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著作権法

著作権法についてしっかり考えてみませんか。

映画の著作物の保護期間

2006-07-27 23:35:18 | Weblog
 ■昔製作された「個人」が著作者の場合の保護期間は?

 「ローマの休日」の保護期間が話題になったとき、この映画は1953年公開で公開後50年か70年かが大きな争点となっていました。しかし、映画の著作物は、1970までの日本の著作権法では、法人が著作者の場合は公表後33年でしたが、実は個人が著作者の場合には、その個人の死後38年という規定になっていました。そして、1971年の現行の著作権法では、一律公表後50年となったのですが、個人が著作者であるものは38年という旧法の規定で計算したほうが長くなる場合には、保護期間はそちらによるということになっていました。2004年1月1日に公表後70年に延長された際にも、死後38年のほうが長ければ、そちらで計算することとなります。

 ■黒澤明監督「羅生門」は?

 そのようなことから、例えば、黒澤明監督の作品で「大映」が著作者ではないものは、監督がなくなったのは1998年9月ですから、なくなった年の38年後である2036年末まで保護が継続することとなります。
 「羅生門」は1950年公表ですが、大映が著作者であるなら2000年には保護は切れていますが、黒澤監督が著作者とされるのであれば2036年まで保護が継続されることとなります。

 小津安二郎監督作品のものはどうなるのでしょうか。1963年の12月になくなっているので、死後38年とすると2001年には切れています。したがって死後38年という算出方法は、意味をなしていません。

 「羅生門」は、大映を受け継いだ角川の許諾を得ずにDVD化がなされているものがあるようです。もしかするとまた裁判になるのかもしれませんね。