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私の音楽 & オーディオ遍歴

お気に入りアーティストや出会った音楽、使用しているオーディオ機器を紹介します(本棚8)。

楽器のようなスピーカー「IL CONFORTO Pino Parlante Acer」

2013年01月06日 | オーディオ
 現在使用中のスピーカーは前出の「Onkyo Scepter 1001」と「TAD TSM-2201-LR」の二つです。
 これらのスピーカー、透明度が高くかつ芯のある音が気に入ってはいるのですが、なんとなく物足りなさを感じる今日この頃。
 云ってみれば、日本のスピーカーは「優等生」的なんです。
 もっと違ったアプローチがあってもいいのでは? などと贅沢な悩みを抱いてしまいます。
 
 そして最近妙に気になるのが「Sonus faber」(ソナス・ファベール)というイタリアのスピーカーブランド。
 販売されているスピーカーはきれいな木目とレザー仕様で高級家具のような雰囲気を纏い、ストラディバリやガルネリ(17~18世紀に作成されたヴァイオリンの名器)などと名付けられています。

 楽器が音を奏でる、という発想なのですね。
 リュートの形を模した「ガルネリ・メメント」というスピーカーはどんな音がするのだろう、ヴァイオリンの音色を等身大に聴かせてくれるのではないか?
 ・・・しかしソナス・ファベールのスピーカーは高い! おまけにガルネリ・メメントは生産終了ときています。

 従来、「よいスピーカーは大きくて重い」と思い込んできた私。
 しかし、実際に音を奏でる楽器は「大きくて重い」方がよい音が出るわけではなく、音程・音圧で役割分担しています。

 このギャップは何なのだろう? 

 そんな折、楽器の発想で作られたスピーカーを見つけました。
 「IL CONFORTO」という弦楽器工房の「Pino Parlante Acer」。
 つまり、ヴァイオリン製作のプロが作ったスピーカーです。

 ヤフオクで出品されていた中古品を格安で落札しました。
 出品者殿は音にこだわりのある方で、オリジナルをチューニングしてさらによい音に仕上げた一品。


仕様
 表板材:ヨーロピアンシカモア、裏・横板:ハカランダ突き板・シナベニヤ、上下板:ハカランダ、突き板・シナベニヤ
 スピーカー:ウッドコーン DCU- F101W
 横:136mm、縦:260mm、奥:87mm


 届いたスピーカーの小ささと軽さにまず驚きました。
 ティッシュの箱をやや大きくした程度で、重さは木の空箱くらい。
 でも、外見が美しく、高級ギターのような仕上げになっています。
 ユニットはウッド(木製)コーンのフルレンジ。

 どんな音が出るのかなあ・・・ セッティングはそこそこに、Accuphase E-460 につないで早速音を出してみました。
 ふだん聞いている Scepter 1001 と同程度の音量で始めたら、オーケストラのパーカッションのところで音が割れてしまいました。それもスピーカーが壊れそうな「パンッ!」という音。
 「まずい!」とウッドコーンを確認したところ、割れてはいなそう。ホッとしました。

 音量を落としてクラシック系の優秀録音サンプルCDを聞いてみました。
 しかし、大きな音圧で聞く習慣ができていた私の耳には、なんとなく物足りなくてピンときません。
 その中でも弦楽器はまあまあかな・・・と感じつつも、ちょっとガッカリした気分で1日目終了。

 さて翌日(つまり今日)、今度はパソコンに取り込み済みの3500枚のCDから、いろんな楽器や編成の音楽を聴きまくりました。ただ、突発的なパーカッション系、ジャズドラムの連打などはウッドコーンが割れそうで怖いので、おとなしめの音楽中心に。
 音量も中くらいに絞って。

 するとどうでしょう。
 このスピーカーの本性がみえてきました。
 弦楽器の音が生々しく聞こえてきたのです。
 柔らかくて軽やかな響き。
 スピーカーに近寄って耳を澄ますと、そこにある楽器が音を出しているのでは、と勘違いしてしまいそう。
 ミルで挽いたコーヒー豆をドリップで入れる時の、あの最初の濃厚な一滴が落ちてくる瞬間をイメージしました。
 香ばしくかぐわしい音色。
 ソロの弦楽器~室内楽を流していると、なんだかヨーロッパの貴族がお抱えの楽士に部屋で演奏させているような・・・言い過ぎかな(笑)。

 あえて表現すると、Scepter 1001 は静寂な音場の中に芯のある音像を配している印象で、一方の Pino Parlante Acer は楽器そのもの。
 Pino Parlante Acer を聞いた後で Scepter 1001 に切り替えると「透明感」というヴェールを無理に被せているような気さえしてきました。沈み込む低音、音の広がりや余韻は Scepter の方が上ですけどね。
 しかし Pino Parlante Acer はフルレンジらしくバランスがいいので、低音が足りないとかの物足りなさは感じませんでした。
 
 「音楽は大きな音で聞けばよいというものではありませんよ。品のよい調度品のように生活の中に溶け込む音楽をお楽しみください」とたしなめられた気分です。

 1980年代に名を馳せたアコースティック・レーベルの Windham hill 系もよろし。
 William Ackerman のギターの響きが部屋の中で魅力的に広がります。
 このレーベルは録音も優秀ですが、初期の1970年代のモノは録音が粗く、 Scepter ではあまり聴く気になれないでいました。
 しかし Pino Parlante Acer は、その粗い録音さえも柔らかい音色で聴きやすくしてくれたのでした。

 そこで「ハッ!」と閃きました。
 「古い録音もいけるもしれない」

 Scepter や TAD モニターは、音の再現性に関しては優秀すぎるのか「録音を裸にする」傾向があります。つまり、録音が悪いとそれをさらけ出してしまうので、聞くに堪えない音楽になってしまいがち。
 それを Pino Parlante Acer で聴くと・・・う~ん、思った通りとてもいい。
 フリッツ・クライスラーミッシャ・エルマンカペー四重奏団ユーディ・メニューインなどがその時代の空気とともにアナログレコードのような音で迫ってきて感激しました。
 
 中音量で聴く悦楽に目覚めました。
 いいスピーカーに出会えて幸せです。
 出品者殿に感謝!

 アナログレコードを再生するとどんな音になるのだろう。
 このスピーカーを真空管アンプにつないだら、もっとまろやかな音が聴けるかな?
 などと、夢が膨らむのでした。

インターネット・ラジオでBGM

2012年11月30日 | オーディオ
 広い部屋にBGMを高音質で流そうと思い立ち、5年ほど前に「BOSE Lyfestyle 48」を導入しました。
 音には満足しましたが、ソフト探しに苦労しました。耳に優しい、仕事の邪魔にならない音楽を求め、CDを数百枚購入したでしょうか。
 ニューエイジ、クラシック、ジャズ、フュージョン、イージーリスニング、オルゴール等々、聴きあさりました。
 そしてたどり着いたのがピアノソロとギターソロのシンプルな楽曲で、昔から好きだった Windham Hill 路線に落ち着いたのでした。

 ただ、手持ちのCDではバリエーションに限界があるので、その後も色々物色した結果、iTunes で聴くことができるインターネット・ラジオのピアノソロに特化した局に巡り会いました。お気に入りの局は以下の二つ:
Whisperings: Solo Piano Radio
CALMRADIO.COM - SOLO PIANO
 美しい音と旋律をエンドレスで聴くことができます。CALMRADIOシリーズは静謐でBGMに合う音楽を流す局をたくさん用意しており、ギター系も好きです。今までのCD探しは何だったのか・・・(苦笑)。

 Mac Book をネット接続し、オーディオインターフェース(EDIROL USB オーディオキャプチャー UA-4FX)をはさんでBOSEに接続していました。
 しかし、2011年3月11日の東日本大震災以来、節電と云うことでずっと電源を切っていました。Mac Book もあちこち持ち歩くことがあり、定位置にとどまらないのも一因です。

 そんなある日、インターネット・ラジオに特化したネットワーク・オーディオの品物を知るに至りました。
Logitech Squeezebox Touch」という製品です。
 「うん、使えそうかな」と直感で購入しました。
 届いたラジオは意外なほどコンパクトで手のひらに乗りそうです。ネットとBOSEに接続し、液晶画面のタッチパネルでセッティングにトライ。英語表示ですけど思っていたより簡単にインターネット・ラジオにつながりました。自分のお気に入りの局を登録できるのも魅力です。
 使用のノウハウはこちらのHP「ネットワークオーディオの悦楽~Squeezebox Touch (Logitec) Wi-Fi Muisc Player」に詳しいですね。
 ネットワーク・オーディオ世界を広げる可能性を秘めた製品です。いずれ数千枚のCDをデジタル化してNASに収納し、LAN配線した家の中で「どこでもジュークボックス」を実現したいと夢は広がるのでした。

 音にも大満足。
 というわけで、BGM再開です。

弩級スピーカーケーブルの威力

2012年11月08日 | オーディオ
 前項のごとく、7年振りにスピーカーを交換しました。
 この機会にスピーカーケーブルも替えてみようと思い立ちました。

 しかし北関東の田舎では近隣にオーディオ専門ショップがほとんどなく、通販で探すことにしました。
 「Amazon」→「オーディオユニオン」と覗いてみましたが、価格が千円前後(安すぎる)→ 数万~10万円(高すぎる)で、自分の感覚/予算に合う品が見つかりません。

 そんな時ふとヤフオクが目にとまり、探してみると直径約2cmの弩級スピーカーケーブルが安価で出品されているではありませんか。
 少し流れを眺めた後、あまりにも安いので怪しいなと思いつつ、でも落札価格は1~2万円程度でそこそこ、出品者の評価は悪くないことを確認し、まあだまされてもいいかと開き直って落札しました。
 品物は「Monster M2.4s」。
 定価は数十万円とのことですが、一ケタ少ない価格で購入できました(やっぱり怪しい?)。

 さて、品物が本日届きました。
 その重さとボリュームにビックリ。包みを開けてみるとほんとに直径が2cmくらいあり、知らない人が見るとその色つやからヘビと勘違いすること間違いなし。
 バナナプラグ仕様にあらかじめ加工してあるので、早速従来のものと交換して聴いてみました。

 「す、すごい!」

 スピーカーは同じなのに、出てくる音がこれほど違うとは・・・。
 情報量が数倍に増えた感じです。
 一つ一つの音の立体感と深みが増し、オーケストラが大きくなりました。カラヤンの「アダージョ」というアルバムを聴くと、感動的なほどに弦楽器のつややかな音が部屋に満ちあふれ、幸せな気分になれます。
 それから共鳴音というか、響き・余韻が違います。
 お寺の鐘の音が「ゴ~ン~ゥワ~ン~ワ~ン~ワ~ン・・・」と響くあの感じがふつうの楽器から聞こえてくるのです。今までは気づかなかったのに。

 気がつくとボリュームをどんどん大きくしていました。
 買いためた数千枚のCDを聴き直したくなりました。

 現在「Onkyo Scepter 1001」と「TAD TSM-2201-LR」の2つのスピーカーを使用しています。
 前者は15年以上前のオーディオ全盛時代の中級~上級機、後者は最新型の小型モニタースピーカー。両者共に、評価の高い製品で、前者は故・長岡氏、後者はあの吉田苑でも高評価。

 今回購入したスピーカーケーブルを使用して比較しました。
 軍配は Scepter1001に上がりました。
 ジャズのピアノトリオを聴くと、ピアノの奥でサポートするドラマーの繊細なブラッシュワークが、前者では音楽に聞こえますが、後者では雑音に聞こえてしまいました。
 購入価格は後者の方が高かったのですけど・・・。

※ 脱線しますが「弩級」の語源をご存じですか?
 ギターで「ドレッドノート」型というのがありますが、これは米国の戦艦の名前で、その当時、常識破りの大きさたっだことから、並外れて大きいことを「ドレッドノート級」と表現するようになり、これを省略して「ド級」→ 「弩級」となったとか。


後日談
 その後、オーディオに詳しい方に聞いたら、私がネットオークションで入手したスピーカーケーブルのほとんどが中国製の偽造品であることが判明しました(涙)。しかし、値段の方はともかく、耳までもだまされてしまったことが恥ずかしい・・・ちょっと自信をなくしました。

スピーカー変更:JBL S3800→ ONKYO Scepter 1001

2012年11月05日 | オーディオ
 ひょんなきっかけで、スピーカーを替えることになりました。
 しかも、新品ではなく20年前に発売された中古モデルへ逆行です。

 ONKYO Scepter 1001(1993年発売)は、実は10年前まで愛用していた馴染みのモデル。
 引っ越しの際に業者さんがどこかにぶつけて見事にスコーカーをつぶしてしまったため、泣く泣く手放したのでした。当時すでに販売終了していたので、それでは別のモデルをと物色し目をつけたのがJBL S3800(2004年発売)。
 私が部屋で聴く音楽はジャズ/クラシック中心です。その時は昔から憧れていたジャズをジャズらしく鳴らすJBLを選択しました。

JBL S3800
 S3800が届いてセッティングして鳴らすと・・・あれ!?
 中音域はエネルギーがあって迫力満点なのですが、肝心の低音がブーミーとなりベースがボワンボワンしてしまい聴くに堪えません。ネット情報を読んでバスレフのダクトにタオルを詰め込んでみたりしましたが、それでも低音が暴れるのを制御しきれませんでした。
 ガッカリして、しばらくオーディオ熱が冷めてしまいました。

 今考えると、やはりJBLのスピーカーはアメリカの大きな家の広い部屋で聴くのに合わせて作ってあることに気づかされます。バスレフポートが後ろにあるS3800はスピーカー後方に十分な空間を置かなければ音がこもってしまうのです。しかし、日本の6~8畳間でそのスペースを確保するのは至難の業。
 つまり、JBLのスピーカーを壁につけて鳴らしても本領発揮できません。セッティングに難があるのにスピーカー自身を責めるのは可哀想というもの。
 まあ一言で云えば、私には使いこなせなかったと云うことです。

ONKYO Scepter 1001
 さて、Scepter1001は日本製。当時の定価はペアで30万円でした。
 銘器として知られ、音像定位も音場感も優秀な希有なモデルです。
 透明感がありかつ芯のある音、低音もブーミーさと無縁で心地よく響き渡ります。クラシックのオーケストラ演奏を優雅に再生する一方で、ジャズもそこで演奏しているかのようにタイトな音で聴かせてくれるので、まさに私好み。

 今回は、業者さんによるメンテ済みの中古品がヤフオクで出品されているのが目にとまり、昔なじみへのあいさつ代わりに入札していたら、予想より価格が伸びずに落札してしまったのでした(8万円台)。
 7年振りに旧友と再会した気分です。「ああ、この音、この音」と懐かしさを覚えました。
 お気に入りのアンドルー・マンゼのバロック・ヴァイオリンのかすかな摩擦音を楽器の息づかいのように聴かせてくれます。

 20年前のモデルですが、故・長岡鉄男氏が絶賛したスピーカーだけのことはあります。彼のこんなコメントが残されています;

<セプター1001 > 最近のスピーカーは非力なユニット、軽量キャビネットというのが主流だが、これに真っ向から挑戦する、これぞピュアオーディオという明快なサウンド。全域にわたってトランジェントがよく、ハードでダイナミックな低音、目のさめるようなヌケのよい、透明度の高い中高音、情報量が多く、歪みは少なく、そう快である。音場感はスコーカーが支配しているので小口径フルレンジなみに優れている。ソース次第アンプ次第でいくらでもよくなるし、悪くもなるというスピーカーだ。なよなよしたコンパクトスピーカーに慣れている人には向かない。CPは特に高い。

★ 「長岡鉄男のダイナミック大賞 スピーカー部門 1993年で大賞受賞

 現在、これ以上の音を望むなら、100万円以上かかるのではないでしょうか。KRIPTON Vigore KX-1000FOSTEX G2000 なども狙っていたのですが、縁のあるこのScepter 1001をしばらく愛用したいと思います。

<後日談>2012.11.8
 当初 Scepter 1001 購入後も S3800 と併べて聞き比べをしようと考えていましたが、Scepter を一聴して S3800 を手放す決心ができました。2階の床も総重量200kgのグランドピアノ並みの負荷には耐えられそうになかったので。
 本日、ヤマトの「らくらく家財便」でオーディオ専門ショップの買取部門に送りました。使いこなせる人にかわいがってもらえることを祈りつつ・・・。


<Scepter1001の解説>・・・ネット上で見つけた解説文です。
 実際に音楽を演奏した際の多くの情報を可能な限り再現するために、不必要なものを加えず、必要なものを失わないという思想を貫いて開発されたスピーカーシステム。
 低域には30cmのコーン型ユニットが採用されています。 オンキョーが提唱していたMDCT(磁気低減技術)により、磁気回路で発生する磁気歪をポールピースやトッププレー トの形状の改善、銅ショートリングや銅キャップの採用により低減化しています。 そして、このMDCTの考え方をさらに押し進めたショートボイスコイルを採用しています。これは、磁気回路を大型化して、ボイスコイルが常に均一な磁束密度の中で振幅するように設計されており、ロングボイスコイルに比べて歪が少なく、一定の電磁制動がかかった状態で差動するため、分解能が向上しています。 多量の情報を漏らさず伝送するために、ボイスコイル用巻線は99.9999%超高純度無酸素銅(6N-OFC)を採用しています。
 また、振動板にはバイオテクノロジーから生まれた、バイオクロスコーンを採用しています。 この振動板は、北極圏に近い高緯度地域で産出された密度の高い木材パルプに、天然セルロースの中でも最も結晶度の高いホヤのセルロースを精製して混抄することにより、軽量、高剛性、高内部ロス、高気密性といった振動板 にとって重要な諸特性を改善しています。 エッジ材には直線性に優れたハイ・リニアリティ・エラストマー・エッジを新開発し、採用しています。
 中域には振動板とボイスコイルボビンが一体構造のアルミマグネシウム合金ダイアフラムを採用した8cmドーム型ユニットを採用しています。 この一体構造タイプは振動板とボビンの間に接着剤が介在しないため、音楽信号に対する追従性が高く、さらに、振動系の軽量化と高剛性化も実現でき、高解像度な中域の再生を実現しています。 また、磁気回路には磁気歪を低減するMDCTの技術も投入されています。 さらに、磁性体で出来ているパンチングネットが、磁気回路の一部となり、本来磁気ギャップに集中すべき磁束が前面に多く飛び出て、音楽信号が入力されるときに発生する交流磁束と干渉を起こし、歪を発生させるのを防ぐため、 小型高性能サマリウム・コバルト・マグネットをパンチングネットに取り付け、振動板前面に磁束が通過するのを防止しています。 さらに、このキャンセルマグネットを制振性のある素材で挟むことで、パンチングネットの鳴きを抑えています。
 高域には中域同様に、振動板とボイスコイルボビンが一体構造となった2.5cmドーム型ユニットが採用されています。 さらに、素材には従来のトゥイーターに比べ、約25%軽量化されたアルミマグネシウム合金を採用しています。 また、磁気回路には、銅ショートリングを使用したMDCT技術を採用し、解像度が向上しています。
 ネットワークにはユニットのクオリティを発揮させるため、厳選されたパーツをふんだんに投入しており、さらにそれぞれのユニットの帯域別に3分割配置して相互誘導を排除しています。 また、ネットワーク用パーツだけでなく、配線材に至るまで防振対策を施し、入力された信号が劣化無く各ユニットに伝送されるように配置しています。 エンクロージャーの前面バッフルには硬度が高く、響きのよい針葉樹系MDFを使用しています。この前面バッフルと側面は厚さ50mmの板厚を有し、さらにキャビネットの高剛性化と響きの調整のために、響棒を用いるとともに補強にも入念な工夫がされています。 前面のバッフルは半径55mmという大きなラウンドをもたせ、音の反射・回折を抑えています。 さらに、各ユニットの振動板の反作用の振動が、磁気回路からフレームを経て前面バッフルに伝わる事によって、他 のユニットに悪影響を及ぼすのを防ぐため、前面バッフルの裏面の各ユニット固定部の間にスリットを設けて、ユニット相互の振動干渉を解決するアイソレート・マウント方式を採用しています。
 別売りで専用スピーカースタンドがあります。 このスタンドは秀れた振動減衰特性を持つミズメザクラを積層構造にして、それに特殊樹脂を含浸させて、高音・高 圧下で高比重に圧縮・形成した積層強化材を使用しています。 これにより高い剛性と共振排除性を獲得しています。

オーディオショップでスピーカー談議

2012年09月29日 | オーディオ
 10年以上前から、たまに足が向く地元のオーディオ・ショップがあります。
 「エレックス」という名前です。
 新品より中古がメインで、スピーカー中心にオリジナル商品も自作している、マニアックなお店。

 数ヶ月前に店舗移転のハガキが来ていたのですが、本日ようやくその気になり覗いてみました。
 店舗移転の経緯を尋ねると、前オーナーが亡くなったためとのこと。
 以前は高層アパートの1階でしたが、現在は大きなプレハブ造りでガレージ・ショップという雰囲気です。
 
 戸を開けて中に入ると、おびただしい数のオーディオ機器が雑然と並んでいます。
 中央には大きな木製ホーンが重なるスピーカーシステムが鎮座していました。

 あれ? 嗜好が変わったのかな?

 以前はアルミ無垢のスリムなスピーカーがメインで「抜けのよい音」を目指していると前オーナーが熱く語ってくれたものでした。
 その昔のスピーカーは端によけられ、なんと値札がついて売りに出されており、一抹の寂しさを感じました。

 さて、巨大なホーンを従えたスピーカーを試聴させてもらいました。
 うん、すごく素直でストレートな音。
 こもるでもなく、大げさに広げるでもなく、聴いていて飽きない疲れない音。

 特徴を解説してもらいました。
 まず、各スピーカーユニットの位置に注目。
 ウーファー、スコーカー、ツィーターは微妙に前後にずれて配置されています。
 音の位相がずれてまとまりがなくなりそうなものですが、これを最新技術が支えているとのこと。
 デジタル・チャンネル・デバイダーという機器が、位相を調節してピタリと合わせてくれるらしいのです。
 昔のアナログ機器の時代には不可能だったと説明されました。

 それから ホーン型のメリット。
 「音圧を強くするには大きな口径が必要だが、口径が大きくなるほどコーン部の強度が低下する。強度を保ちつつ音圧を強くするには、口径をそこそこにしてホーンで増幅という形式が有利に働く。」
 とのこと。

 最近、ネット上で見つけたJBLの古いスピーカーが気になっています。
 その型番は「4425」。1985年発売で今は廃番となり、4428→ 4429と進化して現在に至ります。
 4425はスタジオモニターの位置づけで、30cmのウーファーとバイラジアル・ホーンを備えたシステム。
 「音は荒いけど音圧で勝負」タイプで、ジャズがジャズらしく聞こえるJBLの名作と評され、今でも愛好家がたくさんいます。
 一方、クラシック系の弦楽器を繊細に表現するのは苦手です。

 久しぶりにお店へ行く気持ちになったのは、25年前のスピーカーは買いか?という疑問に答えが欲しかったからかもしれません。
 現オーナーに意見を聞いてみました。
 すると想定外の答えが返ってきました。

 レコードを再生する目的がメインのスピーカーと、デジタル録音時代のスピーカーは、別のスピーカーと考えた方がよい、とのこと。以下に要点を記します;

 レコード時代の録音は、低音部は弱く、高音部は強くが原則だった。
 これは低音をないがしろにしているわけではなく、低音部の情報量を多くするとレコードの溝を掘るときに深く蛇行し、再生時に針が滑ってトレースが難しくなると云う技術上の理由から。
 なので、低音部は抑えめにして録音し、再生するときに「フォノイコライザー」で増幅・調整してスピーカーに信号を送る羽目になった。
 当時のスピーカーは、1000Hz以上の中高音部、つまり情報が詰まっているところをキレイに再生できるよう作られた。
 なぜって、低音部にお金をかけても、元々情報量が少ないからよい音にはなり得ない。
 実際にスピーカーの駆動力に直結する裏面の磁石は、ウーファーよりスコーカーの方が強力なものが使用された。
 CD時代となり、そのような機器の欠点がなくなると、すべての周波数をフラットに録音・再生できるようになった。その時代のスピーカーは、低音部も手抜きがされないようになった。
 よく「レコードの方が音が柔らかく豊かだった、CDはなぜあんな硬い音がするんだ。」という声を耳にするが、あれは情報量の少ないぼやけた低音部に耳が慣れてしまったからだ。


 と、こんな解説でした。
 だから昔のスピーカーにこだわって中古品を買うよりは、近年の技術を詰め込んで開発された新しいスピーカーの方がよいでしょう、とアドバイスされました。

 御意!

 他にもスピーカー関係の蘊蓄を聴いてきました;

スピーカーに箱は要らない。
 スピーカーのコーンは電圧で前後に振動して音を出す仕組みだが、一番ストレスなく自由に動けるのは前後の空気圧が同じ時。
 しかし、箱に取り付けると内圧がどうしても高くなるので、前に動きやすいが後ろに戻りにくいという欠点を抱えてしまう。なので、箱をなくした、板にスピーカーユニットを取り付けるだけの方がよい音が出る。
 さらには、スピーカーユニットの裏面には当然ながら金具と磁石がついており、これも前後の空気圧に差を作ることになりコーンの振動にとっては邪魔になる。
 この欠点を解決したのが「シーメンス社の鉄仮面」という愛称で知られるスピーカーユニット。前面についている金具は保護のためではなく、前後の空気圧を均等にするための装備。

ユニットを複数並べると位相の関係で高音域が出なくなる
 複数(3つ以上)のウーファーを並べているトールボーイ型スピーカーを見かけるが、低音域は周波数が低く波長が長いので同調してパワーアップする一方で、高音域は周波数が高く波長が短いので同調しにくくお互いに打ち消し合ってしまう傾向がある。なので性能のよいツィーターが必要となる。


 このようなお話を、珈琲をすすりながら、音楽を聴きながら拝聴し、楽しい午後となりました。
 昔のオリジナルスピーカーのスカッと抜けのよい音もよかったなあ、買っちゃおうかなあ・・・。