COCCOLITH EARTH WATCH REPORT

限りある地球に住む一地球市民として、微力ながら持続可能な世界実現に向けて情報や意見の発信を試みています。

「いつも心に青空を」改訂版

2006-11-30 12:20:57 | Weblog
 11月30日のNHK総合プロフェッショナルで、タジキスタンの子どもたちの命と健康を守るために奔走する日本人女性、杢尾(もくお)雪絵さんの活動が紹介された。余談であるが、画面に現れた杢尾さんは、何となく陸上長距離界の第一人者の福士加代子選手に雰囲気が似ているみたいに感じた。
 タジキスタン(タジキスタン共和国)は遠い中央アジアの貧しい国で、アフガニスタン北東部と国境を接し、米軍のアフガニスタン侵攻の際は、領空や軍事施設の使用を許可した。イスラム化したテュルク系民族(中央アジアを中心に広範囲に居住)が主体の国で、モンゴル帝国、ロシア帝国、旧ソ連の支配下にあったが、1991年に独立した。翌年から内戦状態に突入し、1997年の最終和平合意までに約5万人が死傷した。1999年の憲法改正の国民投票と大統領選挙を経て、2000年に議会選挙が行われ、やっと和平プロセスが完了した。主要産業は綿花、アルミニウム生産、水力発電だが、世界銀行による2005年の1人当たりの国民総所得は280ドルと大変貧しい国である。
 杢尾さんはユニセフのタジキスタン代表として、予防接種やエイズ対策などのプロジェクトを進めている。5歳未満の子どもの死亡率が13人に1人という厳しい状況にある。杢尾さんは「子どもたちは待ってくれない」との信念で、財政支援を渋る当局が小さくても最初の一歩を踏み出すよう奔走している。
 20代の杢尾さんは休日にスカイダイビングを楽しむ会社員だったが、男性社員と担当を交代されたのがきっかけで、海外青年協力に入隊し、フィジーでのプロジェクトに参加した。その後は留学を経て30代でユニセフ職員としてコソボに赴任し、戦乱に苦しむ子どもたちの姿に接したことが、子どもたちの命と健康を守るために奔走する原動力になった。イラクでも大勢の子どもたちが悲惨な状況に曝されている。日本がそのような状況を招いた側に立つ決定をした人たちは、心の痛みを感じないのであろうか。遠くの貧しい国の大勢の子どもたちを守るために、丸腰で活動している杢尾さんの姿は、国際社会の中での日本の志向すべき方向を示唆しているように思われてならない。
 時には絶望的な状況に置かれても、杢尾さんの流儀は、「心のなかにいつも青空を持って、スカイダイビングで青空から見るように」状況を見ることができる目を持つことだそうである。
残念ながら、12月4日(月)16:05-16:50に予定されていた再放送は、、国会中継に変更されました。
コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 遠くの貧しい国々 | トップ | 飛躍的に進化するテクノロジ... »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
日本のNGOも頑張ってますよ! (AAR 戸賀)
2006-12-01 17:49:16
日本にはあまり馴染みのない国タジキスタンが取り上げられたのは嬉しいですね。
私はユニセフ、タジキスタン代表の杢尾さんと同じく、タジキスタンで支援活動をしている唯一の日本のNGO「難民を助ける会(AAR)」の戸賀と申します。
現地にいるため杢尾さん出演の番組を見られないのは残念ですが、日本の皆さんにタジキスタン他、はるか昔のシルクロードの国々である中央アジアに興味を持っていただければ、と思います。
9月まではJANIC職員だったので、JANICのHPからここにたどり着きました。JANICともどもAARもよろしくお願いします。
返信する
戸賀さんへご返事 (coccolith)
2006-12-02 00:24:55
JANICのHPとリンクができて即日、コメントをいただいてびっくりするやら、嬉しいやらです。杢雄さんの番組は実に感動的でした。民間人がコソボのような危険地域であのような活動を行っていることを、大勢の方に知っていただきたいものです。
AARのHPから戸賀さんへアクセスを試みてみます。
返信する

コメントを投稿

Weblog」カテゴリの最新記事