19日にE131系の初乗車をしながら、ロマンスカーミュージアムへ立ち寄ることにした。
ロマンスカーミュージアムは『子どもも大人も楽しめる鉄道ミュージアム』として、今年4月19日にオープンした。コロナ禍のため、予約制になっているが、入場者数に余裕がある場合は予約をせずに入ることができる。今日は11時30分から予約しないで入れる状況だった。ネット上の予約はあくまでも予約だけ、入口で予約したときに発行したQRコードを読み取った後は、券売機で入場券を買うことになる。その列は長いものの10分ほどで館内に入れた。
入口の2階から1階にエスカレーターを降りると、ヒストリーシアターがあり、モハ1形の横でショートムービーが上映されている。ショートムービーはタップダンスを取り込んだ洒落たものだ。ロマンスカーの歴史で活躍した時期の表記があったが、VSEの紹介に引退が2023という文字が入る日も近いうちに来るのだろう。
ヒストリーシアターを出ると、ロマンスカーギャラリーがあり、すぐにSE車、NSE車、LSE車の先頭が新宿方へ向かって並んでいるところになる。日曜日で家族連れの多い時間帯だが、10分ほどで誰も入らず3つの車両が撮影できるチャンスに遭遇した。LSEは先頭車だけ展示、SEとNSEは中間車を含んだ3両を展示しており、車内に入れることができる。ただし、入れるのはデッキ付近だけなので、数人程度しか入ることができない。SE車と向かい合うように、HiSEの先頭車を展示、中に入れるようになっているが、長野でも見れるので入らなかった。NSEと向き合うスペースは空いている。ここにVSEの先頭車と中間車を配置するものだと思われる。RSEは小田原向きに先頭車と2階建の中間車を展示しており、先頭車は通路まで、中間車はデッキ付近だけ入れる。デッキから通路への段差を見ると、バリアフリーの兼ね合いで撤退したことを実感する。拡大して藤沢の公園の2600形を持ってきてもよさそうだけど、ロマンスカーミュージアムなのだから、通勤車は展示しない方針なのかと。それでも屋外展示場でも作って、イベントで総合検測車であるクヤ31形などを展示しても良さそうだと思うのだけど。
RSEが配置している横にはロマンスカーアカデミアという小さな部屋、中には企業年表パネルや複々線化事業の模型、そして小田急関連の書籍が置いてあった。複々線化事業の模型は工事中の世田谷代田駅にあったものを移設したものだ。
1階から2階へエスカレーターを上がると、小田急沿線んを模型で再現したジオラマパークがある。ジオラマパークの広さは190平方メートル、300平方メートルほどある原鉄道記念館や京都鉄道博物館に劣るものの、大宮の鉄道博物館やリニア鉄道館と変わらない広さとなる。他の私鉄系博物館のジオラマと比べると、京王れーるランドの5倍、東武博物館の2倍、京急ミュージアムの4倍の広さで圧倒的に大きい。
ジオラマでは、新宿、下北沢、成城学園前、町田、相模大野、海老名、小田原、箱根湯本、藤沢、片瀬江ノ島の駅とその周辺を再現している。箱根湯本の先はトンネルを挟んで、箱根登山鉄道、富士屋ホテル、箱根山を挟んで、箱根湖まで再現している。特に新宿付近の模型は圧巻で、高層ビル街は勿論のこと、西口の地下車道と地上車道を結ぶロータリー、その横のバスのりば、思い出横丁が再現されている。860棟ある建物のストラクチャーのうち、160棟は実在するもの、他の博物館のジオラマと違って、既製品がないのも特徴だ。多分3Dプリンターを利用して作成と思われる。鉄道以外の表現も細かく、小さいながらも東名高速と海老名SAがあったり、江ノ島水族館ではイルカが、箱根湯本駅前では駅伝選手が動いていた。
ただ、スペースが広いとはいえ、駅間は短いので多摩川を渡るとすぐ町田となっている。代々木上原駅も再現されてない結果、新宿から相模大野まで複々線が伸びるといった現実とは違う状況になっている。
ジオラマを走るのはSEの更新前、更新後、NSE、LSE、HiSE、RSE、EXE、VSE、MSE、GSEのロマンスカー10種類、2200、旧5000、8000、1000、3000の通勤車5種類の計15種類だ。4000、5000の配置は今のところない。駅や車庫に配置している車両はほとんどなく、新宿駅先の見えない部分のヤードから発着していると推測される。
鎌倉付近には江ノ電500形模型の運転体験、小田原付近にはGSEの模型の運転体験がある。3分間100円であること、本物の運転台を操作するのは京急ミュージアムと同じだが、運転している車両の前面眺望はない。GSEは小田原駅の新幹線の高架線路を回っており、ここでも現実とは違う状況になっている。
ジオラマショー「時間と距離のロマンス」は45分間隔で9分間開催される。職員による口での案内だけで、ジオラマに近いどころが、パンフ、公式HPには案内はない。自分の見た回は11時15分だから10時30分から17時15分まで10回行われるということになる。内容は、AR三兄弟の川田十夢氏が作り出したプロジェクションマッピングに合わせて、青木慶則の曲「セブンティ・ステイションズ」がかかるもの、ジオラマの内容よりジオラマの周りを派手に演出していた。他で見る車両などを解説するのジオラマショーとは一線を画しており、そういうのをイメージしていた人からは批判を浴びるのではないかと。
ちなみにジオラマを作ったのは、名古屋のリニア・鉄道館、敦賀の赤レンガ倉庫にもかかわった丹青社だ。これらのジオラマショーに比べると、ロマンスカーミュージアムのジオラマショーは違う方向に向かった印象を受けた。
ジオラマパークを出たところにキッズロマンスカーパークがある。キッズとなっているのでスルーしたけど。
その中にあるLSEの運転シミュレーションはおなじみ音楽館が作ったもの、500円で15分の運転ができるが、1日当たり32組しか運転体験できない。そのため競争倍率が高い。運転時間を大宮のてっぱくと比べると、SLやE5並みで、通勤車の6分の倍以上だ。他の私鉄系ミュージアムみたいに映像だけでもいいから、さらに数台シミュレーションがあった方がいいかもしれない。
キッズロマンスカーパークにはシミュレーション以外に、ロマンスカーアスレチックやこうさくしつがあり、1回500円で遊ぶことができる。遊戯施設としては理想的なのだけど、てっぱくのように、遊びながら鉄道の動く仕組みなどを学ぶことができた方がいいのかなと思う。一番いいのはキッザニアのような職業体験なんだけどね。
屋上には、ステーションビューテラスがあり、海老名駅や海老名検車区を見ることができる。そのため、ロマンスカーの時刻表が海老名通過列車も含めて案内されていた。
子供だけでなく大人も楽しめることがコンセプトだけど、正確に言えば子供と子供を連れた大人が楽しめて、大人だけが楽しめるのはロマンスカーの展示とジオラマに限られる。他より充実しているとはいえ、900円は少し高いという感じが個人的にする。フロアマップをチェックしてなかったから、ロマンスカーを見終わった後にこれ以外に小田急の歴史の資料がないのか探したくらいだ。ビナウォークやららぽーとが近い立地を考えると、どうしても家族向けとなる。そのため、鉄道車両の展示している公園に、屋根と大きなジオラマを追加しただけのものになるのは仕方がないのかなと。東武博物館や東急の電車とバスの博物館より、京王れーるランドの括りになるのだけど、京王れーるランドでも歴史資料とか電車の仕組みを学ぶコーナーがあるからな。
入場料が高い分、シミュレーションを充実させるなどの設備投資をしてくれるといいのだけど。
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