こすた みあ Diary

旅の思い出、日々の記憶・・・

ブノワ

2006-02-27 | Gourmet


 BENOIT

 アラン・デュカス道 極み



2000年から継続中のワタクシのアラン・デュカス道に関しては、
ご興味のある方は過去記事をお読みいただくことにして・・・。
( あ、読んで頂いても大したこと何も書いてありませんが・・・。)
さて、そろそろ ブノワ
にも足を運んでみようかしら・・・と、そちらの情報に精通
しているワタクシのフレンチの師匠に「アラン・デュカス、そろそろ来日しますかね ?
来日中ならきっとキッチンの気合が入って美味しいですよね ? 」なんて問合せを
入れてみる。聞くところによるとデュカス氏は3ヶ月に1度の割合で世界中の自分の
レストランを巡っているとかいないとか・・・。

すると、My 師匠から思いがけない返事が返ってきた。
師匠 「この日ならインタビューするから、ご挨拶してみる ? 」
ワタクシ 「無理無理無理。絶対むり !! 恐れ多くて話すこと何にもありません。」
しかし、師匠はそんなワタクシの辞退表明を軽く聞き流す。
師匠 「何言ってるの ?! こんなチャンス滅多にないよ~。」
解ってます。解ってますとも。そんなチャンスは滅多にないことぐらい・・・。
そんなやり取りの末に、敢無く抗いがたい誘惑に負けたワタクシは、平日の
お昼から会社をお休みしてブノワでランチと相成りました。

さぁ、早速イメトレ開始。というわけで コチラ
の本を購入して、一夜漬けデュカス
様研究に励むことに。食材探しが、だんだん宝探しのように思えてきてちょっとした
冒険譚風。思いがけず楽しい本だ。農家出身というデュカス氏の食材や生産者に
対する深い愛情が文章からあふれ出す。今までは、氏に対して世界戦略に成功した
ビジネスマンというイメージを抱いていたのだが、この本を読んで、温かみのある
巨匠の素顔を行間から垣間見ることができたような気がした。1つ1つの素材に
徹底的にこだわること。その食材の美味しさを引き出す、オリーブオイルや塩などの
調味料探しにも情熱的に取り組む姿勢。なるほど、私がスプーンで「サラダ美味っっ。」
と思ったのも一概に間違えではなかったのかとほっと胸をなでおろす。

さて、当日。曇り空の中、ブノワ擁するラ・ポルト青山ビルディングへ。
ご一緒させていただいたワインエキスパートの方々に、お料理にあったワインを
セレクトして頂きながら楽しんだメニューは・・・

<前菜>
・フランス産ホワイトアスパラガスと長崎産グリーンアスパラガスのヴルーテ
・牛肉の手刻みタルタル 鶉の卵添え
<パスタ>
・インカポテトのグリーンニョッキ 貝類のラグー
<メイン>
・海の幸のココット仕立て
<デセール>
・フルュイルージュのフィエ いちごのソルベ


前菜こそ、塩味がきつすぎたり、そうかと思えば、ややインパクトにかけていたりと、
どうしたマッシモ ?! ( 総料理長のお名前。勝手に呼び捨て。)緊張のあまり手元が
狂ったか ?! と心配になる幕開けであったが、インカポテトのニョッキからはその
実力をじわじわと発揮。こんなにはらりとした口どけのニョッキは初めて。貝類の
ラグーからにじみ出す旨みと溶け合ってお口の中に至福の時が訪れる。メインの
海の幸は、軽くソテーされた、ホタテ、タコ、ムール貝、スカンピなどなど、コトコト
煮込まれたヒヨコ豆や穀類と一緒に併せられており、一見素朴なのだけれど、
手間隙かかった素敵なココット。これぞビストロ・シック・メディテラニアン。
地中海の太陽の恵みや風の匂いを感じる明るく美味しく贅沢なお味を夢中に
なってかみ締める。見目麗しく繊細なお味のデセールを堪能したあとは、いよいよ
デュカス様とご対面・・・。

 階下へ降りていくと、インタビューを終えた
 デュカス様がにこやかに握手の手を差し伸べてくださる。
 My師匠から「何か質問とかある ? 」と話を向けて頂いた
 のだが、やはり質問なんて無理 !!
 ひたすら「ありがとうございます。お会いできて光栄です。」と
 米付きバッタのようにぺこぺこしながら記念撮影をして頂いたり、
 書籍にサインを頂いたり・・・。巨匠との Say Hello の時間は
 こうしてあっという間に過ぎ去った。


さらにMy師匠に手招きをして頂き、ピカピカに磨き上げられたキッチンを見学させて
いただく。総料理長のマッシモさんにも握手をして頂き怒とうのブノワ訪問終了。

あ~ほんのわずか数分の出来事ではあったが、遂に巨匠にお目にかかってしまった。
ひとまず、ワタクシのアラン・デュカス道は極まったということで・・・。
え ?! ルイ・キャーンズにも行ったことないクセに「極み」言うな ?!

お腹いっぱい。胸いっぱい。すっかりいい気分になったワタクシは、たぶん
ブノワを訪れたゲストのほぼ半数が同じ道を辿るであろう、ラ・ポルト青山ビル
1Fの ピエール・エルメ
のブティックに吸い込まれ、マカロンを購入して帰途に
ついたのでした。


アラン・デュカス道 ひとまず完。