COCCOLITH EARTH WATCH REPORT

限りある地球に住む一地球市民として、微力ながら持続可能な世界実現に向けて情報や意見の発信を試みています。

よみがえれ里山の米作り~小さな米屋と農家の大きな挑戦~

2010-01-09 22:13:50 | Weblog
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1.最近放送された農業関連番組で感じたこと
 タイトルは10日(日)22:00‐23:30にNHK教育で放送されるETV特集のものである。本題の紹介の前に、新年になってから放送された、内容的に対極をなすような二つの番組を振り返ってみたい。
 一方は5日の総合テレビのプロフェッショナル 仕事の流儀で紹介された「命の農場で、土に生きる~農家・金子美登~」自然の仕組みを見据えた有機農業で、他方は6日のクローズアップ現代で紹介された「先端技術を世界へ~野菜工場~」である。前者は3ヘクタールの農地に米、野菜、果物など60種類もの作物を農薬も化学肥料も使わずに展開する有機農業で、目的に合わせた植物の混植による病虫害予防、家畜の排泄物を利用した堆肥作り、発生するメタンガスの利用など、自然の力を徹底的に追及する農業で、できた野菜はスーパーなどで売られているものよりはるかに美味しいそうである。
 他方は最新のテクノロジーを駆使して設計された閉鎖系で農薬を使わずに水耕栽培される、清浄で土の付着もない安全な野菜の工場生産である。工場遊休地の活用や雇用拡大、フードロスなど地域が抱える課題の解決策として注目を集め、異業種からの参入が相次いでいるという。また大手化学メーカーは、太陽光発電やLED(発光ダイオード)、リチウム電池などを組込んだ電気や水のない砂漠でも野菜を栽培できる装置を開発し、中東の国への輸出を具体化しているという。先端技術を生かしたビジネス展開ではあるが、豊かなアラブの産油国ならまだしも、貧しいサハラ以南のアフリカ諸国には手が届きそうにない。
 植物は太陽光のエネルギーで二酸化炭素と水からは、糖分しか生産できない。植物体として育つには主要成分として窒素、リンのほか、微量ながら多数のミネラル分が必要である。工場生産には外部から加えてやる必要がある。自然の仕組みから見ると、金子さんのやり方の方に合理性が感じられた。

2 よみがえれ里山の米作り~小さな米屋と農家の大きな挑戦~
 本題のETV特集は、美しい日本の原風景であり、環境保全にもつながる里山の田んぼを復活させようとする奈良県の小さな米屋さんと各地の農家の挑戦が紹介される。以下は番組ホームページに紹介されている概要である

 里山の美しい田んぼを守りたい。小さな米屋と小さな農家が手を組んで、生産性が極めて低い棚田などで安全でおいしい米作りを続けている。米屋は奈良県大和郡山市の入口寿子さん(62)。入口さんは10年前から全国各地を訪ねて「米は高く売りますから、環境を汚さない無農薬米を作ってください」と呼びかけ、それに北海道から鹿児島まで全国70以上の農家が応えてきた。そして今、入口さんは新たな呼びかけを始めた。耕作が放棄され荒れ地となった田んぼの再生である。
 耕作放棄地が増え、荒廃が進む里山の田んぼ。しかしそこは美しい日本の原風景。しかも源流の天然水で潤され、安全でおいしい米ができる。そんな環境保全にもつながる田んぼを復活しようというのである。その呼びかけに応えた一人が、日本一おいしい米を競うコンクールで5年連続金賞を受賞してきた米作り名人の古川勝幸さん(52)。福島県郡山市で独自の漢方農法を実践し、去年から谷間の放棄田での米作りに取り組んでいる。その田は飲み水にも利用されている清らかな源流水で潤され、安全性とおいしさの点で極上の米の生産が期待できる。しかし一度放棄された田での稲作には思いもよらない困難が付きまとう。源流水が冷たい、日当りが悪い、漏水が激しい、そして従来の農機具が思うように使えないなど、乗り越えなければならない壁は数えきれない。古川さんはそれらをどう克服していくのか?
 番組では、古川さんの放棄田再生の米作りの日々に、福島県天栄村や新潟県津南町秋山郷の農家の取り組みなども交え、原野と化した水田をよみがえらせようとする農民たちの不屈の挑戦を8か月にわたって追った。

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2 コメント

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よみがえれ里山の米作り (いとう)
2010-01-10 23:44:18
入口寿子さんの米店は、どこにありますか?
住所、電話番号を教えてください。
返信する
イリグチのHP (coccolith)
2010-01-11 00:23:40
いとうさんへ
以下のサイトにアクセスしてください。
http://www.iriguchi-net.com/
返信する

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