ひな菊の丘から

北海道からの3人組を迎え撃つ阪神間のマダムトリオ

4年前、旭川のフェスへ初めて行った時、とても印象に残ったバンドがあった。元曲の歌詞とイメージをそのまま、伝わることばに訳して歌ったり、全く違うものとして日本語のうたにしてしまったり、しかもギターとマンドリンとベースのみという潔い編成で。

ずいぶん前に、遠いアメリカの地でご一緒したご縁がある方がメンバーの一人で、フェスに行く前から繋がってはいた。北海道から、例えば宝塚、例えば箱根のフェスに、たくさん参加される人たちを見てきたが、彼らはそうではなかった。「北海道でしか見られないバンド」だよ、と聞いていたとおり、その時点で、一度も道外へ演奏には出ていないとのことだった。フェスの土日で2回ステージを聴いて、ぜひ大阪に来てほしい、とお伝えしたが、「あと何年か経ったら行けると思います。」というお返事だった。

それから4年、その彼らを大阪で聴くことができる日が来た。前年の旭川フェスにでかけた、『うれたの』ことうれしたのしユニオンの皆がお膳立てをして呼んでくれたのだ。ありがたいありがたい。関西公演は3回、西宮のフラッパーハウス、大阪の周、そして京都ホンキートンク。日程的に、フラッパーの日は岡町ジャム会、周の日はデイジーヒルのライブ、どっちも厳しい、だからホンキーかな、と一度は思ったのだ。でもやっぱりホンキーじゃない、聴くなら周だ!こちらのライブは2時開演、うちのライブは6時開演、ゲストバンドもあるし最後までは聴けないかもしれないけど、行くぞ!と決意し招聘元のうれたのyukiさんに予約を入れた。

当日、ライブ会場のねいろかふぇにお願いして、お昼に楽器を置かせてもらいに行った。そして相方とふたりして会場へ。おお~、フライヤーが貼ってある。

いつものことだが見上げる道のりが遠い。

かなり選べるほど席は残っていたが、途中で出る確率が高いので、少し後ろの通路寄りに場所取りする。おや?

みわさんやん!!彼女はこの後、カウンターに入りお店の人を見事に演じていた。先日の、ばすこのCD発売記念ライブの話をし、「オールドタイムどうやった?」と聞くと、「いや~やばいっすよ、ハマりそうで」って。でしょう?彼らのグルーブはほんまにすごいからねえ。

カウンター前にMりちゃんとはまみん発見、その向こうはH田ママ

受付はMかちゃん、北海道繋がりかな。

鉄心さんもお客さまだった。

この日のライブは、まず露払いをうれしたのしユニオンが、そのあとHorse Born、そしてゲストのLong Can Beerが入り、最後もう一回Horse Born、というプログラムらしい。で、最初の阪神間のマダム登場。

きょーこはん、お姉ちゃんが来てるので、とてもとても緊張してる模様。私はほんとに久しぶりにお姉ちゃんに会えてすごく嬉しかった。昔々の学生時代、最初に会った時は友だち、って紹介したんよね、きょーこはん。

前夜の写真がSNSに上がってて、ヒョウ柄だかシマウマ柄だか全員大阪のおばちゃんスタイルだったのだが、この日は割とおとなしめ。

全曲、yukiさん作詞のルーツ系音楽の曲たち。彼らのコンセプトでもある。

いつもおとぼけMCが笑いを誘うきょーこはん、でもこの日は別の意味でくすくす笑いを誘ってた。マンドリンもちょっとおもしろかった。ほんまはもっとうまいのよね。

そういえば、この日の選曲の中で、かつてはスリーフィンガーで演奏してた曲があった気がする。もう今は全然弾けなくなったらしいyukiさん

なんかすてきな色のワンピースだったなあ。隣にいてきょーこはんの挙動にいちいち反応してたなおみさま

ちゃんとメモしてなかったけど、『OLをバカにしてはダメよ』『猫になりたいブルース』なおみさまの歌で『木漏れ日に包まれて』、『いつかきっと』、『心配しないで』、『すてきな休日』タイトル間違ってたらごめんなさい。それと、元歌、知ってるんやけどタイトル何やったっけ?ってすぐ思い出せないのは、だいたい日本語詞が付いてる曲全般に言えること。

これはぜったい何かやらかした後やな。

でも実は、すばらしいハーモニーなんだな。

今回はゲストバンドがもひとつあるからか、短めのセットだった。彼女たちがライブすることもあまりないので、もう少したっぷり聴けたら楽しかったろうな、と思ったがそしたらHBBの曲がもっと聴けなくなってたか、と思うと、これでいいや。

15分の休憩の後Horse Born Brothers、なのだが、会場が目いっぱい詰まってることもあり、早々に前に出てこられたので、ちょっと手持無沙汰な感じ。金ちゃんはチューニング、中原さんは仁王立ち?ヌマオ―さんはベースの音確認中?

客席と歓談中

結局休憩時間を5分ほど縮めてライブ開始。ユーバリ父ちゃんから。

金ちゃんこと、金一さんのマンドリンはほんとにきれいな音色。

中原さん、歌詞は全て彼の作品だと思う。ほのぼのあり、物語あり、そしてそれを静かに心に届く声で歌われる。

ヌマオ―こと大沼さん、お話したことはないのだが、多分ぼそっと面白いことをいうタイプかなあ?違ってたらごめんなさい。リズムを支え、メインヴォーカルに寄りそうハーモニー

3人コーラスもすてきなのだ。

武四郎さんについて語る中原さん

武四郎さんと言うのはもちろん、北海道の名付け親、松浦武四郎さんのこと。かつてぽつでのバンマスが、故郷の誇り、って言うてたな。

武四郎さん旅日記

引き続き、資料が出て来る。この辺り、ラッシーさんと似てるかも。次は知里真志保さん

アイヌ語の研究から始まって、アイヌ学を極めた人である、ということを説明する中原さん。ご自身もアイヌについていっぱい学習されているらしい。

真志保さん

続いて出てきたのは、外輪船上川丸の写真。

ジミーロジャース風に、と石狩スティームボートブルース

そして、Gentle on My Mindの日本語訳がすばらしかった。こんな風に歌われたらものすごく納得できる。

PA卓にいるのは、何故かこの日も勝木さん。後でジャムおじさんことK山さんに聞くと、当初彼のところに回ってきたPA担当を、勝木さんにスライドしたらしい。勝木さん、何か弱みでも握られているのだろうか?

そして、その二人が次のバンドのためのセッティングにかかる。

無事終わったようだ。

こちらもチューニングとか準備とか

客席では何の密談か、K山さんとH田ママ

アイリッシュばかりじゃありません、今日はアメリカの曲もオリジナルもやります、というLong Can Beer、和製英語のバンド名だけど、これはうちにぴったりの名前だと思ってます、と勇太くん。

去年のsea mountainでとても気持ちのいい演奏と気もちのいい外でのセッション(練習?)風景にすっかりファンになったLong Can Beerの皆さん(その時は5GDGだったが。)

勇太くんは、北海道出身、この日は父兄参観にお父さんが来阪されていた。恐らく小さい頃から、HBBの皆さんとも親交が深かったのだろう。

全く親戚のおばちゃん感覚で応援してるリノちゃん。何と言ってもお母ちゃんのお腹にいる8ヶ月の時に一緒にステージにあがったんだもんね。(maternity 8thというユニットで宝塚春フェスのステージ。私も当時妊娠8ヶ月だった。その息子と誕生日も数日違い。)

すっとした立ち姿とオトコマエなフルートでこの日もたくさんのファンを作ったと思うアッコちゃん。細いのにビール大好きらしい。年取ったら気を付けてよ。

曲名、わからないのもあるけど、最初はGolden Eagle、その後、3曲メドレーで、最初はアッコちゃんのオリジナルのジグ(雑踏のイメージだそう)、最後がリノちゃんのオリジナル、タイトルはドーナルドラゴン。ドーナルの意味聞いたけど忘れた。ドーナル・ラニーが頭に浮かんだけどそれじゃなかった。

アメリカはミズーリ州辺りの曲か、Dry and Dusty ブルーグラスでもやってますよね、って言ってたか。ジョン・ハートフォードがやってた曲かな。インスト弱いから私。タイトルが全くわからない。

この話をしていた時か、MCで勇太くんが「僕も子どもの頃からブルーグラスが身近にあったし、リノちゃんもブルーグラスとかオールドタイムやってたでしょう?」と話を振ると、「いや、全然やってません!」と彼女が強く否定した。母ちーこは、それにものすごくショックを受けていた。「あの子、いやいややらされてたと思ってたんかな・・・」って呟いてた。大丈夫やて、そんなこと思ってないよ、いや、多少は思ってたかな。

アッコちゃんのフルートはとてもすてきなワクワクする音。これまであちこちでアイリッシュのステージとかセッションとか聴いたけど、フルートが入っててすてき!と思ったのはここが初めてやなあ。

ふたりの様子を見ながら弾く勇太くん

最後はポルカのセットで、リノちゃんがモデル?の酔っ払っていく過程を描いたアッコちゃんのオリジナル、Drunking Lady。

休憩時間にオールドタイムジャム仲間のU川さんと語り合うK山さん

そして最後のセットはHBB、でももう残り時間があまりない。17時開場なので、少し遅れたとしても15分くらいには到着したい。うちのお客さまの中には開場前から来られる方もあるので、その方にはお許しいただき音出しをしよう。16時半過ぎには外に出る段取りでギリギリまで楽しむことにした。

会場の様子を撮る中原さんを撮ろうと思ってたのに間に合わなかったよ。

最初の曲は、今日からは寂しさと、それからLCBのために歌うパブソング、ドックワトソンのと前置きしてShady Grove、ハムスターの発電所、ここまで聴いて時間切れ。

曲終わりのタイミングでこそーっと外に出たら、この人たちが出番終わりのビールをラッパ飲みしていた。なんとも幸せそう。

三者三様、それぞれの持ち味も全然違うのに、どこか繋がっている気がしたのはなぜだろう。みんなのルーツが近いからなのかなあ。ともかく、充実した午後だった。さて気持ちを切り替えてライブ会場に向かおう。

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