条件そろった!サンデー/ダービー卿CT <NI
<高木一成の読み切った!!:ダービー卿CT>
中山4日目のメーンは古馬によるG3のマイル戦、ダービー卿CT。安田記念3着の実績があるファリダットに57・5キロのトップハンデが課された。3連単マスター高木一成は54キロと恵まれたサニーサンデーの先行力に期待する。
サニーサンデーの先行力を買う。昨秋の福島記念では開催後半の荒れ馬場をこなしたが、前走の中山記念(13着)は勝手が違った。勝ちタイムは1分51秒7で、ダートとの逆転現象(10R両国Sが1分51秒1)が起きるほどの不良馬場。時計のかかる芝は大得意のオペラハウス産駒ワンツーに、道悪の鬼ショウワモダンが3着と、特殊な馬場状態だった。跳びの大きなサニーサンデーが勝負どころでのめって後退したのは責められない。
今回は巻き返しの条件がそろう。まずは吉田隼騎手が「合うと思っていた」というマイルに替わる点。中距離でスローペースになると折り合いに気を使う面があったが、マイルの流れなら無理に抑えなくても自分のスピードで飛ばしていけばいい。実際、中山マイルでは2戦して、2度の逃げ切り勝ち。下のクラスでの実績とはいえ、コース適性が高いのは間違いない。
加えて、先行激化にならなそうなのもプラス。前走控える競馬で好走したマイネルファルケは以前のようにハナにこだわらないだろうし、少し前めで競馬をした阪急杯で伸びを欠いたトライアンフマーチも先行勢の後ろで脚をためたいはず。サニーが逃げるか、控えるかは別としても、内から楽な先行態勢に持ち込める。ただ、切れ味勝負では分が悪いだけに、狙いは少なくとも4角先頭の積極策。たんたんとした流れを利して、後続の追撃を封じる。勝ち馬とコンマ1秒差の好走をした中山金杯と同じ54キロなら重賞2勝目のチャンスだ。
相手は先行してしぶといマイネルファルケ。マイルCS2着の実績は、ここでは胸を張れる。トライアンフマーチもまとめて差し切れる決め手を秘める。馬単(3)=(8)、(3)=(12)、(3)(7)、(3)(1)、(3)(4)、(3)(13)、(3)(15)。
[2010年4月4日8時5分 紙面から]
サンデー絶好の動き/ダービー卿CT <NI
<ダービー卿CT:追い切り>
反撃の準備は整った。ダービー卿CT(G3、芝1600メートル、4日=中山)の最終追い切りで、サニーサンデー(牡4、谷原)が絶好の動きを披露した。ウッドを単走で5ハロン67秒5、ラスト12秒2。前走の中山記念は道悪がこたえて13着に沈んだが、2戦2勝の中山マイルで巻き返しだ。
ウッドチップを蹴り飛ばしながら、谷原師が「もっとやれる馬なんだ」と期待をかけるサニーサンデーが加速していく。首を大きく使い、3コーナーからさらにスピードは上昇。外めを回りながら、単走で5ハロン67秒5、ラスト1ハロン12秒2の好時計をたたき出した。トレーナーは「前回に比べて上がりの時計は速かったね。軽く仕掛けただけなのにいい伸びだった。攻めの感じからは上積みがありそうだ」と破顔一笑。好調ぶりに目を細めれば、手綱を取った吉田隼騎手も「最後は気を抜かせないようにした。以前よりも折り合い面で成長した」と納得の表情で最終調整を終えた。
前走の中山記念は道悪の影響から13着に沈んだが、2戦2勝の中山マイルで反撃が始まる。ジョッキーも「もともと中山マイルの方がいいと思っていた。スローペースの上がり勝負は分が悪いが、スタートもいいし二の脚もある。淡々と流れるようなレースをつくりたい」と今度こその気持ちだ。気性の勝った部分があるため、距離短縮がプラスに働く可能性は十分。「距離適性がはっきりしないが、ここでいいレースをすればマイル路線に行きたい。距離で変わって欲しい」と同師。今後の方針を決める意味合いもあり、この一戦へ込める期待は大きい。
ダービー卿CTは、過去5年で3連単100万馬券が2度も飛び出している。ハンデ頭もわずか1連対にとどまっており、大荒れ必至のレースといえる。「スピードタイプなので」(同師)と馬場状態に注文がつくが、良馬場なら高速決着の福島記念を押し切った先行力が生きる。状態は絶好。あとは天の味方があれば波乱の使者になれる。【松本岳志】
[2010年4月2日7時51分 紙面から]
【ダービー卿CT】サニー、精神面成長! <DA
吉田隼を背にスピード感に満ちた動きを見せたサニーサンデー=美浦トレセン(撮影・三好信也)
「ダービー卿CT・G3」(4日、中山)
無敗の舞台で反撃に出る。最終追い切りが1日、美浦トレセンで行われ、吉田隼を背に、サニーサンデーがWをスピード感たっぷりに駆け抜けた。不良馬場で13着と大敗した前走の中山記念は度外視が可能。時計のかかる馬場を味方に、重賞2勝目を狙う。
◇ ◇
持ち前のスピードを生かしたい。美浦Wで吉田隼を背にした栗毛の馬体が、ハロー(馬場整備)直後のきれいな馬場を前へ前へと突き進む。中山記念13着からの巻き返しに燃えるサニーサンデーは滑らかな加速で4角を回り、直線へ。ラストで鞍上が手綱をしごくと、しぶとく脚を伸ばし、時計は5F67秒4‐36秒8‐12秒4。スピードの持続力を存分に誇示した。
谷原師は精神面の成長を強調した。「以前はカッとするところがあって追い切りも大変だった。それに比べると、随分と折り合いもつくようになったよ。今は6Fからでもフワッと走れるようになったからね」。一方、騎乗した吉田隼はそのスピードに舌を巻く。「気性面で大人になってきていますが、その分、パワーアップもしていますからね。今でもコントロールするのは大変ですよ。だから、中山のマイル戦は合うと思うんです」と距離短縮に期待する。
4番人気に推された前走の敗因を「不良馬場でノメッていたから」と師は分析する。天気予報ではレース当日までに雨が降る可能性が高く、今回もパンパンの良馬場とはいかないかもしれない。ただ、吉田隼は「切れるタイプではないので、少し時計のかかる馬場はプラスだと思います」と歓迎ムード。続けて「どうしてもハナにというわけではありませんが、淡々と流れるペースを自分でつくるぐらいの気持ちで乗ります」とVイメージもでき上がっている。
マイル路線に新風を吹き込むか。未勝利、500万下を連勝し、2戦2勝の実績を残す舞台。2度目の重賞タイトル奪取を狙う4歳馬の走りに注目だ。