彼は、少し身体にハンディキャップがある。
でも彼にはハンディキャップを感じさせないものがある。
ひたむき 前向き 一生懸命 貪欲
彼のもつ意欲の強さは、人一倍。
そんな彼と山くだり。
登りよりも下りの方が、足に負担がかかる。
勝手なこちらの予測では、ほとんど自分では降りられないだろうと考えていた。
足の負担と危険を考えたら、下りは無理だろうと。
ところが
差し出す手を振り払うように自分でくだりはじめる。
一歩一歩しっかりとした足取りで。
「無理だ」と決めつけていたことが恥ずかしくなった。
そして、自分の足で山を降りた喜びを共感したいと思った。
だから、彼の足で降りれる道を先導することに徹した。
彼のすごいところは、がんばるけれど無茶はしないこと。
自分のハンディを理解し、できる限界までがんばる。
これ以上は無茶と思うと、しっかり判断して助けを求める。
そして、再び自分の力でできる見通しが持てたとき、再び歩き始める。
山のふもとが見えてきたとき、
「がんばれ!」と先を行く仲間から応援が聞こえた。
仲間の応援の中、ついにふもとに到着!
目頭が熱くなった。
先を考えず突進しがちで、壁にぶちあたるとガクンと凹んでしまう私にとって
人として尊敬してしまうのである。
それが5歳の男の子であっても。
残り10ヵ月。
彼の成長が楽しみ。