「神様のカルテ」夏川 草介

現役の医師である夏川草介氏のデビュー作。第10回小学館文庫小説賞を受賞し、2010年には本屋大賞で2位となったベストセラー作品だ。
表紙デザインのせいだろうか？どうも以前より少女漫画っぽいイメージを勝手に持っていて敬遠してきたのだが、今更だが手にしてみた。
何だろう？どうも軽いお涙頂戴作品に見えて仕方なかった。
ところが・・・迂闊だった。面白い。
自分の思い描いていた、真逆とも言える雰囲気だ。なんて言ったって主人公の会話、そしてその主人公が住むボロアパートの住人等々、まるで森見登美彦氏作品に登場してきても全くおかしくないものばかりだ。おいおい、これは表紙のイメージと随分違うぞ・・・思い起こせば森見氏にも当てはまることだ。どちらも表紙はえらく可愛い。そして、内容も噂通りのもので納得だ。
なんだろう先は読めてしまうのだけど、不覚にもじーんとくる。特に学士殿の門出のシーンなどは、涙腺の甘くなった親父にはきつい話だ。
聞くところによると映画化され、アイドルのARASHIの櫻井くんと宮崎あおいさんのコンビだとか・・・う～ん、櫻井君のイメージかな？
とりあえず、映画でこの雰囲気が表現できるかは心配だが、ぜひ先に活字で味わってもらいたいものだ。当然ながらパート２も手にしてしまいました。