「平安S・G3」(24日、京都)
このシーズンを待っていた。ユウキタイティは冬場にめっぽう強い。オープン入り後の7戦は掲示板すらままならないが、今度は違う。得意の季節、距離延長、充実一途の状態面、すべてがかみ合おうとしている。連闘で臨むG3の舞台。祖母に95年オークス2着のユウキビバーチェを持つ6歳馬が、重賞のステージで一発を狙っている。
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機は熟した。ユウキタイティが意欲の連闘策で重賞獲りを狙う。先週の大和Sでは7着。それでも、陣営は手応えをつかんだという。「勝ち鞍がなくて、決して条件が合うとは言えない千四なのに勝ち馬と0秒4差。大したものだよ」と西橋助手は高く評価する。
7着に敗れた2走前も1400メートル戦だが、当時はメンバー最速の上がり3F36秒8を記録した。「ここ2走が千四なのに内容がいい。今は出来がいいんだ」。仕上げ人はその背中から伝わる感触の良さに目を細める。
元来が冬に強いタイプと言える。12月~2月に3勝と好成績を残してきた。特に昨年2月の準オープン勝ちが圧巻だ。直線で早めに抜け出し、最後は遊ぶ面を見せながらの完勝だった。「夏負けするし、夏場は弱いからね。寒い時季が得意なんだ」。強行軍でも状態面の良さは保証済みだ。
距離もいい。未勝利時に3着が2度あっただけの7F戦に対し、9F戦では勝ち鞍5勝のうち、4勝(残る1勝は1700メートル)を挙げている。なかでも、京都の1800メートルは1000万下と準オープンでタイム差なしの2着がある舞台だ。10着に敗れたアンタレスSは道悪で、時計の速い決着が向かなかっただけ。トパーズSの12着も7カ月ぶりの休養明けだった。
西橋助手も巻き返しに力を込める。「直線でタレた感じでも、そこからしぶとく伸びてくるタイプ。1800メートルはいいからね」。得意の季節に加えて、舞台設定もベストだ。充実一途の6歳馬が重賞獲りでアッと言わせる。