安倍政権は、「原発ゼロ政策の見直し」「核燃料サイクルの継続」を表明。使用済み核燃料、高レベル放射性廃棄物が増え続ける懸念が出てきました。そんななか、2月10日、21:00-21:50 NHK総合 NHKスペシャル「核のゴミ”はどこへ~検証・使用済み核燃料~」が放送されます。原発ゼロ政策見直しの不合理さを鋭く描き出す放送内容を期待しています。以下は番組HPで得られた詳報です。
3つの建屋が爆発した、福島第一原子力発電所の事故。原子炉とともに危機的な状況に陥ったのが、莫大な放射能を持つ使用済み核燃料の貯蔵プールだった。原子炉の稼働によって生じる使用済み核燃料は、全国の原発などに貯蔵され、その量は1万7千トンに達している。国が、使用済み核燃料を資源として貯蔵・再利用する、核燃料サイクルを推進してきたためだ。しかし、サイクルの要となる青森県六ヶ所村再処理工場は、トラブルの連続で操業開始を延期し続け、高速増殖炉「もんじゅ」も、1995年の事故以来、ほとんど動いていない。さらに、再処理に伴って生じる高レベル放射性廃棄物を埋設処分する場所も決まっていない。国は、3兆円近い経済効果をうたってきたが、唯一名乗りを挙げた高知県東洋町では、激しい反対運動が起こり挫折。原発事故後、さらに状況は厳しくなっている。こうした中、去年末に誕生した自公・安倍政権は、「前政権下の原発ゼロ政策の見直し」「核燃料サイクルの継続」を表明。使用済み核燃料、高レベル放射性廃棄物が再び大量に増え続ける懸念が出てきている。もはや、使用済み核燃料や廃棄物から目を背けることはできない私たちの社会。重い課題と向き合う、世界各国の事例も交えて伝え、次世代に負担を先送りしない方策を探る。
付 記
1月28日の東京新聞に、被爆地長崎から世界に核廃絶を訴えてきた本島元長崎市長が、2005~2006年にかけて、故郷五島列島振興のために核燃料廃棄物の最終処分場誘致に協力していたことを懺悔したとの記事が載りました。産業がなく、誘致すれば多額の交付金が入り、雇用も生れると考えたうえでのことだったそうですが、この計画は地元の反対で頓挫しました。福島原発事故で再び核の悲劇が繰り返されたことを受け、カトリックの洗礼を受けた本島氏は、処分場誘致に協力した事を悔やんで、苦しい胸の内を吐露したのです。なお、本島氏の講演や論文をまとめた「本島等の思想―原爆・戦争・ヒューマニズム】が出版されています(2012長崎新聞社、¥1890)。
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