「マイルチャンピオンシップ・G1」(21日、京都)
ついに目覚める。不振が続いている安田記念馬ショウワモダンに、復活ムードが漂ってきた。不利もあって16着と大敗したが、秋の天皇賞で兆しは見せている。毎日王冠で始動し、この秋4戦目となる強行軍を経て、走る気を見せ始めた春のマイル王。父は99年に安田記念、マイルCSを制したエアジハードだ。春秋マイルG1制圧へ、実力馬が上昇を描いている。
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毎日王冠から数え、この秋早くも4走目。ショウワモダンのローテーションに、首をかしげたくなるファンも多いことだろう。しかし“ヤケクソ”でも何でもない。秋の最大目標であるこのレースに向けて、陣営が考え抜いた末の選択だった。
春のマイル王を、杉浦師はこう表現する。「変なヤツなんですよ」。牝馬のあとを追いかけ回したり、雨が降ると張り切って走ったり。ひと筋縄ではいかない性格だが、この春はすべてがいい方向に向いていた。
しかし、夏の放牧で緊張の糸が切れた。2番人気に推された毎日王冠では9着。指揮官は「やる気を起こさせるには時間がかかる。どんどん実戦に使っていかないと」と感じたという。3走目となった前走の天皇賞・秋では、ようやくこの馬らしい“うるささ”が戻ってきた。「ヨシトミ(柴田善)が“不利がなければ掲示板はあった”と言っていた。だいぶ走る気になってきたようだな」と前進を口にする。
水曜の最終追い切りに騎乗した杉浦師は「3連勝時に比べて、まだギア半分くらい落ちる感じはある。でも、間違いなく良くなっているよ。手のなかに残る感触が出てきたからね」と期待を膨らませる。そして、ファンに「この秋は迷惑をかけたけど、あきらめずについてきてほしい」とメッセージを送った。春の王者の目覚めを見逃してはならない。