未だ うちゅうじん

人魚が人間になりたいと思うように、日々人間になるよう鍛錬中

突然のお誘い!

2010-06-26 10:36:26 | うちゅうじんの日記

突然の嬉しいお誘い。

久しぶりの再会をしながら、久しぶりの野田さんの舞台を観てきました。
あんな前の席で観たのは初めてかも!

久しぶりの野田さんの舞台からの刺激は、
重く・熱く・濃いものでした。

巧みで軽快な言葉遊びや柔軟でのびやかな身体表現はいつものことながら、
舞台が進行していく後半は、その言葉遊びと身体から表現される「現実」に目を見張り、息をのむしかない状態へ。

そして、現実・今・社会に対する悲痛なまでの危機感をドスンと投げかけられたのであります。


の中で、いつもながらその演出に刺激を受けた私。

今回は「白」
その使い方に舌を巻きました。
全面白を基調とした舞台。そこに、墨の黒は映え、照明を変えれば昭和モノクロ映画のよう。

そして、内容が内容だからでしょうか。
おそらく意図的なのでしょう。

今までの野田さんの舞台には、
どこまでも高く広がる空があり、
どこまでも暗くも広がる海原があり、
どこまでも見渡せる高原があり、
そのひろいひろい世界に届き渡る声がありました。

今回の舞台は、
上にも下にも横にも、何か見えない壁にぐっと押されているような空間。
その外には、きっとどこまでも広がる世界があるだろうに、
そこには、狭く暗い閉じられた世界がありました。
でも、そこから出される声は、そとの広い広い世界を行くあてもなく悲しくさまよう声だったように感じました。

そっか、その悲しい声が外の広い世界をさまよってると感じさせるのは、
閉じられた世界を表現しながら、
しっかりと窓の外の広い世界を表現してるから、
あの声が遠くをさまようように感じたのか・・・。

・・・やはり意図的なのか・・・。

その演出にすごいと思う。
けれど、
あれが「今」なのかもしれないけど、
「今」をしっかりと見つめていかなければいけないのかもしれないけど、
それでも、私は
どこまでも果てしなくひろがる空や海原や高原を観る方が
そこに響き渡る突き抜けるような声を聴く方が
やっぱりやっぱり好きだなぁ・・・

そういう舞台を作れる人も少ないとおもうから。

次は、そういう舞台がまた観たいとおもうのでありました。