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柊のつぶやき

2011年04月05日 | 日記
未曾有と想定外

未曾有だとか想定外の大災害とか、このところ「未曾有」と「想定外」などの表現が決まり文句のように用いられている。
しかし、これまでに日本を襲った巨大津波の波跡を振り返れば、1703年の元禄大地震は20メートル、石垣島に歴然と爪痕が刻まれている1771年に起きた八重山大地震では18メートル、1854年に南紀和歌山を中心に起きた安政南海地震では15メートルなどと、過去、日本列島には数々の大津波の被害が残されているのだ。
多くの有識者やマスメディアはこのたびの東日本大地震を想定外の自然災害と位置づけようとしているが果たしてそのような割り切り方が許されるものなのか。
失われた多くの尊い人命、営々と築きあげられてきた産業や生活の基盤が一瞬の内に失われ、被災された人々は塗炭の苦しみと絶望に追いやられてしまったが、加えて、原子力発電所の事故がその苦しみに追い討ちをかけるような事態が惹起した。
40年以上も前に建設された東京電力の福島原子力第一発電所が津波の影響でそれこそ未曾有の事故として取り上げられ、筆舌にはたとえようにないほど国民生活に多大な影響を及ぼし始めているが、さらに近隣諸国への影響が懸念されている。
この事故を想定外とするにはあまりにも、無責任であろう。
津波対策はもとより、根本的な老朽化対策の不手際が招いたまさに人災なのである。
原子力政策に対して、真摯な取り組みをしてこなかった政府当局、電力会社の怠慢が招いたまさに人災なのである。
このような環境下にありながら自衛隊、警察、消防、ボランテイア、外国の特にアメリカの海兵隊、などの献身的な救援活動のあれこれが、あるいは実業界、スポーツ界、芸能界などの著名人たちの多岐にわたるかってない支援活動のあれこれがマスメディアを通じて私たちに届けられ、気持ちだけの義捐金を送らせていただいき、貧者の一灯をともすのが精一杯の私の気持ちを豊にしてくれるのであるが、なぜか眼に見えてこないのが政治家たちの動きである。
原子力利用についての展望の甘さに気づかなかった政治判断の責任からも、この際、政党助成金を返上して、復興支援資金に繰り入れるとか、国会議員を半減したり、地方議員の大幅削減で、浮いたその歳費を復興支援の資金に繰り入れることで、政治家としての貢献を世に問えば、その存在感が少しは浮き彫りになってくるように思えるのであるが。
ちなみに、国民一人当たり、250円の政党助成金は年間320億円、削減した国会議員や地方議員の歳費を合わせれば、年間数百億円単位の基金が生まれ、有効に被災地や被災された人たちのために活用されると思うのであるが。国会議員や地方議会の議員が減っても不便を感じる人はあまりいないはずである。

コメント
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