砂蜥蜴と空鴉

ひきこもり はじめました

爬虫類とライトノベル

2004年11月25日 | ログ
狼少年から『貴様にとってライトノベルとは何ぞや、特に電撃文庫』とのコメントを頂いたので書いてみます。
一言で言うと『娯楽』なんですけどそーいう事を聞きたい訳じゃないんだろうなぁ。
まずは認識の変更を。
我々は人類は一人残らず人類ですが同時に一人残らず別々の個人である事を確認しましょう。
ライトノベルも同様。ジャンルとしてのカテゴライズで本質なんて掴めません。
書き手が違えば意味も精神もスタンスも違います。当然でしょう?

それでも文庫ごとに大よその色分けは出来る訳で。

爬虫類の認識では以下の通り。

『富士見ファンタジア文庫』

ライノベ界の古参兵。王道主義。
ベタなストーリー展開が大好き。ライク。ラブ。
三大派閥の中で最もメディアミックスが盛んでアニメ化などもされやすい。
ベタな展開が多いがそれ故に分かりやすい。
ライノベ読者でも特に若年層をターゲットにしており、過去大ヒットしたライノベは大抵ここである。
電撃文庫が台頭してからやや下り坂な気もするが「まぶらほ」など売れてる作品は売れてる模様。
代表的な作品に「スレイヤーズ」「魔術師オーフェン」「フルメタルパニック」などがある。
お勧めは「A君(17)の戦争」

『電撃文庫』

砂蜥蜴が富士見系列に飽きてきた頃に台頭してきた文庫。
自分が読んでいるライトノベルは大抵ここの作品である。
「キノの旅」など前者の富士見に比べ実験的な作品も多く、作者ごとに様々な方向性を模索しているよう。
代表的な作品としては「ブギーポップシリーズ」辺りだろうか。
お勧め作品は山ほどある。
感動したければ「ダブルブリット(一巻)」
世界と造語に酔いたければ「都市シリーズ」
狂ってゴーなら「ブラックロッドシリーズ」
本は好きだけどライトノベルは初心者な方は「イリヤの空UFOの夏」をお勧めする。
ちなみにライトノベル作家では砂蜥蜴は都市シリーズの川上稔氏に心酔している。
あの独自的表現と世界観を構築し尚且つ絶妙なキャラの掛け合いをコンスタントに提供できるなんて、神かアンタは。
癖が強く、嫌いな人は嫌い。好きな人は超好きてな作品ですが皆さんは是非好きになりましょう。
今応援してるのは「ゆらゆらと揺れる海の彼方」です。要チェックや。

『デュアル文庫』

ハイブリット文庫。SFは好きだけどライトノベルはな人にお勧め。
ハヤカワSFと電撃文庫を足して割ったような文庫。
作品もSFな作品が多い。ブギーの上遠野氏はこちらでも本を出している(僕らは虚空に夢を見る)
他のライトノベルより重い文章が多い気もするが読後感はある。
代表作は・・・あるんだろうか?
お勧めは「火星人先史」「僕らは虚空に夢を見る」「チョウ達の時間」「サムライレンズマン」


『角川スニーカー文庫』

伏兵。
説明出来るほど読んではいないが富士見系の作品が多い。
「ランブルフイッシュ」や「デイバイデットフロント」など中古で摘み食いして好きになった作品が多い。
電撃や富士見に比べて捨て値で売ってる事が多いのでコストパフォーマンスは高いかも。


・・・疲れた。
こんな感じです。さて、肝心の電撃文庫ですが説明にも書いたように多種多様な方向性が存在していて一言で説明なんて無理です。ムリムリー。
敢えて述べるのなら「ライトノベルは現在進行形で進化しているジャンル」と。
故にそれを批評し決め付ける作業はもう少し後でいいのではないかと。
ライトノベルは娯楽に特化された文学です。
過去の偉人たちが自分たちの精神を、価値観を、主義主張を述べるために筆を取ったなら
ライトノベルは読む人間を楽しませる事を念頭におかれた極めて現代的な作品だと思います。
年月が経ち、かつての若年層が大人へとなっていくこれから、ライトノベルがそれに合わせた娯楽を提供できるかどうか。
それが現在の他の文学作品に比べて軽視されがちなライトノベルの現状と
アニメーションなどへの「子供の見るもの」「大人の見るもの」という二者択一的な考えを壊せるかどうかに繋がっていくでしょう。


砂蜥蜴は自分を幸せにするエンターテイメントを応援しています。