強い4歳世代から、電撃界の主役候補が誕生だ。58キロをものともせず、ダッシャーゴーゴーが2度目の重賞制覇。最高の形で年明け初戦を飾り、再びGIの舞台に殴り込みをかける。
「いい内容で勝ってくれました。この馬には申し訳ない思いがあったので…。ホッとしています」
会心の勝利にも、川田将雅騎手は神妙な面持ちだ。昨年のスプリンターズSでは、勝った香港のウルトラファンタジーからハナ差の2位に入線しながら、進路妨害で4着降着となった苦い思いがある。「ボクだけの責任で迷惑をかけてしまった」。因縁の中山で、借りを返したい一心だった。
鞍上とは対照的に、安田隆行調教師は「使ってからかと思ったけど、うれしい誤算。馬体増(14キロ)も成長分です」と喜色満面だ。これでフェブラリーSのトランセンドに続くGI連勝も見えてきたが、トランセンドが26日のドバイワールドCに出走するため、27日の高松宮記念当日は不在の予定。「ボクは見られないんですよ」とぜいたくな悩みまで出てきている。
「次はGI? 馬にも関係者にも、いい形で恩返しがしたいです」。川田にとって、真のリベンジは本番を勝つこと。成長著しい4歳の代表馬として、堂々と王座を奪いに行く。(越智健一)