試作したマークオーディオ製8cmフルレンジスピーカーユニットを組み込んだ純セレブスピーカーの性能を調べています。
今回は、昔、自己流で演奏していた、J.S.バッハ：無伴奏フルートのためのパルティータ BWV1013 ”サラバンド”を、3つのスピーカー：
（１）純セレブスピーカー
（２）タンノイ カンタベリー
（３）ヤマハ パワードスピーカー NX-50
で聴き比べ、FFT分析による動的周波数特性試験を行いました。
３番目のヤマハSP（バスレフ型）はパソコンの外付けSPとして、書斎で使用しています。Amazonで9600円（参考価格: ￥ 15,658）で購入しました。しかし、このSPではクラシック音楽を聴く気になれず、いろいろ調べていたところ、音楽家 片岡祐介、安富歩先生が開発中の純セレブスピーカーに出会ったわけです。
１．CD 演奏者はジャン=ピエール・ランパル
２．楽譜 （使い込んでボロボロ）
サラバンドの終楽章近くの、矢印で示す G＃（667.5Hz）の音のFFT分析は、下図のとおりです。
拡大図
３．G#音のＦＦＴ分析
（１）純セレブスピーカー
（２）タンノイ カンタベリー
（３）ヤマハ パワードスピーカー NX-50
赤線スペクトル（この楽章中の最強音の包絡線波形）を比較して分かることは、純セレブスピーカー、タンノイＳＰともに本楽章サラバンドでランパルが吹いている主音G#（667.5Hz）が最強音fffであり、緑線で示されている主音G#と３つのピーク（倍音成分）の比率も類似している。
一方、ヤマハＳＰは839.8Hzが最強音。ランパルの意図するG#主音が明瞭に響いていない。第２倍音が不自然に大きく、非可聴域ではあるが10895.8Hzのノイズも顕著。
以上のことから、純セレブのスピーカーの心地よい響きは、ランパルの演奏解釈を忠実に反映し、素直で豊かな倍音成分を含んでいるためと思われる。
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＜追加 2018年10月22日＞
前回は、G#の倍音成分を静的に分析、今回はダイナミックな動的周波数特性に着目
私は音響学の専門家ではありませんが、今回、単音楽器であるフルートのG#音に注目して、3台のスピーカのFFT分析を試みました。
（１）純セレブスピーカーの動的周波数特性
純セレブスピーカー 動的周波数特性試験＜J.S.バッハ：無伴奏フルートのためのパルティータ BWV1013 サラバンド＞
（２）タンノイ カンタベリーの動的周波数特性
タンノイ・カンタベリー 動的周波数特性試験＜J.S.バッハ：無伴奏フルートのためのパルティータ BWV1013 サラバンド＞
（３）ヤマハ パワードスピーカー NX-50の動的周波数特性
ヤマハ NX-50 動的周波数特性試験＜J.S.バッハ：無伴奏フルートのためのパルティータ BWV1013 サラバンド＞
上記のリアルタイムFFT分析ビデオをご覧になっていかがでしたでしょうか。
ヤマハ パワードスピーカー NX-50では クラシック音楽を鑑賞する気になれなかった理由が私なりに分かりました。
このG#は、タンノイ、純セレブスピーカー共に曲中で何度か最強音fffで再生されています。おそらく、生演奏でもランパルが強調した音形と推測します。曲のフレーズ、音の強弱は演奏者の個性が出ますが、スピーカーシステムは演奏者の意図する音を再生できなくてはなりません。 聴いていて心地よい、素直で豊かで伸びのある響きは、倍音成分が高次ほど自然に単調減少することにあると思います。
演奏者の意図するフレーズ、音の強弱など、ヤマハ パワードスピーカー NX-50は原音が再現できていない。倍音比率もでたらめ、非可聴域ではあるが10895.8Hzのノイズも顕著。作られた音に変質していることに、改めて気が付きました。これでは上質の音楽を楽しめません。
この原因は、スピーカーのバスレフ構造にあると思われます。
タンノイ・カンタベリーは、新品で250万円（生産終了2013.9）もしましたが、たった1万円で高級オーディオサウンドが手に入るのです。
参考
１．TANNOY社ホームページから
http://www.esoteric.jp/products/tannoy/canterburyse/
２．「TANNOY カンタベリー視聴後の大山の評価」
http://www.diyloudspeakers.jp/5000html/tannoy/canturbery.html
補足
言い忘れましたが、純セレブスピーカーの場合、タブレットに保存した曲を、ブルートゥースで飛ばし安価なデジタルアンプ（Amazon３９４４円）で再生しました。
Bluetoothアンプ ELEGIANT ステレオ スピーカー パワーアンプ デジタルアンプ ベース 増幅器 HI-FI 音質 100W 大出力 超小型
| 参考価格: | ￥ 4,999 |
| 価格: | ￥ 3,499 通常配送無料 |
＜追記 20189年10月23日＞
質問がありましたので、価格情報を追記します。
◇比較視聴装置
Ａ ダイアトーン2S-305（NHK技研と三菱電機が共同開発した放送局用モニタースピーカー まだ現役です！） 35万円/台
アンプ：ヤマハAVアンプ DSP-AX3900 23万円
Ｂ タンノイ カンタベリー 125万円/台
アンプ：Luxman L-598AⅡ 36万円
CDプレイヤー DENON DCD-SA1 50万円
ただし、純セレブスピーカーの場合は、タブレットから再生
◇純セレブスピーカー （Amazon購入）
１．スピーカーユニット：マークオーディオ製の8cmフルレンジスピーカーユニット
音楽之友社「これならできる 特選スピーカーユニット－マークオーディオ編」付録ユニット OM-MF5 】５６１６円（本体５２００＋税）
２．スピーカーボックス： ダンボール箱 160 サイズ【40×40×高さ75cm】5枚セット FD29-0001 販売: ボックスバンク ￥ 2,895
３．アンプ： Bluetoothアンプ ELEGIANT ステレオ スピーカー パワーアンプ デジタルアンプ ベース 増幅器
HI-FI 音質 100W 大出力 超小型 販売: Taisike-jp ￥ 3,499
４．タブレット：HUAWEI MediaPad M5 Pro 5万円
プレイヤー： Onkyo HF Player for Androidad
動的周波数特性試験（FFT分析）： 「サウンドモニターFFTWave for Andoroid」 E.N.Software 無償
ビデオ録音・録画： Nikon COOLPIX P510