めた正絹のお着物一式
レンタル、着付けまでして頂けるのだから有り難い。
(肌着・足袋はその場で購入することも可能。)

町屋作りの外観と、本業が着物屋であるという点に惹かれ、数あるレンタル着物店
の中から決定したのだが、行ってみると立地も非常に素晴らしかった。
四条通。そう鉾町だったのである。折りしもこの日は祇園祭の鉾建ての日。
着物屋さんを探してウロウロしているとあちらこちらで鉾の組み立てが始まった。


着付けも終わり、名だたる老舗旅館、俵屋、柊屋を冷やかし、錦市場などを散策しつつ、
本日のお食事処、懐石・宿 「近又」
へ。
町屋作りの風格ある佇まいは、老舗であるという誇りを雄弁に物語っている。
祇園祭のシーズンは、どこの旅館も立派な飾りつけが施され、見ているだけでもとても楽しい。
まずはお店の前で記念撮影・・・と夢中になっていると、なんと、どこからともなく
七代目 又八 大将ご本人がお出ましになり「撮りましょう。着物でお越し頂けるのは、
日本文化を大切にして頂いているようで、とても嬉しい。」とシャッター役を買って出て下さった。
  
冬瓜の突き出しから始まり、万願寺唐辛子、加茂茄子など、夏の京野菜が可憐な彩りを
添える京懐石。鱧の酢の物、鮎の塩焼き・・・なんたる美味。
お店の上がり口がまた素晴らしい。祇園祭りにちなんだ、扇子や屏風、ミニチュアの山鉾など、
さり気なく披露され、風雅の極み。(後に宵山期間中の山鉾町では、旧家や老舗などが、家々に
伝わる財宝を展示する「屏風祭」という習慣があることを知る。)

さて、お腹もいっぱいになったことだし、お散歩へ。
なんとはなしに清水寺界隈を目指してぶらぶらしていると、大変なことになりました。
外国人観光客エリアに到達するな否や、私達ったら押すな押すなの大人気。
「オー!! ビューティフォー!! イッショ ニ シャシン トッテクダサーイ」と次々に口説かれ、
あちこちのカメラに一緒に納まることに。もしかして舞妓さんか何かと勘違いして
いるんじゃなかろーか?!
「一緒に写真とってあげた人全員から1口、500円徴収すれば着物レンタル代賄えたねー。」
などと勝手なことを言いながら、本日の宿へと向かう。

 
せっかくなので、とことん和を堪能しようと、宿泊先はウェスティン都ホテル 別館「佳水園」

予約をとった。こちらは、京都市の文化財にも登録されている名庭園。
かつて文豪 川端康成がこよなく愛した庭園に、芸術院会員、村野藤吾氏による
数奇屋風建築が自慢の離れ和室だ。

とても素敵なお庭だった。とても風雅な建築だった・・・が、お部屋は・・・?!
こちらの離れはとても外国人に人気があるらしい。たぶん外人さんだったら、この
色気も何もないお部屋を「禅スピリット イズ ビューティフォー」と絶賛するに違いない・・・。
というぐらい簡素な作りでありました。

着物を脱ぎ捨て、夜の四条大橋へ。神輿洗いを見学して帰途に着く。
何も考えずに組んだ旅の日程であったが、山鉾巡行以外でも、文月の京は見所満載
である事を知る。


翌日、嵯峨野 落柿舎 にて、友人が投句箱に詠める一句。

 蚊に刺され 
 目じりぷっくり
 消えたぜ小ジワ (字余り)