JR西日本は、6月の定例社長記者会見で新たな長距離列車を導入することを発表した。
コンセプトは、『多様性』『カジュアル』『くつろぎ』、様々な観光地を走ることで、幅広い世代やインバウント、インバウンド客へ西日本の魅力を伝えていく。
車両は117系6両を改造、編成イメージとしては先頭車を1+2列又は個室グリーン車とし、中間車は2+2列の普通車、コンパートメント普通車、フリースペース、フルフラットシート(のびのび座席)とする。運行エリアは、期間を定め、京阪神~山陰方面、京阪神~山陰方面などを予定、2020年夏までの運行開始を計画している。
なお、始発駅や途中駅において、沿線の魅力を堪能いただける美味・美酒の提供を検討している。
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去年11月末に導入することを発表していたリーズナブルな長距離列車の詳細が明らかになった。
JR西日本のリリースには掲載されてないものの、リリースの列車イメージと報道によると117を改造する模様。種車は6年ほど車齢が若い100番台がいいのだけど、1980年製造の0番台を改造するのだろうか。車齢40年で第2の人生というのもすごいな。でも、京王3000系や旧5000系は、117系より10年以上前の製造で、地方私鉄であんなに活躍しているからな。まぁ、新宿~八王子間で走っていた5000系と、姫路~米原まで走っていた117系を比較するというのも難だけど。
寝台車はなく全て座席車、一部報道で1泊2日とあることと、列車イメージから昼行だけでなく夜行での運転をイメージしていると思われる。今でも夜行快速は昼間にも運転される座席車だし。普通車に1+2列のグリーン車、フルフラットシートを連結しているということで、8年前まで走っていた『ムーンライト高知』を彷彿させる。でも、パックツアーでの販売となる可能性が高いから、普通車ですら18きっぷで乗れないだろう。そう考えると、『ムーンライト九州』や新宮夜行が走っていた頃は、どれだけ贅沢だったのだろう。イメージ図を見る限りだとグリーン車のシートピッチは1820㎜、1列+2列であることから『いなほ』のようなものになる。これだけシートピッチが広いとなると、どれくらいリクライニングできるのだろう。一方、個室グリーン車はリクライニングできない構造になるけど、夜行として利用するときはどうするのだろうか。『ドリームつばめ』のようなものだったら、夜行にも使えるのだけど。
普通車はイメージ図にないけど、シートピッチ910㎜にして窓枠に合わせるのだろうか。それとも『くつろぎ』のコンセプトから1365㎜にして余裕を持たせるのだろうか。最後の夜行急行『はまなす』は910㎜だったから、シートを工夫すればどうにかなるけど。シートには電源コンセントをつけてほしいところだ。
運行エリアは直流6連が運転できるところだから、近畿圏以外は、山陽本線、伯備線、山陰本線の米子~西出雲、赤穂線、瀬戸大橋線、呉線といったところ。そのうち、京都~広島・下関・出雲市で運転される公算が高い。あと、夏期間に新宮、冬期間に城崎温泉という日帰りの設定もありそうだ。気動車にしたら拡大はできるけど、観光エリアは萩・津和野くらいだからな。
一部報道によると、価格は大阪~出雲間の距離で1泊2日数千円台~2万円台を想定しているとのこと。該当する区間を岡山経由で経由すると運賃6,480円、それに特急指定券料金3,110円をプラスすると9,590円、グリーン車は13,180円になる。個室はそれに7,000円ぐらい加算するのだろうか。九州のグリーン個室5,040円より高くて、サンライズのシングルツインと変わらない。参考までに夜行バスで大阪から出雲市までは5,800円かかる。
JRグループでは初めてとなる夜行としての運転もできる観光列車、どれくらいの人気が出るのだろうか。車内設備からクルーズトレインのような競争率何十倍まではいかないと思うけど、一般販売で10時打ちしないと厳しい程度かな。でも、18きっぷ利用できない普通車とかどうなのだろう。
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