日差しが強くなってきたので、愛用の日傘を取り出しました。
もうすっかり色褪せて、ふちどりのレースもぼろぼろ、
たれさがったところをぴっとひいたりしてましたが、
買い替えるなど考えもせず、まだまだ続投のはずでした。
ところが・・・・
さしてみると、一箇所、拡がらないところがあります。
よくよくみると、露先が折れているのでした。
こうなっては仕方ありません。
でも・・・・・
買いに行くの、かったるいなぁ。
出不精なうえに、前回も、探すのにさんざ苦労したのです。
なにより、レースが嫌い。
あまいフリフリも苦手とつづくと、ほとんど選択肢がありません。
そうこうするうち、ふとどこかのブログで読んだ日傘のオーダーが脳裏によみがえったのです。
裄が長いため、寸法のあわないきものを仕立て替えるのに、
反幅が37cmを切ると難しくなります。
羽織や道中着など上にはおるならなおさらです。
安直に帯にする手もなくはないけれど、
あいにく織帯大好き派なので、よっぽどでなければやりません。
あとは洋服かインテリア、小物にリフォームですが、
どっこい、技術と時間が折り合わない。。。。
というわたしには、まさに渡りに船ではありませんか!!
手持ちの布の中から、かさばらず、裏表がない紬の単衣を選びました。
そのまま送ってもいいそうですが、布の状態を確かめるため、ぽつぽつ解きます。(500円の倹約!)
仕事の合間を縫ってなので、意外と時間がかかりました。
すぐ送っても三週間待ちだといってるのに、夏がきちゃうじゃないの!
とあせりましたが、仕方ない。
ようやく終えて、抜きその始末もすみ、発送したのはもう五月も末になっていました。
待つことしばし。
制作にかかったけれども、柄あわせの布取りにちょっと迷っているというメールをいただきました。
一本だけでいいので、えんりょなくお使いくださいと返信しました。
結果がこれ。
柄が、こんなふうにつながっていくなんて考えもしませんでした。
立体になるって、また別の世界なのですね。
発送にもたついたのは、もうひとつ理由がありました。
どうやってオーダーすればいいのかピンとこなかったのです。
長さから始まって、骨の選択、また色がどう影響するのやら。
ふだん、いかに無造作にものを選んでいるかです。
それでも消去法で、折りたためる、軽い、とはずせない項目を選んでいき、
専門家の意見と照合します。
今回は、グラスファイバーの骨と桜皮の手元にしました。
この縫い目をみたとき、なんかじーんとしました。
頼んでよかったな、と思った一瞬です。
やりとりの途中、一日に二本しか作らないようにしているとお聞きしました。
ものをつくるって、そういうことなんですよね。
手作り日傘 わたなべ洋傘店
お店は、福島にあります。
地図を見ながら、サイトの向こう側に思いを馳せました。
きょうは、晴れですね。
さっそく持って、出かけましょう。
プロの手に掛かるとこんな風に
柄が綺麗に合うんですね。
持ってお出掛けが楽しくなりますね。
さっそくさして出かけたのですが、ふしぎなことに、すずしく感じるんですよ。
UV加工のせいなのか、絹という材質のせいなのか・・・
そして、長短に使い分けられる袋は、とっても使い勝手が良かったです。
余計なことかもしれませんが
涼しく感じるのは天然素材の
シルクで上質の紬織生地だからです。通気性があるのものは、麻、綿のパラソルも涼しいです。
そうだったんですか。
材質が、こんなにすずしさに影響するなんて知りませんでした。
ここ数年つかっていたものは、たしかに混紡か化学繊維だと思います。
そういえば、昔ながらのパラソルは綿のレースでした。が、たたむと巻きが厚くなり、鞄の収まりが悪くて選ぶのに躊躇します。
思いがけず、上質で機能的な日傘を所持できて喜んでいます。
たいせつにいたしますね。