水銀党本部執務室

冬月のブログです。水銀党本部の活動や、政治社会問題、日常の中で感じた事など様々なテーマで不定期に更新されております。

終戦の日・・・靖国と蝉

2007-08-17 22:11:57 | Weblog
道端でね、蝉が死んでいたんですよ。



8月14日は小学校や中学から同期の友人達と恒例の飲み会をやったんですが、中には夏休みという事で東京に帰っているけど普段は遠い東北の大学とかに行ってる奴もいまして、久しぶりに会えて浮かれたせいか、ついつい飲み過ぎてしまいました。
やはり、ウイスキーをストレートとかそういう次元を超えてグラスにジュースみたいについでカパカパ飲んだのがいけなかった(汗
家に帰ると頭が痛い・・・
服も着替えずにそのままベッドに倒れて寝てしまったんですが、それでも翌朝、目覚ましもないのに7時に自然と目が覚めました。

良かった。
これでもし酔い潰れていつもみたく午後まで寝てたら非国民と言われてしまう(笑

8月15日。終戦の日です。
早速顔を洗って歯を磨いて、綺麗な服に着替えて靖国神社に向かいます。
8月15日に参拝するのは、私は海外に行っていた二年前を除けばこれで5年連続になるでしょうか。

靖国神社は私の母校の隣にあって、家から歩いて20分ほどです。

途中神楽坂を通っていける楽しい散歩コースです(普通の季節なら)。

雨が降っていた四年前は、徒歩で行けたんですが・・・

家から一歩外に出て、徒歩は断念しました。

フライパンで焼かれる肉の気分がわかるような気がしました(笑
照り付ける陽光。
頭上の木からは蝉の大合唱。

8月の東京はアツイ。
特に今年は尋常じゃないです。
なんでも70年ぶりの猛暑だそうですね。

暑いだけじゃなくて、熱いんですよ(笑

日光を浴びると肌が痛い。痛いくらい熱いというのは、普段火傷以外では中々経験できません。

しかも立っているだけで全身から汗が吹き出してきて、タオルでふいてもふいても止まりません。
もう汗が「流れてくる」感覚ですね。
170円の電車賃をけちったばっかりに服が全部汗でぐっしょりになるのは避けたいので、無難に地下鉄に乗りました。

地下鉄をおりても、近道の通りが直射日光にさらされていてそこを歩いたらやばそうなので、日陰の道を探してわざわざ遠回りするはめに。
勿論今は温暖化の影響も少しはあるでしょうが、空襲で焼け野原になって日陰も無かった62年前の東京はどんなにか熱かったんだろうなと、そんなことを思いました。

神社の正面、大鳥居がある入り口には毎年全国から集まった遺族会の方々の大型バスで埋まっているので、普段は出る時に使っている、遊就館横の裏口に行きました。
途中、今差し押さえで話題の朝鮮総連の前を通ったのですが、気の毒に例によって警察にバリケードを張られて完全に封鎖されています。今日は靖国の警備も重なってひどく厳重です。機動隊の車に加え、何本もアンテナが立った公安のバンもいます。
青瓦の塀の中は、いつも通りひっそりとしておりました。ただ蝉の鳴き声だけが、通りに響いています。


さて、ようやく裏口につきますと、なんと二個小隊60人以上はいるでしょうか、警官がずらりと並んでいます。
この暑いのにご苦労な事で・・・
報道陣も詰め掛けていて、仕方なく正門にまわりました。

後で知ったのですが、この時、朝8時半、丁度小泉さんが参拝している時間だったそうです。
前日の情報で小泉さんが参拝する事は知っていたので、顔を見れたらいいなとミーハーな事を考えていたのですが、残念ながらすれ違う事はありませんでした。
これがもう少し涼しければ待っていてもいいんですが、あの暑さではそういうミーハーな発想は消し飛びます。いや、本当に暑い(汗。

いつもは参拝前に、あくまで儀礼としてひしゃくで少しすくって手にまぶす程度の水が、こんなに有り難いと思った事はありません!

正門から中門までの石畳では、テントが張られパイプ椅子が並べられて、式典の準備が進んでいます。
この暑い中、私も含めてほとんどの人が葬儀で着るのと同じ黒のダブルスーツで汗だく。中には汗でシャツが黄色く変色している人も。
途中の車寄せ沿いの昔からある売店には、冷たい飲み物やかき氷を求めて黒山の人だかりです。

金の菊花紋が輝く中門前では、遺族会の方々がバスごとに記念撮影をしていらっしゃいます。

辺りは、立食会場のように立ち話をしている人ばかり。

「安倍さんはなんでこないんだ」

「しかし現在の国際情勢を考えると・・・」

通り過ぎる時、私とそれほど歳の違わない二人の男性がそんな会話をしているのが聞こえました。

途中、靖国名物の白鳩を養うための「白鳩の会」に年会費一口1000円で入れる受付をやっていたのですが、この日はちょっとお金がなかったのでパス。
鳩さんごめんね。

人ごみの中で一人、TシャツにGパン、サングラスで明らかに浮いた格好の若い、今流行ってるスクールランブルの播磨ケンジ?みたいな顔の痩身の男性が一人、携帯で写真を撮って歩いています。
その顔がなんとなく記憶に残っていたのですが、後で家に帰ってネットを見たら、その男性はブログの管理人をしているいわゆる「ネット右翼」の方で、撮った写真をアップして自分が靖国に行った話をブログで自慢していました。
世界って狭いですね(笑。

献花するための花を500円で買って、いよいよ賽銭箱の前へ。

上で昇殿参拝している人達の姿を見ながら、横の台に花を置き、普段使われている賽銭箱の前にこの日だけ大きく広げられた白い布の中に賽銭を投げ、二礼二拍手、黙祷。黙祷を終えたら、一礼。

黙祷する時、心中で何を申し上げるかは・・・そうですね、人それぞれでしょう。

1分ほどで、今年の参拝は終わりました。

ちなみに、昇殿参拝は社務所でお金を払って予約すれば別に誰でもできます。
普通のお寺や神社と同じです。
私も、歳をとったらいずれは昇殿参拝がしたいなと思っています。
私は親族に戦死者がいないので靖国で偉そうな顔ができる身分でもないし、まだ若くて作法にも自信がないので、今は昇殿はしません(苦笑。


帰りも日光を避けて、外堀沿いの並木道を飯田橋駅に向かって歩きます。

頭の上では相変わらず蝉の鳴き声。
何千匹いるのでしょうか、まるで耳が痛くなる電子音だと勘違いするほどの高い音で、つんざくような大合唱。

ふと足元に、その蝉が死んで転がっているのに気付きました。
一匹だけじゃなく、あちこちに、死んだ蝉が落ちています。

蝉は成虫になると、一週間か二週間の命です。死骸は別に、珍しくもないのですが。


皆さん、蝉の死骸をご覧になった事がありますか。
蝉は死ぬと、大体お腹を上にして地面に転がるんですが、そのお腹が真っ白なんですよ。

ああいうのを、青白いっていうんでしょうね。

本当にぞっとするぐらい白くて、それで「ああ、この蝉は死んだんだな」って実感できる。

暑さも忘れて立ち止まって、その白いお腹を見ていて、私はなんだか悲しい気持ちになりました。



神社では、報道陣に政治家に右翼に左翼に神社を守る会の青年団員に、本当に大勢の人が押し合いへし合いの大騒ぎです。

木の上では、まだ生きている蝉がやかましい大合唱を続けています。



死んだ蝉は、人に踏まれて潰れ、車に轢かれるとアスファルトの上に化石のような模様が残るだけ。

蟻でさえ、熱すぎて自分が焦げるからでしょうか、出てきて死骸を運ぼうとしない。

ただ、転がって踏まれ、土くれになっていく。

誰も、死んだ蝉には気を留めないんですよね。




何かがおかしい。

8月15日、終戦の日は、国民誰もが黙祷し、戦死者の霊を弔う日だったはずです。
丁度、旧盆とも重なります。
自分達の先祖に対して、静かに感謝の祈りを捧げる、本当にそんな静かで、穏やかな日であったはずです。


それなのに、私が物心ついた時から、8月15日は政争の日だった。

毎年が泥沼の戦争だった。


何かがおかしい。

寂しく死んでいる蝉の亡骸が、私にそんな当たり前の事を気付かせてくれました。



16日になって山梨日々という左翼系の地方新聞が、安倍総理のいわゆる「あいまい戦略」を欺瞞だと批判する社説で、冒頭にこんな恨み言を書いていました。

「8月15日、我々報道陣は一日中靖国の境内に待機して、この炎天下の中を我慢しないといけなかった。安倍総理が参拝するかしないかを明確にしていないせいだ」

地方紙の記者は本音を素直に書くから可愛いですね(笑
いや、確かに君の気持ちはわかる(笑
同じ暑さを私も体験したわけですからよくわかります。
あの地獄のような暑さの中、自分の思想信条では来たくもない場所で、待たないといけないのはさぞかししんどかったでしょう。
気の毒ですな!

マスゴミ・・・私はこのネット右翼の好んで使う蔑称は嫌いですが、今はマスゴミというのが妥当でしょう・・・マスゴミは、どうせ総理が靖国に行っても行かなくても関係なく、批判する。

炎天下一日待って気の毒だった山梨新聞の記者に聞きたい。
誰のせいで、「あいまい」にしなければならないのか。
中国と韓国が反対するから?

アメリカはどうです。ロシアもイギリスもフランスも、ドイツやイタリアでさえ、ニュージーランドやシンガポールだってですよ、大小や過去を問わずどこの国も、世界中の、中韓の何倍の数の国から反対されても、自国がやるべき事はやっている。
つまり外国の圧力は本当は理由じゃない。

蒋介石の言葉を借りるなら、中韓の圧力など、日本にとって軽い皮膚の病気でしょう。

日本をおかしくしている本当に重たい内蔵の病気は、国内で足を引っ張る左派勢力だ。



いつになったら日本人は、この異常事態を抜け出して、8月15日に静かに先祖の慰霊ができるのでしょうか。

8月15日に政争をしている左右両翼の人間に、この蝉の亡骸を見て欲しい。

私には、誰からも顧みられず道端で踏みつけにされていた蝉の亡骸が、戦争で亡くなった日本人に対して現在の我々がしている仕打ちと重なって見えてならないのです。

8月6日に敢えて核を論じる

2007-08-06 03:40:23 | Weblog
今年も、8月6日がやってきました。
私の生まれ故郷でもある広島に、原子爆弾が投下された日です。
私の祖母は6日には山口に出かけていて投下からは逃れたのですが、その翌日に帰って残留放射能で二次被曝し、今も癌に苦しんでいます。先月も、見舞いで帰りました。
こうした国民感情に配慮してでしょうか。
私がそのリアリスティックな姿勢から愛読しているあの日本経済新聞も、この日ばかりは社説で核廃絶を訴えています。

核兵器はあってはならない兵器。
これは戦後日本国の平和教育の重要な柱です。

日頃は激しくいがみ合う右翼と左翼も、この前提については大勢が一致するはずだと思います。

私もはっきり言って、核兵器は発明してはならないものだったと考えています。
一言でいって、威力が大き過ぎる兵器です。

中学生の時に学校の平和研修で、一次被曝者の語り部さんから、被爆体験を聞かせて頂くという貴重な体験をしました。
丁度今日のような暑い日に、平和公園の木の下でうかがった話を、今でも目を閉じると克明に思い出します。


突然学校が崩れ、真っ暗になった。

上の方から担任の先生の呼びかける声がした。

「生きている者は自力で這い上がって来い、先生は助けに行けないから」と。

その声を頼りに這い上がれた。

ようやく外に出ると、先生は背中中ガラスが刺さって、黒こげで事切れていた。



話そのものなら、もっと悲惨な話があるでしょうが、大切だったのは、実際に体験した人の生の言葉を私の耳で受け取る、この『継承』でした。

日本人なら、一度は聞いておくべき話でした。
被曝者の高齢化が進んで、実際に被曝された方の話が聞けなくなる前に聞く事ができて、自分は幸運だったと思います。
少なくとも、私は忘れない。

しかし、この感情だけをもって非核を論じればいいかというと、それは通用しない事も、私は知っています。
戦後、この問題で一番苦しめられてきたのは、政治という汚れ仕事を一手に担う政府でした。

文部省は理想である平和教育を敷いたが、防衛庁は現実的に、アメリカの核に依存した防衛戦略を描いてきた。
外務省は悲劇です。核廃絶という理想を世界に訴える役目を負わされると同時に、防衛庁と同様に、核の均衡に従った現実的な外交戦略も担わなければならなかった。

「唯一の被曝国である日本は国をあげて力の限り世界に核廃絶を訴えていかなければならない」といいますが、アメリカの核の傘の下で安全保障を維持する国の政府に、どうしてそんな主張が堂々とできるでしょうか。

あるいは、日本がニュージーランドのような地政学的に危険でない場所にある国なら良かった。
戦後、日本は米ソ冷戦の最前線という、有史以来経験した事の無い事態におかれたのです。
沖縄に米軍の核戦力の主力がおかれ、津軽海峡をソ連の核武装した原潜が往来し、三沢の『ゴルフボール』ではアメリカがその情報を収集し核戦争に備えた。

そこにもはや、日本という国の独立国としての意志など介在し得ない。あるのは両大国の冷徹な力の論理だけでした。
両大国の世界地図の中では、日本という島はアメリカの一拠点に過ぎず、核戦争となれば日本の意志と無関係に攻撃される。
このように戦後、日本政府は核廃絶を訴えるどころか、核に囲まれた状況で、アメリカの核に頼って自国の安全を守らなければならなかったわけです。

核を否定すれば現実的に政治がもたない。
でも「核容認」と口を滑らそうものなら今度は国民感情がもたない。

その結果政府が選んだのは、核から目を背け、当たり障りのない発言しかせずに、問題を曖昧にする道でした。
左翼も右翼も、核廃絶論者も核容認・核保有論者も政府のこの態度を「煮え切らない」と両側から好き勝手に叩きます。

言うだけなら簡単です。それが自由主義陣営の良いところで、誰でも自由に主張できる。
クレムリンや北京の指導者達がその話を聞いて涙を流して、「わかった、みんなで一緒に核を捨てよう」と確約してくれるなら、大いにやればいいと思います。

実際には、西側の核廃絶運動は、(これは日本の学校では日教組が絶対に教えませんが)常に東側の工作員に操られ、ソ連の核戦略の駒にされていた。皮肉な事です。

例えば80年代にソ連がヨーロッパに中距離核ミサイルを配備してNATOの団結に亀裂をつくろうと揺さぶりをかけた。
この中距離ミサイルは、西ヨーロッパは射程に入るがアメリカ本土には届かない。これをソ連は政治的に利用したのです。
従来米ソの『相互抑止』というのは、大陸間弾道で米ソ届き合うICBMの第一撃能力とどこに潜伏しているかわからない潜水艦のSLBMの第二撃能力による『相互確証破壊』で守られていましたが、ソ連がこの中距離ミサイルだけ使うと脅す分には、それはヨーロッパ限定の核戦争で、アメリカ本土には直接の脅威が無い事になります。
つまりアメリカは、自国に直接脅威がないのに、ヨーロッパの同盟国を守るという『拡大抑止』のために、ICBMを使った全面核戦争を先制で始めるのか、もっと言えば、ロンドンやパリの消滅を友人として見過ごせないという理由でワシントン・ニューヨークを犠牲にできるか、これにアメリカの国民が納得できるのかという問題でした。
アメリカ政府はしかし、同盟国を見捨てる事はしなかった。
アメリカはパーシングという同能力の中距離ミサイルを西ヨーロッパの米軍基地に配備して見せる事で、ソ連の策に屈しない、一歩もひかない毅然たる態度を示し、西ヨーロッパの同盟国を限定核戦争の恐怖から救ったのです。

以上の歴史の裏事情は、大学で、それも必修でやる基礎以上の専門的なレベルの国際政治学の講義を受けて、西欧外交史か核戦略をやって、初めて知り得るマニアックな情報です。
中学でも高校でもこの出来事について紹介するのはむしろ、パーシングの配備に反対して米軍基地の前でプラカードを持って座り込んだり、「人間の鎖」なるパフォーマンスを基地の周りでやっている西ヨーロッパの非核団体の人々の写真でしょう。中学や高校の世界史の教科書にほとんど必ず載っています。「世界で高まる反核運動」とかそういう紹介文つきで。

パーシング配備の裏事情は、上で説明した通りなのですが、メディアなどは当然そんな事は報道しない。都合が悪いし何よりこういうややこしい話は視聴率が取れませんから(苦笑。
「核か反核か」という単純な図式はすごくわかり易くて大衆受けします。
そしてこの西ヨーロッパの民衆は愚かです、東側に配備されている核はそのままで、自分達の国の核だけ無くしてどうするというのでしょうか。

実はこの時の西欧の反核運動に、ソ連は裏で大規模な組織とカネの支援を行ったといわれています。
日本も同じです、日本共産党がコミンフォルムの支援を受けてゲリラ戦を準備していたのは有名な話ですが、東側の工作員は左派の運動の中に狡猾に紛れ込んでいた。

ここに、核廃絶の難しさがあります。

核保有国が率先して核を放棄すれば他も放棄するといっている人がいるが、とんでもない話です。
それは楽観的予測であって確実な保証は無い。確実な保証が無いのに率先して核を放棄するのは個人レベルならお人好しで済むが、国家レベルでやるならそれは国民の生命を賭けたお人好しになる。国防の自殺です。
例えば、西側では世論が自由ですから反核運動も盛んです。
もし民主主義国家のアメリカ・イギリス・フランスなどがそうやって自国の世論の言う通りに核を放棄したとして、ロシアと中国がそれにならう理由は全くないわけです。

そしてロシアと中国が放棄しないものをアメリカ・イギリス・フランスが放棄できないし、してはいけません。
一方的な力の真空は、平和を生むどころか平和を壊します。

つまり、あなたは大勢の人と同じ部屋にいて、毒ガスのボンベを持っている人達が大勢の中で数名いるわけです。
そのうち何人かはあなたを守ってくれると言っていて、他の何人かは明らかにあなたを敵視しているか、無言でガスマスクを装着したりしていて何を考えているかわからない。
毒ガスのボンベは確かにあってはならないものです!!
無いに越した事はない!!

しかし、現実問題としてあるのです。
そこであなたはどうするか。
まずあなたを守ってくれるといっている人に、「その毒ガスのボンベはあってはならないものだから捨てて下さい」、というんですか?
普通、逆でしょう。
まず危ない奴等の持っている毒ガスをどうにか無力化して、その後でしょう。段取りが逆です。

ですが、話が60億人の住む世界になっては、この無力化も不可能です。

核廃絶の唯一可能な形とは、地球上のあらゆる国、集団、人が核兵器とそれにつながる技術を全員同時に「はい捨てた!」で、1秒の誤差も許されない同時で完全に放棄する事、放棄が永続的である事、なおかつそれらが検証可能、つまり地球上全土をくまなく常時監視して、核爆弾は一個も無いし今後どこかがこっそりつくる可能性は0%だと証明できる事です。

これが不可能に近い事は、アメリカが原爆を単独保有していたあの1945年の段階で既に指摘されていました。
英国政府の公文書『Independence and Deterrence』(独立国家と核抑止力)には、アトリー首相の次のような言葉が記載されています。
引用しましょう。

〈原爆を、アメリカとイギリスだけが我が物にし、他の国には秘密にしておくということに、すべての国が同意するかもしれないという提案は、それがどんなものであれ、首相は信頼を置かなかった。「われわれが他国よりも先んじているとしても、ほんの数年に過ぎない。問題は、いかにして先んじているこの数年を利用するかということだ」と彼は言った。
彼は、全世界のすべての研究所や工場に対して、イギリスとアメリカが厳格な査察を義務付けようと努めても、そのような試みは望ましくないし、実行不可能であることを見通していた。〉

労働党のアトリー首相は前任の保守党チャーチル首相と異なり平和主義者でしたが、だからこそ、核問題で楽観できなかったのです。
全世界のすべての研究所や工場を監視する事は不可能だという単純な事実に、彼はいち早く気付いていました。

核兵器は、本当に存在すべきでない兵器でした。
しかし、悲しい事に発明されてしまった。発明されてしまった以上、発明される前の世界に時計の針を戻す事はできない。
例え我々が否定しても、誰かがつくる事ができる。
それに対して安全を確保するためには、自分が核を持つしかない。
だからアトリー政権は左派の労働党であったのに、英国の独自核保有という決断をしたのです。

反核運動を熱心にしているのが、先進国の人々だけだというのが、反核運動の限界の象徴です。
平和を訴えている人々とは、つまり現状に満足している人々です。
国が豊かで今日の水とパンに困っていない人々、家の外で銃弾が飛び交っていない平和な国の人々です。

ですが、貧困と戦乱にあえぐ大多数の国の人々はそうではない。
搾取の図式が出来上がっていて、現状ではただ貧しいままです。
そんな現状に満足していない。そして現状を変えるためには武力の行使もやむなしというところまで追い詰められている。
現状で政治的・経済的に弱い立場にある国、追い詰められている国ほど、一発逆転・起死回生のために核に走りやすい。
政治的に弱い国・・・東ティモールとか、パレスチナとか、台湾とか、あまり追い詰めない方がいいでしょう。

例えば内戦を続けるアフリカの小国で、国が一面砂漠と廃墟でそんな光景を当たり前だと思っている人々に原爆投下直後のヒロシマの写真を見せても、彼等は何らショックを受けないでしょう。
見慣れた光景だからです。
乱暴な事を言うと、これ以上悪い状態は無いのだから、一発どかんと爆発させて世の中を変えた方が飢え死にするよりまだましだと思うかもしれない。

目先の欲望を満たすためなら先で地球が死の星になっても構わないと思っている人、そもそもそこまで将来を予測する想像力の無い人、もっと悪くなると自分が正しいと信じる何らかの思想や哲学を、地球が滅んで自分も含めた人類が滅亡してでも達成したいと願う狂信者だっている。

国でいうなら先ほど説明したように、弱い立場でもう失うものが無い国は、核兵器を使って身を立てようとする時代に徐々になってきている。
確かに保有宣言から2年か3年は国際社会から非難されるが、元々国際社会から孤立していたか、見放されていた国です。今更非難なんて、何も怖くない。
それさえ亀になって耐え抜けば国際政治の基本的な力学は現状の是認による安定維持ですから、やがてインドやパキスタンのように既成事実として認められ、大国の仲間入りです。
もしくは北朝鮮のように放棄の見返りに支援をもらえる。
あれは取引か何かのようにメディアは言っていますが、北朝鮮側としては元々持っていなかった核を保有して、あるいは保有したと言って、今度はそれを捨てると約束するだけで石油がもらえるんですから、一方的に得しているだけで最初から持っていたものは何も失っていません。選挙で負けて動きが取れないブッシュ政権がまたもや北朝鮮の瀬戸際外交にひっかかっているだけの話です。
これが続けば、第三世界の貧しい国や弱い国に、核を保有すると得をすると思わせてしまう。
冷戦後の世界は核廃絶に向かって進むどころか、逆に米ソの全面核戦争の恐怖で抑えつけられていたタガが外れて、あちこちの国が核を持っててんでばらばらに自己主張の道具にしたりインド・パキスタンのようなプチ冷戦を始める核拡散の時代になってしまったわけです。冷戦終結で核がなくなると誰もが思っていた十年前が夢のようです。
本気で核廃絶を語るなら、核廃絶がどれだけ難しいか知らなければいけない。

アジアでも、冷戦時代のように核をタブーにしておける時代に、この十年でそろそろ終わりが来ようとしています。
長期的に見れば、これからアメリカの軍事力は低下する一方です。
アメリカがひけばアジアに力の真空ができて、代わって中国がそこに入ってこようとする。
それを防ぐためには日本がこれからはある程度、単純な海軍力もそうですが政治的にも、アメリカの役割を引き継がないといけない。
その中で日本が安全保障を考えるなら、核問題も避けては通れません。
例えば東南アジアの国々が中国の脅威に晒された時、先ほどのヨーロッパの時のようにですね、日本が身体を張って同盟国を守らなければならない場面も出てきます。が現状では、そもそも中国を交渉のテーブルにつかせる事もできません。

私は日本は最終的には核廃絶を目指しつつも、その前段階で核を保有しなければならないというやや屈折した立場をとっています。

しかし今日本で、核兵器に対して一言でも現実的な話をしようものなら、それこそ戦前の「非国民」のように、みんなから白い目で見られて社会的な地位を失う。
かつて戦前、天皇機関説を唱えた美濃部達吉は右翼の感情を傷付けたとして世論の袋叩きにあって、現実的な憲法学説は死んだ。
同時に大日本帝国憲法が死んだ瞬間です。

去年、中川政調会長と麻生外相が「日本の核武装を議論しても良いだろう」と言って、野党やメディアは猛烈にこれを叩いた。
それから世論調査をやったところ、面白い結果が出ました。
メディアにとっては意外な結果で、だから報道されなかった。

過半数の人々が、議論に反対していなかったのです。
別にこの人達は、核保有に賛成なわけでも、非核論に反対なわけでもない。
ただ、「議論する事さえ許さない」、という非民主主義的で自由を束縛するやり方に対する不満が、こういう形になったのだと思います。

核廃絶論は大切ですが、ただ核保有論者の口を手で無理やり押さえて黙らせるような乱暴なやり方、議論さえするな、という直情的で単細胞な非核論は、日本が核問題について世界にどんな態度で臨むべきかという国家のあり方に関する議論さえ殺してしまう。
そんな感情に支配された態度は、自由でも民主主義でもありません。
これでは戦前と戦後で、日本人の極端な性格は何も変化していない事になります。ただ右から左へ主流派が入れ替わっただけじゃないですか(笑。

参院選前は『久間原爆』が炸裂して自民党に大打撃でしたっけ。
断っておきますが、あれは左派よりむしろ保守の人達を怒らせる発言で、スピード辞任の一番の原因は安倍総理自身の怒りにあるのはあまり知られていませんね。
原爆投下が「しょうがない」というあの主張は実は久間さんのオリジナルでもなんでもなくて、左派の知識人達の間では昔から市民権を得ている主張なんです。
元々あの戦争で日本を「悪者」にしたい左派にとって、原爆投下というのは都合の悪い話で、だからといって表立って本音を言うわけにもいかない。拉致問題への彼等の対応と同じですね。
そこに大きなねじれ現象があります。
中には、当時の日本政府が玉体護持を理由に終戦を遅らせたから原爆が投下されたんだと、アメリカ側の思惑にそっくりはまり込んで天皇制を批判する人までいる始末です。
「しょうがない」どころの騒ぎじゃない、「日本が悪い」「天皇のせいだ」ときたものです。
こういう左派のプロパガンダを、メディアも「進歩的知識人の意見」としてずっと垂れ流してきた。
広島出身の私は、こういう話を聞くたびにむかっ腹がたったものです。
だから私は久間さんの発言に今になってメディアや左派が文句を言っているのが可笑しくてしょうがない。あなたがたに久間さんを叩く資格は無いだろう、と。

そして、より根本的に思うのは、核について「しょうがない」対応を政府にとらせてきたのは、他ならぬ日本国民の意志ではなかったか、と。

世界の核拡散が深刻化し、アジアの安全保障も変化しようとしている。
日本人は今こそ、核も含めたあらゆる議題をタブー扱いせずに議論のテーブルに乗せるべきです。
この国をどうしたいか、よく考えるべきでしょう。

あべべさんから暑中見舞いを頂きました♪

2007-08-03 03:31:25 | Weblog

銀様「らん♪らんらららんらんらん♪らん♪らんらららん♪・・・」

薔薇「どうしたんですか水銀燈?ナウシカで子どもの王蟲が殺される回想シーンに流れていたような陰気なメロディーを・・・・・・」

銀様「ち、違うわよぉお馬鹿さん!嬉しくてつい鼻歌をうたってたのよ!」

薔薇「あなたが鼻歌を・・・それはまた、気色悪い」

銀様「うるさいわね、あんたもこの絵を見てごらんなさいよ!」

薔薇「・・・・・・おや、これは?」

銀様「あべべさんがね、暑中見舞いにって描いて下さったのよ♪どう、素敵でしょ?」

薔薇「・・・確かに。
まずこのふんわりと夜風になびく髪がいいですね、柔らかくて優しい感じがします。
それから浴衣も涼しげで暑中見舞いにぴったりですね。全体的に月明かりを浴びているように見える色彩もとても見事です。それからこの女性、身のこなしがとても女性的ですね、手をそっと口元に添えているポーズがたまりません。それから・・・」

銀様「はいはい、薔薇水晶の長ったらしい批評はどうでもいいわよ。要するに、とってもロマンチックで素敵な絵じゃない。とっても嬉しいわぁあべべさんありがとう!」

薔薇「ところで、そこに描かれている女性はどなたなんですか?

銀様「・・・・・・は?」

薔薇「いえ、ですから、どなたかモデルの方でもいらっしゃるんでしょうか。見た事もないお綺麗な・・・」

銀様「私よ私!私を描いた絵ですよこれは!あんた馬鹿ぁ?ひょっとしてわざといってない?(怒」

薔薇「ええっ!?それはびっくりです、水銀燈がエヴァの台詞をさらりと言ったのよりびっくりです」

銀様「な・に・が「びっくり」な・ん・で・す・か?(ピクピク)」

薔薇「え・・・だって・・・・・・・(顔と口調が真紅に化ける)だってあなたはもっと凶悪な顔をしてるじゃない・・・いつも目元にしわのよったかわいそうなドール・・・あなたは・・・この絵とは違う」
 
銀様「・・・や、やっぱりそうなの。私のこと、ずっとそう思っていたんでしょう。
目元にしわがよってて凶悪な顔のかわいそうなドールだと 」

薔薇「Exactly、その通りでございます」

銀様「(ちょw台詞違うしwww)こほん・・・や、優しい言葉をかけたのも、手を差し伸べてくれたことも、 私を哀れんでいただけ。上から見下ろして満足していたんでしょう」

薔薇「Exactly、その通りでございます」

銀様「・・・・・(汗。えー・・・自分が上だと・・・・自分はお父様に愛されていると、そう思って私を笑っていただけなんでしょう」

薔薇「Exactly、その通りでございます」

銀様「うっ・・・うるさい!嫌な女。少しばかり恵まれてうまれただけなのに、 たまたま上手く作られただけなのに 、私の存在なんて、あなたにとっては自分の価値を高めるだけだった」

薔薇「よくわかってるじゃありませんか姉御!」

銀様「ってあんた、自分からネタ振っといて何なのよその不真面目な態度は!ジャンクになりたいのぉ!?」

薔薇「いや~、嫌な女のガイドラインは遊び方が色々あって面白いですね~!」

銀様「はいはい・・・オーベルテューレにほとんど登場できなかった腹いせに2ちゃんネタで楽しんでる薔薇水晶でした、と。もー呆れて怒る気にもなんないわ」

薔薇「うう・・・いいですよ、第三期で復活できると信じてますから(涙」

銀様「うーん、まあ私も一期で燃やされたけど復活できたし、100%ありえない話じゃないかもね~、まあ頑張れ★
それはそうと、冬月はどうしたの?さっきから出てこないけど」

薔薇「ああ、冬月でしたら、ほら、あそこでコードギアスの井上さんの死をまだ悼んでおりますよ・・・」

 

冬月(井上の台詞を繋ぎ合わせたテープをヘッドホンで何度も再生しながら)「ふふふ・・・そうさ、ずっと前から僕だけの井上だったんだ!

 

銀様「あれは・・・・・・悼んでるっていうより、妄想の世界に入ってるっていうんじゃないの、正確には(汗」

薔薇「まあ、いつまでもああやってうじうじされていても困るので、現実の世界へ引き戻すとしましょうか。おーい冬月」

銀様「駄目よ近寄っちゃ!コンパクトにされちゃうわよ!

薔薇「冬月、あなたまさか、井上というのが本当の名前だと思ってるんじゃどぎゃっ

銀様「はいはい、そのネタの続きは読めたからもういい。
ねえ冬月、なんか10月から新しいガンダムの放送が始まるらしいわよ!
内容はよく知らないけど、SEEDよりはましになるんじゃないかしら。
コードギアスが駄目なら、そっち見ればいいじゃない♪」

冬月「銀様・・・・・その新しいガンダムってなんですか?」

銀様「えーっと、そう、これこれ。機動戦士ガンダム00(ダブルオー)!」 

冬月「・・・・・・(ばたり)」

薔薇「止めを刺しましたね・・・」

銀様「あれ?どうして事切れちゃったの!?」

薔薇「いやね、竹Pの反米世界観はもうお腹いっぱいって感じなんですよみんな。
正直痛いでしょう、このダブルオーガンダムは(汗」

銀様「え、そんな痛い内容なの?」

薔薇「だって、ストーリーがこれですよ↓」

西暦2307年。

化石燃料は枯渇したが、人類はそれに変わる新たなエネルギーを手に入れていた。3本の巨大な軌道エレベーターと、それに伴う大規模な太陽光発電システム。しかし、このシステムの恩恵を得られるのは、一部の大国とその同盟国だけだった。

3つの軌道エレベーターを所有する3つの超大国群。アメリカ合衆国を中心とした『ユニオン』。中国、ロシア、インドを中心とした『人類革新連盟』。ヨーロッパを中心とした『AEU』。各超大国家群は己の威信と繁栄のため、大いなるゼロサム・ゲームを続ける。そう、24世紀になっても、人類は未だ一つになりきれずにいたのだ……。

そんな終わりのない戦いの世界で、「武力による戦争の根絶」を掲げる私設武装組織が現れる。モビルスーツ「ガンダム」を所有する彼らの名は、ソレスタルビーイング。

ガンダムによる全戦争行為への武力介入がはじまる。

 

銀様「確かに・・・この主人公の組織のやってる事って、要はアルカイダじゃん

薔薇「そうなんですよ、どうみてもアルカイダ(苦笑。
コードギアスの時にはみんなあの作風を褒めましたけど、それは日本が占領されていてそれを独立させるための戦いだったから評価したのであって、何よりギアスっていうデスノートみたいな力が面白いから良かったんです。
SEEDもそう、ナチュラルとコーディネーターっていうあくまでSFの、実在しないけど壮大な対立軸があったから良かったんです、影にちらっと出てくる大西洋連邦だのブルーコスモスだの現実世界(アメリカやネオコン、イラク戦争)への風刺は、一般の視聴者にはお呼びじゃないんですよ。それを竹Pさんは何を勘違いしたのか、この作品ではさらに露骨になっちゃって・・・」

銀様「うわぁ、主人公がクルド人とか、確かに設定がやたらとリアルねこれ(汗。こんな設定のガンダム史上初じゃない?

薔薇「そういう風に実在する国や民族を使うのもどうかと思いますし、いたずらにテロリストを正当化するようなアニメは正直どうなんでしょうね。
コードギアスみたいな新しい作品でそういう冒険をするならいいですが、ガンダムは歴史のある一つのブランドです。それを竹Pさんの、正しいかどうかもわからない政治思想で反米色に塗り固めるのはね・・・ガンダムは子どもも見るんですし。後世にはあまり良い評価をされないんじゃないかと心配です」

銀様「一番心配なのが、このアニメが放送される時期に、また9・11みたいな大きなテロが起きる事ねぇ。そうなったら間違いなく放送自粛になるでしょ、これじゃあ(汗
とりあえず、テロの道具にガンダムを使うなと

薔薇「ガンダムは79年の初代から今日まで、様々なものがつくられてきましたが、必ずしもその時代の生々しい国際情勢を反映すればいいものではありません。
そもそも1979年の初代ガンダムは、東西冷戦の真っ只中で製作されましたが、連邦とジオンを見ればわかるように世界観は冷戦ではなく、30年以上前の第二次世界大戦がモデルになっています。
これは、歴史というのは長い時間が経たないと適切に評価する事が難しいから、過去の二次大戦をモデルにしたんです。
一年戦争やその後の0083では、連邦とジオン、双方の良いところ悪いところが描かれていて、最終的に見た人誰もが「悲しいけどこれって戦争なのよね」と納得できる成熟した内容になっています。
人間は今生きている時代についてはどうしても視野が狭くなるんです。
ですから今起きているアメリカとテロリストとの戦いを、今この時代を生きていて日々の出来事に一喜一憂している断片的な印象や一方的な主張で表現したら、生々しい社会風刺になるばかりで重みのある物語にはなりません。
竹Pさんも『非戦』を訴えたいのなら、アメリカが悪いとか、そういう短絡的な図式じゃなくて、もっと体系的に深く戦争の構図を理解しないといけないでしょう」

銀様「なるほどぉ・・・薔薇水晶、冬月が死んでるもんだから今日は結構饒舌じゃないの(笑」

 

冬月「・・・・・・うーん」

 

薔薇「あ、生き返った」

 

冬月「僕のダールトン将軍がぁ・・・」

 

銀様「駄目だこりゃ、もっと悪化してるわ!」

薔薇「当分は無理っぽいですね・・・・・」

銀様「なんてグダグダなブログなのかしら・・・
えーっと、じゃああべべさん、ありがとうございました!」

薔薇「ありがとうございました・・・」

fin


毎日新聞の偏向報道に透けて見える西山事件の私怨

2007-08-01 03:29:46 | Weblog

毎日新聞、わずか五人の市民の声で与党批判を展開

 

<参院選>有権者は厳しい目 「退陣を」「誰でも同じ」

7月30日13時25分配信 毎日新聞

 退陣すべきなのか、続投すべきか。自民党の参院選大敗から一夜明けた30日、「これからも責任を果たしていく」と続投宣言した安倍晋三首相の対応に、有権者や落選候補者からは厳しい声が起きた。
 札幌市のタクシー運転手、古山繁さん(62)は「この結果は国民の怒りの表れ。大敗は安倍首相の責任であり、退陣すべきだ。総理大臣になるのが早かった」と冷ややかに語った。「小泉純一郎前首相が進めた構造改革が一番良くない」とも指摘し、タクシー業界などで進んだ規制緩和を強く批判した。
 大阪市天王寺区の会社員、三井嘉代子さん(36)も「安倍さんが事務所費とか政治とカネの問題で身内をかばい過ぎた。国民に分かりやすい明確な対応をしなかったのが、あかんかった」。続投宣言には「もう辞めるしかないでしょう。きっぱりと責任を取るべきです」と語った。
 大分市の男性会社員(48)も「ここで辞任しないのは『責任を取らなくていい』ということで、それが通るなら、今後も政治家が言いっぱなし、やりっぱなしになりかねない」と批判する。
 一方、東京都豊島区の無職、杉山佐知子さん(75)は「安倍さん自身はそんなに悪くなく、大臣が足を引っ張っている感じ。安倍さんが辞めないのは、代わりの人がいないから仕方がないでしょ。今度は大臣の選び方に気を付けてほしい」と話した。
 名古屋市西区、パート従業員、本谷富子さん(57)は「年金も重要だが、それ以外にも介護や教育など問題が山積している。これらを解決してほしい。誰が首相になっても同じでは。まず安倍さんがどうするかしばらく様子を見たい」と話した。

最終更新:7月30日13時25分

 

 

 

毎日新聞も、選挙での民主党の大勝に気をよくしたのか、相当タガが緩んでいる様子ですね(苦笑。
でなければ、こんなジャーナリズムとしてあるまじき記事が書けるはずがありません。

 

報道のイロハをわかっている人なら、誰が見てもこの記事の異常性に気付くはずです。

 

 

この記事には、数字が無い。

 

 

具体的なパーセンテージが一切無く、どこの誰ともわからない無名の市民5名の意見だけが堂々と論拠にされた政治記事。

 

確かに、報道には知る権利、表現の自由とセットで情報を「編集(加工)する自由」がある。中学の公民の授業で教えてくれる基礎知識ではあります。

だから例えば民放の街頭インタビューでは、当然自局の報道の方向性と合わない声ははじいて、都合の良いものだけ選んで使う。

ですがそれはTV局が映像という媒体を使っていて事実の客観的報道以上にバラエティー的な面白さと躍動感を求められているからだし、だから民放の報道を100%鵜呑みにする人間は、少なくともまともな人間ならいない。客観的な情報を知りたい人はNHKのニュースを見るものです。

そして、新聞はテレビとは違う。スポーツ新聞ならまだしも、全国三大新聞のひとつ毎日に求められているのは、正確な情報の報道ではないのでしょうか。 ましてやこれは政治に関わる記事です。民主主義国家にとって政治に関わる報道がもしも不確かもしくは不十分な情報に基づいて書かれていたら、これほど危険な事はありません。 

この記事の場合、明らかな母体の不足が問題です。こんな記事を書くなら毎日新聞は、この五名を六千万以上の有権者の中からどうやって選出したのか、なぜこの五名なのか、明確に説明する義務があります。

それをやらずただ一方的な情報をさもこれが世論であるかのように垂れ流すなら、これは毎日新聞の政治的プロパガンダに過ぎず、ジャーナリズムではない。

毎日新聞はジャーナリズムの基本を忘れた事に対して恥を知るべきです。

以前、松岡農相が自殺した際、毎日新聞は翌朝の第一面に早々と「安倍政権への打撃は確実」と大きく書いた。

翌朝に、です。世論調査をしたり政治家や専門家たちの意見を集めている時間はなかった。つまり毎日新聞の記者が「打撃は確実」と判断した。いや、もっといえば「これから打撃にしてやろう」と思った。

あの時点ならまだ世論が松岡農相の死に同情する方向で動く可能性は十分ありました。それを毎日新聞を中心としたメディアが一斉に「安倍首相の責任重大」「民主に有利」「自民に打撃」と速報したから、テレビや新聞を見る人達は「ああ、世の中その流れなのか」と後から影響されてしまう。
そうやって後からできた世論でもってメディアは「これが民意なんだ」と自己を正当化する。

つまり、民意形成の前にメディアの操作が行われているのです。本来、先に民意があって、それをメディアが報じるのが公正な報道の姿勢です。これでは順序が逆ではありませんか。

今回の参院選に至る過程で、このようなメディアの独走が何度あったことか。数えられません。
そうやってメディアの圧倒的なインフラで情報戦に勝って、「これが民意だ」といわれても、自民党としては手も足も出ない。

何しろ、自民党側がどんなに反論してもメディアはそれが自分たちにとって都合が悪いから報道しないのです。

選挙の最中に、こんな事があった。民主党の小沢代表が、有権者を魚に、自分を釣り人に例える発言をしたんですね。
それを聞いた中川幹事長は記者団に、「もし全く同じ発言を私や総理がしたら君たちになんと書くか。やれ国民は魚か、餌で釣り上げるとはどういうことかと散々に叩くだろう。このように君たちの報道は公正じゃない」この訴えを記者たちはただ薄笑いを浮かべながら聞くだけで記事にしなかった。

私はこの話を知って寒気がしました。
自民党側の発言はすぐに失言だとつつかれるのに、民主党が何を言ってもメディアは黙認する。

民主党の「次の環境大臣」末松議員が新潟の被災地視察を「珍道中でした」とブログに書いて炎上したが、ネット上では問題になってもテレビや新聞は絶対に取り上げなかった。同じネット上のブログでも、自民の議員がブログで問題を起こせばすぐにニュースになる。

これは恣意的な世論操作であり、国政に対する深刻なテロリズムです。

特に毎日新聞は、今回の安倍政権攻撃の主導的な役割を担っています。

松岡農相の自殺でもそうでしたし、今年に入ってからあらゆる問題で民意形成を待たずに政府批判を行い、世論調査結果の前に「安倍政権は落ち目」と書いた。
心理学を学んだ人なら予測が結果に影響することはご存知でしょう。
これは一種の風説の流布です。
記者が反政府・反与党的な政治思想をもって確信犯的な報道をしているのが明白です。

なぜ、左派の朝日と比べて中道だったはずの毎日がこのような過激な報道をしているのか。

今年になって、地裁が西山事件の西山元記者の起訴を棄却しました。私には、この事による政府への逆恨みが毎日新聞を凶行に走らせているのではないかと思えてならない。

西山事件、私の世代をはじめ、若い方の多くはご存知でないと思います。

 

結論から言うと、この事件のせいで毎日は一度潰れています。
毎日にとって、忘れたくても忘れられない悪夢なのです。

西山事件とは、沖縄返還時に日本政府がアメリカと交わした、基地用地の復元補償にかかる費用を日本側が負担するという密約を、西山という毎日新聞の記者がすっぱ抜いた事に始まります。

これは国家機密で、最初は「知る権利」を盾に大スクープだ、毎日新聞の大手柄だとなりました。
ところが、この西山という記者がどうやってこの国家機密を手に入れたか、その手段が露見して、状況は一気に逆転します。

西山は外務省職員の女性をホテルに呼び出して情交を重ねてこの機密を手に入れていたのです。ちなみにその女性は人妻でした。

西山は女性と共に機密漏えいで検察に逮捕され、裁判でこの事実が検察によって暴露されます。西山に利用されていただけだった事をしった女性は「私は体を弄ばれて騙された」と涙を流しました。

さらに決定的な問題だったのは、毎日新聞社の上層部がこの事を知っていたにも関わらず、隠蔽してスクープを報道していた事です。

まあ、今の反政府色に染まって腐りきった世論ならこんな事では変わらないでしょうが(笑、当時の日本の人々は今の日本人よりはるかに道徳を重んじ善良で純粋でした。
国民の怒りは西山と毎日新聞に集中します。「人妻を犯して機密を盗んで何が知る権利だ」「毎日新聞はいつも下半身で特ダネをとっているのか」と怒りの電話が殺到し、不買運動が始まります。

その結果毎日新聞は経営危機に陥り75年には倒産、弱った挙句に創価学会に頼み込んで、聖教新聞の印刷代行をさせてもらう事でなんとか生きながらえたのです。

その証拠に、毎日新聞では創価学会への批判は一切タブーです。
特定の宗教団体に弱みを握られている時点で、毎日新聞に公正で客観的な報道などできないし、三大新聞の地位で報道する資格もないのです。

そして毎日新聞はこの西山事件で反省するどころか、西山を国家の陰謀の犠牲になった悲劇の英雄に祭り上げて政府を逆恨みしています。

老人になった西山はことあるたびにテレビに出て「あれは政府の陰謀だ」と訴えていますが、人妻と寝て機密を盗んだのは否定できない事実です。よく人前に恥ずかしげもなく出られるなと思います。

過去にこんな大事件をやらかして政府に私怨をもっている新聞社が、やれアルツハイマーだ、やれ産む機械だ、やれ絆創膏だと騒いでいるのを聞いていると、失笑するばかりです。

国民が西山事件を忘れたと思って安心しているのでしょう。

ここで毎日新聞が、麻生大臣に言ったことを引用します。

「この失言は謝罪で済む問題ではない」

では私も言いましょう。

「西山事件は西山一人が捕まって許される問題ではない」

西山事件を起こした毎日新聞の体質は、今日に至るも変わっていない。