水銀党本部執務室

冬月のブログです。水銀党本部の活動や、政治社会問題、日常の中で感じた事など様々なテーマで不定期に更新されております。

終戦の日・・・靖国と蝉

2007-08-17 22:11:57 | Weblog
道端でね、蝉が死んでいたんですよ。



8月14日は小学校や中学から同期の友人達と恒例の飲み会をやったんですが、中には夏休みという事で東京に帰っているけど普段は遠い東北の大学とかに行ってる奴もいまして、久しぶりに会えて浮かれたせいか、ついつい飲み過ぎてしまいました。
やはり、ウイスキーをストレートとかそういう次元を超えてグラスにジュースみたいについでカパカパ飲んだのがいけなかった(汗
家に帰ると頭が痛い・・・
服も着替えずにそのままベッドに倒れて寝てしまったんですが、それでも翌朝、目覚ましもないのに7時に自然と目が覚めました。

良かった。
これでもし酔い潰れていつもみたく午後まで寝てたら非国民と言われてしまう(笑

8月15日。終戦の日です。
早速顔を洗って歯を磨いて、綺麗な服に着替えて靖国神社に向かいます。
8月15日に参拝するのは、私は海外に行っていた二年前を除けばこれで5年連続になるでしょうか。

靖国神社は私の母校の隣にあって、家から歩いて20分ほどです。

途中神楽坂を通っていける楽しい散歩コースです(普通の季節なら)。

雨が降っていた四年前は、徒歩で行けたんですが・・・

家から一歩外に出て、徒歩は断念しました。

フライパンで焼かれる肉の気分がわかるような気がしました(笑
照り付ける陽光。
頭上の木からは蝉の大合唱。

8月の東京はアツイ。
特に今年は尋常じゃないです。
なんでも70年ぶりの猛暑だそうですね。

暑いだけじゃなくて、熱いんですよ(笑

日光を浴びると肌が痛い。痛いくらい熱いというのは、普段火傷以外では中々経験できません。

しかも立っているだけで全身から汗が吹き出してきて、タオルでふいてもふいても止まりません。
もう汗が「流れてくる」感覚ですね。
170円の電車賃をけちったばっかりに服が全部汗でぐっしょりになるのは避けたいので、無難に地下鉄に乗りました。

地下鉄をおりても、近道の通りが直射日光にさらされていてそこを歩いたらやばそうなので、日陰の道を探してわざわざ遠回りするはめに。
勿論今は温暖化の影響も少しはあるでしょうが、空襲で焼け野原になって日陰も無かった62年前の東京はどんなにか熱かったんだろうなと、そんなことを思いました。

神社の正面、大鳥居がある入り口には毎年全国から集まった遺族会の方々の大型バスで埋まっているので、普段は出る時に使っている、遊就館横の裏口に行きました。
途中、今差し押さえで話題の朝鮮総連の前を通ったのですが、気の毒に例によって警察にバリケードを張られて完全に封鎖されています。今日は靖国の警備も重なってひどく厳重です。機動隊の車に加え、何本もアンテナが立った公安のバンもいます。
青瓦の塀の中は、いつも通りひっそりとしておりました。ただ蝉の鳴き声だけが、通りに響いています。


さて、ようやく裏口につきますと、なんと二個小隊60人以上はいるでしょうか、警官がずらりと並んでいます。
この暑いのにご苦労な事で・・・
報道陣も詰め掛けていて、仕方なく正門にまわりました。

後で知ったのですが、この時、朝8時半、丁度小泉さんが参拝している時間だったそうです。
前日の情報で小泉さんが参拝する事は知っていたので、顔を見れたらいいなとミーハーな事を考えていたのですが、残念ながらすれ違う事はありませんでした。
これがもう少し涼しければ待っていてもいいんですが、あの暑さではそういうミーハーな発想は消し飛びます。いや、本当に暑い(汗。

いつもは参拝前に、あくまで儀礼としてひしゃくで少しすくって手にまぶす程度の水が、こんなに有り難いと思った事はありません!

正門から中門までの石畳では、テントが張られパイプ椅子が並べられて、式典の準備が進んでいます。
この暑い中、私も含めてほとんどの人が葬儀で着るのと同じ黒のダブルスーツで汗だく。中には汗でシャツが黄色く変色している人も。
途中の車寄せ沿いの昔からある売店には、冷たい飲み物やかき氷を求めて黒山の人だかりです。

金の菊花紋が輝く中門前では、遺族会の方々がバスごとに記念撮影をしていらっしゃいます。

辺りは、立食会場のように立ち話をしている人ばかり。

「安倍さんはなんでこないんだ」

「しかし現在の国際情勢を考えると・・・」

通り過ぎる時、私とそれほど歳の違わない二人の男性がそんな会話をしているのが聞こえました。

途中、靖国名物の白鳩を養うための「白鳩の会」に年会費一口1000円で入れる受付をやっていたのですが、この日はちょっとお金がなかったのでパス。
鳩さんごめんね。

人ごみの中で一人、TシャツにGパン、サングラスで明らかに浮いた格好の若い、今流行ってるスクールランブルの播磨ケンジ?みたいな顔の痩身の男性が一人、携帯で写真を撮って歩いています。
その顔がなんとなく記憶に残っていたのですが、後で家に帰ってネットを見たら、その男性はブログの管理人をしているいわゆる「ネット右翼」の方で、撮った写真をアップして自分が靖国に行った話をブログで自慢していました。
世界って狭いですね(笑。

献花するための花を500円で買って、いよいよ賽銭箱の前へ。

上で昇殿参拝している人達の姿を見ながら、横の台に花を置き、普段使われている賽銭箱の前にこの日だけ大きく広げられた白い布の中に賽銭を投げ、二礼二拍手、黙祷。黙祷を終えたら、一礼。

黙祷する時、心中で何を申し上げるかは・・・そうですね、人それぞれでしょう。

1分ほどで、今年の参拝は終わりました。

ちなみに、昇殿参拝は社務所でお金を払って予約すれば別に誰でもできます。
普通のお寺や神社と同じです。
私も、歳をとったらいずれは昇殿参拝がしたいなと思っています。
私は親族に戦死者がいないので靖国で偉そうな顔ができる身分でもないし、まだ若くて作法にも自信がないので、今は昇殿はしません(苦笑。


帰りも日光を避けて、外堀沿いの並木道を飯田橋駅に向かって歩きます。

頭の上では相変わらず蝉の鳴き声。
何千匹いるのでしょうか、まるで耳が痛くなる電子音だと勘違いするほどの高い音で、つんざくような大合唱。

ふと足元に、その蝉が死んで転がっているのに気付きました。
一匹だけじゃなく、あちこちに、死んだ蝉が落ちています。

蝉は成虫になると、一週間か二週間の命です。死骸は別に、珍しくもないのですが。


皆さん、蝉の死骸をご覧になった事がありますか。
蝉は死ぬと、大体お腹を上にして地面に転がるんですが、そのお腹が真っ白なんですよ。

ああいうのを、青白いっていうんでしょうね。

本当にぞっとするぐらい白くて、それで「ああ、この蝉は死んだんだな」って実感できる。

暑さも忘れて立ち止まって、その白いお腹を見ていて、私はなんだか悲しい気持ちになりました。



神社では、報道陣に政治家に右翼に左翼に神社を守る会の青年団員に、本当に大勢の人が押し合いへし合いの大騒ぎです。

木の上では、まだ生きている蝉がやかましい大合唱を続けています。



死んだ蝉は、人に踏まれて潰れ、車に轢かれるとアスファルトの上に化石のような模様が残るだけ。

蟻でさえ、熱すぎて自分が焦げるからでしょうか、出てきて死骸を運ぼうとしない。

ただ、転がって踏まれ、土くれになっていく。

誰も、死んだ蝉には気を留めないんですよね。




何かがおかしい。

8月15日、終戦の日は、国民誰もが黙祷し、戦死者の霊を弔う日だったはずです。
丁度、旧盆とも重なります。
自分達の先祖に対して、静かに感謝の祈りを捧げる、本当にそんな静かで、穏やかな日であったはずです。


それなのに、私が物心ついた時から、8月15日は政争の日だった。

毎年が泥沼の戦争だった。


何かがおかしい。

寂しく死んでいる蝉の亡骸が、私にそんな当たり前の事を気付かせてくれました。



16日になって山梨日々という左翼系の地方新聞が、安倍総理のいわゆる「あいまい戦略」を欺瞞だと批判する社説で、冒頭にこんな恨み言を書いていました。

「8月15日、我々報道陣は一日中靖国の境内に待機して、この炎天下の中を我慢しないといけなかった。安倍総理が参拝するかしないかを明確にしていないせいだ」

地方紙の記者は本音を素直に書くから可愛いですね(笑
いや、確かに君の気持ちはわかる(笑
同じ暑さを私も体験したわけですからよくわかります。
あの地獄のような暑さの中、自分の思想信条では来たくもない場所で、待たないといけないのはさぞかししんどかったでしょう。
気の毒ですな!

マスゴミ・・・私はこのネット右翼の好んで使う蔑称は嫌いですが、今はマスゴミというのが妥当でしょう・・・マスゴミは、どうせ総理が靖国に行っても行かなくても関係なく、批判する。

炎天下一日待って気の毒だった山梨新聞の記者に聞きたい。
誰のせいで、「あいまい」にしなければならないのか。
中国と韓国が反対するから?

アメリカはどうです。ロシアもイギリスもフランスも、ドイツやイタリアでさえ、ニュージーランドやシンガポールだってですよ、大小や過去を問わずどこの国も、世界中の、中韓の何倍の数の国から反対されても、自国がやるべき事はやっている。
つまり外国の圧力は本当は理由じゃない。

蒋介石の言葉を借りるなら、中韓の圧力など、日本にとって軽い皮膚の病気でしょう。

日本をおかしくしている本当に重たい内蔵の病気は、国内で足を引っ張る左派勢力だ。



いつになったら日本人は、この異常事態を抜け出して、8月15日に静かに先祖の慰霊ができるのでしょうか。

8月15日に政争をしている左右両翼の人間に、この蝉の亡骸を見て欲しい。

私には、誰からも顧みられず道端で踏みつけにされていた蝉の亡骸が、戦争で亡くなった日本人に対して現在の我々がしている仕打ちと重なって見えてならないのです。

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2 コメント

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Unknown (も。)
2007-08-18 14:32:57
すれ違ってますね。
同じ時間帯でした。
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どうも (冬月副司令)
2007-08-18 18:13:41
そうでしたか!
暑かったですね(汗。お疲れ様です!
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