著作権法

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検索エンジン

2007-01-28 01:25:08 | Weblog
 グーグルにしても、ヤフーにしても、日本で多く利用されている検索エンジンは、海外のもの、特に米国のものです。
 日本の企業や官庁、研究機関などが何を検索しているのかは、米国に筒抜けになっています。

 このような状態は、日本の「国益」上好ましいはずはありません。

 日本が何をしようとしているのか、米国に知られてしまいます。

 また、グーグルなどは中国政府に協力して、「検閲」のようなことをしています。
 そういう会社であるグーグルが、例えば、米国政府の情報機関と協力して、特定国からの特定のキーワードによる検索の結果について、何らかの操作をする可能性はゼロとはいえません。

 日本発の検索エンジンが必要であるというのは、非常によくわかります。

 そのために経済産業省は、開発経費を予算計上したといいます。そして、著作権法の改正も必要だと主張しているようです。

 確かに、検索エンジンは、検索のたびに地球上のあらゆるサイトをいちいちチェックするのでは時間がかかりすぎます。必要に応じて定期的に訪問しキャッシュとしてとっておいて、そこに検索をかけた方が、早く結果を得られることは明らかなのでしょう。

 しかし、そこに著作権法の問題が生じてくるといいます。

 キャッシュとして採っておく行為は、「複製」を行っていることに他なりません。また、検索結果の表示の際に、そのキャッシュを検索を行った者に送付しうるようにするときには、「自動公衆送信」しているといえるのではないかと思います。
 日本の法律に照らすと、いまグーグルなどが行っている検索の方法は、日本では不可能になってしまいます。

 ではなぜグーグルは米国で、そうしたことができるのでしょうか。

 それは、米国にはフェアユースという規定があって、利用者のリスクで、著作物を許諾なく利用することができるからだと言われています。

 で、グーグルはWebサイトの情報だけでなく、書籍出版物についても、データとして取り込み、検索の対象としようとしているという話もありますし、それに対しては、訴訟が起こされているといいます。

 日本はフェアユースの規定はありませんので、そのように利用者のリスクで著作物を利用することはできません。「制限規定」がないとグーグル型の検索は不可能です。
 そのようなことから、日本でグーグル方式の検索エンジンを軌道に乗せるには、「検索のために必要な場合には著作物を複製することができる」といった著作権の制限規定が必要とされるのです。


 ・・・・しかし、日本で検索エンジンをどこかが作ろうとするのでしょうか。もしそういうところが出てくる場合には、「日本の国益」の観点から、権利制限規定を設けることも、政策としては必要だと思います。

 だが、本当に日本で検索エンジンができるのでしょうか?
 私は悲観的に考えています。

 検索エンジンの問題は、国産のものを開発することにより解決を図るというよりも、検索エンジンを提供する者の社会的な責任を明確にすることにより解決されるべき問題のようなきがします。

 特定の国の検閲に協力したり、特定の意図を持って検索結果を操作することは、大きな問題を孕んでいます。
 中国の人権問題を糾弾する米国人は、なぜグーグルを非難しないのでしょうか?

 私は国際的な場で、そうしたことを議論して、各国がそれぞれの国内法で検索エンジンの運営に関する立法をするとともに、国際的に検索エンジンの活動を監視する体制を構築すべきと思います。

 この際日本がEUやアジア諸国とともに、そうしたことを国際的に打ち出したらいいのではないかと思います。

 グーグルだって「フェアユース」を裁判上主張するのであれば、一定の公共的な責任を果たすべきではないでしょうか。中国政府の検閲に協力するような使い方をしていて、「フェアユースだから複製する特権があってもよい」などと主張するのは、非常におかしなことだと思います。

 そうした公共的な責任がきちんと果たされるのであれば、日本発の検索エンジンの開発する必要性も小さくなるでしょう。

 もちろん日本発の検索エンジンがあればそれに越したことはありませんが、官の強力な後押しがあったとしても、それは実現されるのでしょうか?
 グーグルやヤフーなどには勝てないような気がしてなりません。

 経済産業省の役人はなにかしていないと自分達の存在意義がなくなってしまうので、今回検索エンジンをいっているのでしょう。
 何十億円もの開発経費・・むだになってしまうのではないでしょうか。