母の姉、つまり私の叔母。
2003年の10月に突然体調を崩して入院し、
翌年の1月に亡くなってしまった。
検査をした時、身体の中は癌だらけだった。
イヴが10歳の誕生日を迎えた時、
私の中に一種の安堵感が芽生えた。
大型犬で10歳を迎えられるのは、2割程度だという。
そして10歳の壁を超えたコは、
その後比較的長く生きることが多い。
イヴもきっとそうだろう…漫然とそう思っていた。
その半年後に癌が見つかるなんて、
その時は想像もしなかった。
私には昔から、将来像というものがない。
「こうなりたい」という具体的な目標もないし、
「○○になりたい」という職業も、未だに存在しない。
身近なものの死という経験からだろうか。
「確かなのは、今生きているこの瞬間だけ」というほど
臨場感にあふれた生き方はしていないけど、
信じられるのは今だけという思いは、年々強くなっている。
明日…いや、数時間後に自分が生きてる保証なんて
どこにもないのだから。
じゃぁ、どういう人生を送りたいかと問われたら、
50歳で正社員をリタイヤして、
その後は1日3~4時間のバイトをしながら
犬や友人達と一緒の時間を過ごしたり、
日常のことをエッセイ風に書き綴ったり…
そんな隠居生活が、今の私の夢(笑)
実際問題、50歳でリタイヤするための蓄えを貯める余裕は
どこを探してもないのが現状だから、儚い夢物語だけどね…
もう1つ。母の友人。
現役時代に一生懸命働いて、
定年になったらたくさん旅行をしようと
せっせとお金を貯めていたのに、
退職後間もなく、くも膜下出血で倒れ、後遺症の麻痺が残り、
どこへも行けない身体になってしまった。
生きたいように生きる。理想の人生を送る。
それは決して、刹那的に生きることだとは思わないけど、
先のことばかり考えていると、今が疎かになってしまうし…
結構難しい。