ひな菊の丘から

今年のSea Mountain

某所にかなりのスピード感でもってアルバムを作ったので、ブログの方は放置していた。ブルーグラス専門誌にまたレポートを頼まれ、(困った時の代打らしい、私は。)書いた原稿をここに載せておこう。写真はあれこれ転載するのはとてもめんどくさいので、記事の分だけ。

Sea Mountain2022開催までの日々

3年ぶりのSea Mountainが5月3日、4日の二日間にわたって開催された。最近でこそ、海の見える異人館で、美味しいものを食べて飲んで、演奏を聴いたり楽器を弾いたり踊ったり、めいっぱい音楽を楽しむイベントとして、ブルーグラス、オールドタイムはじめ周辺音楽を愛する人たちに周知されるイベントになったが、そもそもは、主催者佐々木由紀さんが始めた、オールドタイムのジャムとダンスのパーティだった。


はじまりは
 ちょうど今から10年前の3月、今と同じ塩屋の旧グッゲンハイム邸でほぼ口コミで始まったパーティ。私が何十年も前に親しんだ、クロッグダンスや、延々と続きコードの切れ目が分からない(実は今もわからない)オールドタイムのジャムセッション。とても楽しい一日だった。
 それをもう少し広げて、ちゃんとしたコンサートを含むイベントとして、少しずつ発展してきたのがSea Mountainだ。年を追うごとに参加者も増え、演奏される音楽も多岐に渡り、関連があったりなかったりする出店も増えた。午前中からの開催になったので、当初は身内が用意したカレーだったのが、プロのフードデリバリーを含む飲食も充実してきた。ゆっくり来場される方が多かったので、早い時間も楽しんでもらいたい、と早割りサービスの金券を配ったりもした。
 1回目のパーティから参加していた私は、いつの頃からか、半分スタッフ(もちろん参加費は払って)として、ステージの司会をしたり、最近では趣味のてづくり小物の店を出すようになった。



 そうやって、毎年続けてきたSea Mountainだが、2年前の春には、世の中が驚くほど変わってしまい、その上ライブハウスで起きたクラスターが原因で、音楽そのものが悪者のようになってしまった。4/29に予定されていたのが9/20に延期になり、結局それも開催されず終わった。そしてその秋、由紀さんに声をかけられた数名のメンバーが集合した。これまでのやり方から大きく方向転換を図らないとイベント自体開催できないだろう、ということで、熱く議論を戦わせた。その後もメッセンジャーでアイディアを出し合い、昨年の開催に向けた たたき台のようなものを作ったが、最後の最後まで迷った主催者の出した答えは中止、だった。ここへ至る経過は本当に苦しいし悲しいし、残念なものだったと思う。でも私たちはSea Mountain Lovers(命名;のんち)なので、その結果に敬意を表し、翌年こそは気持ちよく開催できますように、と祈ったのだった。

開催へ
 そして今年、満を持して、と言えれば良かったのだが、やはり色んな制限付きで、ようやくSea Mountainは再開されたのだ。開催日は2日間、内容も大幅に変更し、まずは密を防ぐため、完全予約制とした。コンサートはこれまでの出演バンドの中から主催者の好みで(そんな選び方していいんよ、だって由紀さんが一番大変なんやから。由紀さんが聴きたいと思うバンドに出てもらったらええねん。とこれは私が言った。)予め声をかけたバンドから出欠、出演日等の希望を聞いて、大まかなスケジュールを立てた。前年から、2階はオールドタイムのジャムセッションをする、というプログラムが決まっていた。ブルーグラス楽器の近くで演奏すると音の大きさで負けるので、ブルーグラスのジャムは外で。大きな流れとしては、1階できっちりとした音響を使ってコンサートのプログラムが終わった後、希望者によるオープンマイク、2階は終日オールドタイムのジャムとワークショップ。参加者は1階か2階、希望する日を選んで予約申し込み、ただ、2階を申し込んでも1階のコンサートは聴けるし、空いていれば座ってもOK。逆のパターンももちろんOK、ということにした。
議論が白熱したのは飲食の件で、これまで大人気だった食べ物屋さんの出店が難しいとなり、入場料に上乗せして1ドリンク1フード付けようか、と話が盛り上がって、でもゴミになると困るから持ち帰ってもらえるもので、いや、遅がけに来る人には要らんのちゃう?などと意見が飛び交い、では助六(巻き寿司と稲荷寿司のセット、全国共通語ではないだろうか?)にしよう、とその話が進んだところで、「お客さまの立場からしたら、助六やったら要りませんわ。美味しいフードトラックのお弁当ならともかく」という意見がよっこから出て、皆はっと正気に戻ったのだった。確かに・・・。それにコンサートの開始は13時だから、食べてくることも途中で食べに出ることもできるし、持込み可にすれば問題なし、ということで落ち着いた。飲食スペースは外のテラス、ゴミは完全持ち帰り、消毒液と非接触体温計の準備など、必要なもののピックアップも終わり、いよいよその日がやってきた。やった!!みごとな晴天。
受付には熱い議論を戦わせたメンバー(けいこさん、よっこ、のんち)と協力を申し出てくれたなおみの4名。事前に難しい非接触体温計の使い方を何度も練習していた。出演者、参加者に渡すチケットとプログラム等の確認も怠りなく。私はときちゃんと会場内に貼る注意喚起のポスターや表の立て看板を作り、会場やテラスのテーブル椅子のセッティングは皆で。PA周りのお手伝いには、神戸大学の学生さんが来てくれた。徐々に入場者が増え、受付は忙しそうだ。私は二日間、オープンマイクの司会を仰せつかったので、それ以外は写真を撮ることにした。最近特に思うのだが、以前のとても楽しかったこと、幸せな時間、逆に辛かったことなど具体的に思い出すのが難しくなってきた。なんでも記録はだいじ、と思ってカメラを駆使した。





 出演バンド(敬称略)
5/3 コンサートはホーキとチリトリ、ハモらる、Mii-ChanとOto-chanと Jii-chan、5GDG、ラッシー、イッツアバウトタイム オープンマイクはカメムシ楽団-1,チャーリー西尾とパンタグラフ、うれしたのしユニオン、大学生バンド、はっぴっぴ-4か5,田沼葉子(無理やり引っ張り出した)、オールドタイムジャム
 5/4 デイジーヒル、Together、千日前ブルーグラスアルバムバンド、松本玲奈、RAKKAN、Southern Mountain Boys ∞ オープンマイクは秋元・勝木、谷村・大野・篭橋、東播雀3/5+2、はっぴっぴ-5+2、岡町シスターズ、渡辺敏雄ジャム、オールドタイムジャム
 二日間ともしっかりステージ前で聴いていたが、どのバンドもすばらしい演奏で、聴きごたえがあった。たくさんのお客さまの前でやる、という緊張感がいい効果を及ぼすのだろうなあ。PAも毎年のことながら本当にいい音を作ってくださった。充実した時間だったと思う。
合間に2階の部屋に行くと、大きな円に設置した椅子に座って、だいたい誰かが楽器を弾いていて多い時は満席、時には立って聴いている人もいた。本当はバンジョーのワークショップに出たかったのだが、余裕がなくて残念。出店はB.O.Mサービスと食べ物関係は甲山ジャム工房と焼き菓子のTiny Breakのみだったが、どちらも完売したようだ。
 すべてのプログラムが終了したのは、両日とも予定の18:00より早かった。もっと弾きたい、歌いたい人がいるかと思ったが、そこは少し誤算だった。でもゆったりと、のんびりといいお天気の一日、音楽漬けになったのは間違いないだろう。かわいい珊瑚の模様のゴミ袋を配布したせいか、ゴミの持ち帰りはほぼ完ぺき。こんな感じのイベントもいいね、と言ってくださる方もあった。
 いつもは各所と調整のため、あちこち動き回って、じっと座って聴いていられることのほとんどなかった、主催者由紀さん、今年は司会をしていたのでずっとステージにはりついていた。久しぶりにじっくり各バンドを聴けたのではないだろうか。本当にお疲れさまでした。いい休日をありがとう。また来年も楽しんで働くよ~2023年4月29,30日。




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