ジャパンCに出走する外国各馬の追い切りが26日早朝、東京競馬場で行われた。その中でも、軽快な動きを見せたのがフランスから参戦のシリュスデゼーグルだ。芝コースで軽めの内容ながら「走る意欲があって充実している」とC・バランドバルブ調教師は満足の様子。
26戦してすべて5着以内の堅実派が、ビッグタイトル制覇に意欲満々だ。デビューから26戦して、すべて5着以内。安定した走りを見せてきたのが、フランスのシリュスデゼーグルだ。26日は東京芝コースで追われ、5ハロン71秒2、3ハロン40秒0-13秒2を単走でマーク。堅実派が素軽い動きを見せ、大一番への態勢を整えた。
「追い切りはいい感じでしたね。行きたがる面がありますが、きょうはいい手応えでした。走る意欲があって充実しており、いい状態です」
女性トレーナーのコリン・バランドバルブ調教師が好感触を伝える。GI勝ちはなく、実績では一枚劣るが、ジャパンC参戦の意欲は早くから持っていた。バランドバルブ師は大の親日派。社台ファーム・吉田照哉氏の所有馬を預託されるケースがあり、武豊騎手の欧州遠征時には騎乗機会も提供してきた。日本競馬の情報はくまなく把握。そのうえで送り込んできたのがこの馬なのだ。
「昨日(25日)、雨が降りましたが、(馬場が)重くならなくてよかったです。馬はこの競馬場を気に入っているようですね」
戦歴に大崩れがなく、基本的には「どんな馬場でも大丈夫」(バランドバルブ師)だが、日本に連れてきたのは、時計の速い馬場に対応できると見込んだからこそ。昨年12月の香港GI、香港ヴァーズは5着ながら着差はわずかで、4着ジャガーメイルとは0秒1差だった。好勝負できるだけの計算は、十分に成り立つ存在だ。
「大外枠は有利とは言えませんが、外を回らないようにして、リズムを守るしかありません。展開を考えて乗ってもらいます」
(18)番枠という極端なスタートには眉をひそめたが、持ち前の自在性で克服するつもりだ。昨年は1年間に17走もこなしたタフガイ。地味でも確かな安定感を誇るシリュスデゼーグルが、大外枠から虎視眈々と一発を狙う。(黒田栄一郎)
【JC】シリュスデゼーグル、すこぶる順調・DA