未来への提言「環境法律家 王 燦発～中国・汚染との戦い」に注目

26日（土）22：10-23：00　NHK衛星第一で表記の番組が放送になります。
　これまでに幾度か紹介しましたが、このシリーズ番組は世界のキーパーソンに徹底インタビューして、「21世紀の未来への道しるべ」の提示を求める構成になっています。チベット問題を初めとして中国を巡る話題にこと欠かないこの頃ですが、環境問題でも、水俣病などかつての日本の公害を凌駕するような汚染が広がっています。今回登場する王 燦発（おう さんはつ）さんは、北京の政法大学の教授を務める中国の環境保護関連の法律家です。経済発展が優先される政策方針の下では、どんなに立派な法律を作っても執行されない現状にジレンマを感じた王さんは、1998年に大学の同僚や弁護士たちと「汚染被害者法律援助センター」を設立、無償で法律相談にのったり、訴訟を起こしたりなど、汚染被害者の救済に直接乗り出しました。土壌や水が汚染されて生活の術が絶たれた農民たちは、訴えるための費用すら捻出できない状況に置かれていたのです。王さんたちは、こうした格差社会の底辺であえぐ人々を助け、相談は１万件以上、政府や企業を相手に起こした訴訟は100件以上に上っています。このような活動から、王さんは去年10月にアメリカの雑誌「TIME」で、世界の環境保護の英雄45名の一人に選ばれました。水質汚濁、大気汚染、そしてCO2の排出がもたらす地球温暖化。一衣帯水の隣国・中国の環境汚染を食い止めることは、日本にとっても重要な課題になっています。未曾有の経済発展の影で被害者はどんな状況に置かれているのか、そして我々にいま何ができるのか。環境保護活動の最前線で格闘する王さんの言葉から、未来への提言を探る番組です。

なお、この番組は27日（日）15：10－16：00にNHK衛星第一で再放送されます。